儲かる下請けになるためには?ラーメンのスープの様に微妙な差を強調するより大手顧客の要求を把握し対応すること

濱田金男

濱田金男

テーマ:中小製造業の生き残り策

ふつうの事が普通にできる会社とは?
ラーメンのスープの様に微妙な差を強調するより大手顧客の要求を把握し
対応すること

1.顧客の信頼を得る
ふつうの中小製造業に求められるのは、顧客の信頼を得ることです。
安定した品質を確保する、納期を守る、レスポンスを早くするなどの、ごく
当たり前のことを継続して実現するということが最も大事なことです。

 ①出荷品質を高めること
 ②ムダを省きコスト面で顧客の要求に応える
 ③安心して働ける生産工場
 ④キレイで静かな生産工場

自社の技術力をアピールすることも重要なことですが、それはラーメンの
スープの様に、微妙な差でしかありません。

それよりも、顧客となる大手が求めていることを把握して、それに対応
できることが重要です。大手企業がどのようなことで困っているのか?
何を提供すれば喜ぶのか?をよく把握してそれを実現するため、基本的
なことを当たり前にできるようにすること、地道に継続的に取り組む
ことが他社との差別化につながると思います。

 ★製造業はラーメン屋のように「こだわりの麺」を作る必要はない!

2.B to Bビジネスに徹する
中小製造業は、新商品を開発して売り込むのではなく顧客としての企業向け
(B to B)に、自社の「強み」をメッセージとして伝え、売り込む努力
をすることです。お客様に喜ばれ、安心感を与える技術・サービス、
競合企業を退け、大手企業が自社を選ぶきっかけとなったものに注目し
明確に自社の差別化技術として位置付けることです。
例えば「金属加工の**における特殊精密形状加工技術と、試作**即応
サービス対応」というようにです。

絞られた特定の技術、それこそ、自社の「強み」であり、自社独自ブランド
なのです。
そして、必ず「技術(ハード)」+「サービス(ソフト)」がセットに
なっているはずです。いかにその技術が顧客に利益を与えるか、それには
ハード/ソフトの組み合わせが必要なのです。
 ★ある金属加工企業の取り組み

3.難しい開発設計企業への脱皮
中小製造業にとって、製品設計機能を社内に持つことは、他社との差別化、
競争優位に立つための強力な武器となります。
開発設計は商品の価値創出の根源であり、「強い開発設計体制作り」は
これからの中小企業にとって、最も重要な課題となっています。

しかし、部品製造を主体とした中小企業にとって、設計ノウハウの蓄積は
並大抵ではありません。

そのためには、派遣技術者として大手企業へ人材を送り込み、設計作業に
従事し、ノウハウを蓄積する、または、設計業務ごと自社に取り込んだり
大手企業設計経験者の中途採用を積極的に進めるなどの、外部からの
設計業務のノウハウを取り込むことが必要になりますが、社内体制の整備
も含め、開発設計・製造企業に脱皮するには、企業として総合力が必要で
あり多くのハードルを越えなければ実現は極めて難しいと考えられます。
 ★中小企業の商品開発設計体制作り

4.基礎体力作りから始める
結局個人商店的な経営から脱し、組織経営に切り替え、経営者個人の力量
で取り仕切ってきた経営を、組織の力で成長を図っていく経営に変えていく
事が必要になってきます。

以下は、基礎体力作りに必要な最も基本的な事であり、企業として取り組む
べき普通の取り組み内容です。目新しい項目は全くありません。
 ①組織の役割の明確化
 ②権限委譲
 ③社員の教育訓練のしくみ
 ④固有技術の蓄積
 ⑤目標の設定とマネジメントサイクル
 ⑥業務改革(生産性向上対策)のしくみ

社長が一番望んでいる、成長企業として、一歩上に抜け出せるかどうかは
この普通の事が普通のできる「基礎体力」作りが成功するかどうかに掛か
っているのです。

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濱田金男
専門家

濱田金男(企業経営コンサルタント)

合同会社高崎ものづくり技術研究所

大手電機メーカーで設計、製造、品質管理に長く携わり、中国工場立ち上げ、韓国での生産ライン効率化など海外支援実績も多数。新しい時代を見据えた工場改革、付加価値向上と人材育成で、ものづくりの現場をサポート

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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