『まだ必要ない』が、『こうやって使う』に変わるまで。
「自分ファースト」
自分のことを一番に考える。
そう聞くと、少しわがままな印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
でも、誰かを支えている人にこそ、自分自身の暮らしを大切にしてほしい。
最近、そんなことを改めて感じる出来事がありました。
自分の時間も大切にしたい
ご家族の介護をしながら、ご自身も定期的に通所サービスを利用されている方がいらっしゃいます。
その方には、通うことを楽しみにしている理由があります。
身体を動かすことはもちろんですが、そこで出会った方々との交流も、大切な時間になっているのです。
いつもの曜日に、いつもの顔ぶれ。
何気ない会話を楽しみながら過ごす時間は、日々の暮らしの張り合いにもなっています。
ところが、ご家族の介護サービスの予定と重なることになりました。
ご家族のことは心配。
でも、自分の通所サービスも続けたい。
できれば、曜日も変えたくない。
そんな思いをお聞きしました。
曜日を変えれば済む話ではない
「別の曜日に行けばいいのでは?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私はそうは思いませんでした。
長い時間をかけて築いてきた人間関係があります。
同じサービスを受けられれば、それでいいというものではないのです。
何より、ご自身の健康を維持するためにも、通所サービスは大切なもの。
介護する側だからといって、自分のことを後回しにする必要はありません。
ちょっとした調整で変わることも
どうすれば、今までどおり通所サービスを利用できるだろう。
そんなことを一緒に考えました。
ご家族の介護サービスは必要ですし、ご自身の通所サービスも大切です。
どちらかを諦めるのではなく、両方を続けられる方法はないだろうか。
そこで、普段お伺いしている家事代行の時間を調整することになりました。
今回は、たまたま予定が合ったからできたことです。
でも、それによって、ご本人もご家族も、それぞれの生活を大きく変えずに済みそうです。
ご本人は、大切な時間を諦めずに済む。
介護を受けるご家族も、必要な支援を受けられる。
そして、ほかのご家族にも、新たな負担がかからない。
まさに「三方よし」です。
もちろん、いつもこんなふうに調整できるとは限りません。
それでも、誰かが我慢することを当たり前にせず、ほかに方法はないかと考えてみる。
そんな視点も大切なのではないでしょうか。
介護する人にも、自分の人生がある
大切な家族だからこそ、心配になる。
できる限り自分が支えたい。
その気持ちは、とてもよくわかります。
でも、介護する人にも、自分自身の暮らしがあります。
会いたい人がいる。
行きたい場所がある。
続けたい習慣がある。
それらを大切にすることは、決してわがままではありません。
むしろ、自分自身が元気でいることが、大切な家族を支え続ける力にもなるのではないでしょうか。
誰かを大切にするために、自分を後回しにしなくてもいい。
介護をする人も、される人も、それぞれの暮らしを大切にできるように。
自分ファーストは、わがままじゃない。
私はそう思います。


