こんな苦労は子どもにさせたくない
先日、高齢のお客様からお掃除のご依頼をいただきました。
ご家族が、歩く場所を確保するために家具を移動されたとのこと。
伺ってみると、お部屋が以前より広くなっていました。
家具を動かした場所を掃除し、出窓のカーテンも外してお洗濯。
カーテンを外すために出窓の物を全部下ろしたので、「せっかくだから、要るものと要らないものも分けてみませんか?」と声をかけてみました。
すると、お客様も「そうね、いい機会だから」と、次々に整理を始められました。
お掃除が終わる頃には、お部屋が広く明るくなり、「きれいになって良かった」と喜んでいただけました。
今回、改めて感じたことがあります。
片付けは、きっかけと声のかけ方が大切だということ。
実家の片付けが気になっていても、
「少し片付けたら?」
と言うと、
「まだ使うから」
「困っていないから」
と断られてしまうことがあります。
そんなときは、少し声のかけ方を変えてみませんか。
「夜中にトイレへ行くとき、転んだら心配だから、通り道を広くしない?」
「家具を少し動かしてみようか。手伝うよ」
ただ片付けるのではなく、安心して歩けるようにするための提案です。
まずは寝室からトイレまでの動線を一緒に確認する。
家具の配置を見直したり、通り道を広げたり。
そして、物を動かしたついでに、
「せっかくだから、要るものと要らないものも分けてみようか」
と声をかけてみる。
今回のお客様も、掃除というきっかけがあったからこそ、自然に整理を始められました。
最初から家中を片付けようとする必要はありません。
まずは、毎日使う通り道だけでも。
もちろん、動線を広げれば転倒を必ず防げるというわけではありません。
それでも、暮らしの中の危険を減らすことにはつながります。
そして、もう一つ大切なことがあります。
「片付けたら、暮らしやすくなった」という小さな成功体験です。
親御さんがそう感じられれば、次は別の場所も片付けてみようかな、という気持ちになるかもしれません。
子ども世代も、無理に片付けを迫らなくて済みます。
「次はここもやってみようか」
そんな会話が生まれたら、うれしいですね。
片付けは、捨てることから始めなくてもいい。
まずは、安心して歩ける場所をつくることから。
それも、実家の片付けの立派な第一歩です。


