高3生が12月にやるべきこと、やってはいけないこと
11月に入り、私立大学の公募推薦入試が佳境に入っています。大学受験への出願手続きの面倒さに疲れてしまった、受験生や、親御さんも、多いかと思います。ただし、出願手続きを進めているうちに、様々な問題点に気づくこともあるかもしれません。本年の推薦入試を控える、当塾の塾生が実際に遭遇した、出来事をコラムにまとめてみます。
他の子はいくつも推薦を貰ってたのに、なぜウチだけ1つ??
私立大学の公募推薦入試では、事前に高校に調査書と推薦状を発行してもらい、生徒自身が出願の手続きを進める必要があります。そこで、各高校では、10月末あたりから、各生徒たちに、調査書と推薦状の発給手続きを始めます。そのため、11月初旬までに出願手続きを滞りなく進められるはずです。
ところが、その生徒のお母さんから、「担任と進路指導の先生に高校に呼び出された。推薦状を1つしか出せないので、受験校を1つに絞るように。」告げられたと、相談を頂きました。
生徒本人に思い当たるフシはない。でも、何で??
原因を探ってみました。しかし、評定点不足による、受験資格未達や、直近に問題行動や成績の急落があったわけではありません。生徒本人に、推薦がもらえなくなるような要因は思い当たりませんでした。
ちなみに、公募推薦で受験予定の大学は3校。いずれも、他大学の併願を認めない「専願」での入試でした。
このコラムをお読みの方の中で、問題点に気づいた方がいるのではないでしょうか。
「専願は1校のみ」「併願可は複数受験OK」のシステムの理解を。
公募推薦「専願」の受験は「合格したら、絶対にウチの大学に入学することを確約した上で」受験をする制度を指します。したがって、原則として、公募推薦「専願」を条件とする大学へ複数出願はできません。推薦状を出す高校側も、当然の原則として、知っていることです。
結局、この問題に遭遇した生徒は、受験大学を自分の最もいきたい大学1つに絞りました。加藤から説明を差し上げ、本人も、お母さんも、専願での複数受験は、手続き上できないことをご納得頂きました。
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【公募推薦 専願を複数受験したい】
A大学 公募推薦 専願
B大学 公募推薦 専願
C大学 公募推薦 併願可
↓
*「専願」であるA、B大学の同時受験は不可。
*「併願可」であるC大学は同時に受験してもよい。
専願の大学と平行して、併願可の大学も受験することは問題ありません。ただし、複数の合格がもらえた場合は「専願」の大学へ入学することが確定すると理解しておく必要があります。
以下のような出願と、入学先の決定はできます。
【公募推薦 専願に合格したら】
A大学 公募推薦 専願 合格
B大学 公募推薦 併願可 不合格
C大学 公募推薦 併願可 不合格
↓
*A大学への入学が確定。
【公募推薦 専願以外も複数合格したら】
A大学 公募推薦 専願 合格
B大学 公募推薦 併願可 合格
C大学 公募推薦 併願可 合格
↓
*B・C大学へではなく、絶対にA大学への入学。