中小製造業DXの進め方;多品種少量生産工場で取得すべきデータの種類

濱田金男

濱田金男

テーマ:DX化で製造業は変わる!

これからの製造業において、データの分析技術の向上はDXを進める上に
おいて重要な役割を果たします。

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  現場管理者の視点から見たDXの進め方とは?
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では、分析の対象となるデータには、どのようなデータがあるでしょうか?
特に、多品種少量生産工場において人の動きをIOTで取得、分析することは
生産性向上につながる非常に有効なデータと考えられます。

1.製造業の品質向上・生産性向上に寄与するデータの種類は
製造業において生産性向上・品質向上に寄与するデータの種類は次の
とおりです。
 ①生産データ:生産ラインでの生産量、生産効率、生産時間など。
 ②品質データ:製品の不良品数、不良原因、製品テスト結果など。
 ③材料データ:使用された原材料の種類、量、質など。
 ④設備データ:設備のメンテナンス履歴、故障率、運転状況など。
 ⑤顧客データ:顧客フィードバック、苦情、保証クレームなど。

これらのデータを分析することにより、生産プロセスや製品に対して問題が
発生している箇所を特定し、改善策を立てることができます。

また、多品種少量生産工場において生産性向上に寄与するデータとしては
以下があげられます。
 ①生産ラインの効率: 生産ラインの動作時間、生産スピード、生産量など
 ②資材管理: 資材の調達時間、在庫管理など
 ③生産装置の稼働率: 生産装置の故障率、メンテナンス時間など
 ④人的要因: 生産ラインスタッフのスキルレベル、生産性向上の訓練など

2.人的要因のデータは、何をどのように取得するか?
人や作業者のデータは製造業においても重要な要素となります。特に、生産
ラインにおいて作業者のスキルや行動が生産性や品質に影響するため、人や
作業者のデータも分析することが重要です。

例えば、作業者のトレーニングレベルや経験、勤務時間などを記録すること
で、生産性の向上や品質向上に向けた改善策を立てることができます。

人や作業者のデータは、製造業において品質向上に寄与するデータの一部と
して考えられますが、では実際にどのように取得すればいいでしょうか。

作業者のバラツキを分析するためには、次のような方法があります。
 ①作業記録: 作業者の作業結果や手順などを記録し、そのデータを分析する
 ②パフォーマンス評価: 作業者の作業スピードや品質などのパフォーマンス
  を測定し、そのデータを分析する
 ③スキルアセスメント: 作業者のスキルレベルを評価するために、テストや
  トレーニングなどを行い、そのデータを分析す
 ④フィードバック: 作業者に対するフィードバックを取得し、そのデータを
  分析することで、作業者のスキルや作業方法の改善点などを把握する

DXにおいては、これらのデータを素早く収集し、分析することによって、
作業者のバラツキを明らかにし、改善を行い、生産性向上につなげていきます。

そのためには、上記の4つのデータをIoTで取得することが必要となります
が、具体的には、どのように取得すればいいでしょうか?
 ①作業記録: IoTデバイスを使用して作業者の作業状況をリアルタイムに
  記録することが可能。例えば、スマートフォンアプリを使って作業者が
  手順を記録することができる
 ②パフォーマンス評価: IoTセンサーを使用して作業者の作業スピードや
  生産性を測定することができる。例えば、RFIDタグやバーコード
  リーダーなどを使って作業者の作業量を記録することができる
 ③スキルアセスメント: IoTデバイスを使用して作業者のスキルを評価する
  例えば、AR(拡張現実)デバイスを使って作業者のトレーニングを行う
 ④フィードバック: IoTデバイスを使用して作業者に対するフィードバック
  を収集することができる。
  例えば、タブレットデバイスを使って作業者にアンケートを行うなど

1のスマートフォンアプリについて、もう少し具体的に解説します。
スマートフォンアプリは、工場の作業者が作業手順や結果を記録するための
アプリケーションです。このアプリケーションは、作業者が作業を行う際に
スマートフォンを使って作業情報を入力することができます。

例えば、作業者が作業を開始するとアプリケーションに通知が送られ、作業
終了時には作業結果や手順などを入力することができます。このデータは
後で分析することができます。

このようなアプリケーションは、作業者が作業を行うたびにデータを自動的
に収集することができるため、手作業でのデータ収集よりも効率的な方法と
なります。また、リアルタイムでのデータ収集が可能なため、作業者の作業
状況をリアルタイムで把握することができます。

それらのアプリは実際に販売されており、多くの企業が工場や倉庫などの
作業現場向けに作業者の作業記録アプリケーションを開発しています。
これらのアプリケーションは通常、iOSまたはAndroidのスマートフォン向け
に提供されており、製造業や物流業などの企業が作業者の作業状況を把握
することを目的としています。以下に参考として、手軽に導入できるアプリ
を紹介します。
 ・ろじたん:https://www.logitan.jp/about
 ・じょぶたん:https://www.job-tan.jp/
 ・ロジメーター:https://kurando.io/service/logimeter/

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Mybestpro Members

濱田金男
専門家

濱田金男(企業経営コンサルタント)

合同会社高崎ものづくり技術研究所

大手電機メーカーで設計、製造、品質管理に長く携わり、中国工場立ち上げ、韓国での生産ライン効率化など海外支援実績も多数。新しい時代を見据えた工場改革、付加価値向上と人材育成で、ものづくりの現場をサポート

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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