関節の動きの悪化・痛みの改善に効果的な筋膜へのアプローチ
岐阜市の筋膜整体専門スタジオ「THYME(たいむ)」代表理学療法士の小木曽です。
新潟医療福祉大学の理学療法学科研究グループによって、1日に3秒間だけ全力で筋トレをするだけで筋力がアップするという研究内容が発表されました。
非常に魅力的ですね。
前提として、筋トレ(筋力増強)は高齢になってからでも十分可能です。(若年層と比べて増強しにくくはなります)
また、自重運動よりも負荷をかけた抵抗運動の方が増強には向いています。
筋トレ方法(筋力維持増強運動)としては、運動療法の教科書(第2版,2005)の時点で、アイソトニックではDeLome氏の言葉として少ない回数でも高負荷での運動を行うことで筋力の増強をもたらすということが記載されています。DeLome氏の方法では10RM(10 Repetition Maximum:関節の全可動域にわたり10回何とかできる負荷)を基準に、少し軽め(10RM×1/2や1/4)から10RMまで、徐々に負荷を上げて10回ずつ始めていく方法(3セット程度)でした。
この他、アイソメトリックとして、重力がしっかりかかる場所で最大筋力の2/3の負荷(抵抗)をかけ、1日6秒の最大収縮でも効果が得られるとした報告や、1日1回、1秒間の最大収縮を抵抗を一定期間ごとに順次増加しながら行っていく方法もあります。また、高価な機器が必要ですが、等速性運動というものを利用した筋力訓練もあります。
近年では筋力増強には最大収縮を1~3回を3セット行うことで効果が得られるとの報告も出ています。(※筋持久力(疲れにくい筋肉にする訓練)には軽めの負荷で回数を多く行うことが望ましい)
記事にあるように、疲労困憊するまで行う必要はありません。
また、例えば肘を曲げてダンベルを持ち上げる訓練(求心性収縮)よりも、ダンベルを支えながらゆっくりと肘を伸ばしていく訓練(遠心性収縮)の方が筋肥大しやすいこともわかっています。
今回の1日3秒間で良いという研究結果はこれらの研究を裏付け(少ない回数での最大収縮のよる抵抗運動・遠心性の方が効果が高い)、さらに3秒との時間的制限での効果を明らかにしました。
筋力が1段階増強するには約21日(3週間ほど)が必要とされています。筋トレを始めてすぐのときにもパワーが出ている感じがありますが、神経の作用(筋を動かそうとするエネルギーの増加)によるものが大きく、その時点で筋トレをやめてしまうと、もとのパワーに戻ってしまいます。
効率の差はありますが、継続が一番の効果です。1日3秒という結果は非常に魅力的ですね。
この筋トレ方法の注意点としては、最大収縮を行う必要がある点です。(研究対象も学生かと思います)
最大収縮を行うということは、血圧やからだの状態に十分注意しなければなりません。
特にご高齢の方や心疾患・血管系に不安がある方は必ず理学療法士や専門家にご相談の上、その管理下で行うなど、十分に注意してください。
安全で効率よく健康に!