イラッとしたらまず6秒やり過ごす、怒りの沈め方
アンガーマネジメントを学んだのには
ひとつのきかっけがありました。
それは子どもの生きる力を育む色育(いろいく)の
講座をしていた時のこと。
何人ものママから
「子どもに毎日怒ってばかりで悩んでいる」
「怒る自分に自己嫌悪する」
「怒ってばかりで子育ての自信がない」
そんな切実な相談を数多く受けて
ママたちを怒りから助けなければ!
と感じたことがきっけです。
その後、アンガーマネジメントファシリテーター養成講座を
受講したのですが、その時に「これだ!」と確信をしました。
何が「これだ!」かというと
アンガーマネジメントは
怒りの扱い方だけにとどまらず、
心理から思考や価値観、人権、コミュニケーション
まで幅広く繋がっていけるものだから。
私が目指す
誰もが自分らしく自分の人生を生きるために
必要なものへ繋がるものだと確信したんです。
ポイントは「繋がるもの」です。
人の感情は喜怒哀楽に代表されますが
嬉しい、楽しい、喜び、悲しい、不安、心配
などなど沢山あります。
怒りもその内のひとつ。
ただ、怒りは単体では存在せず
心配、不安、焦り、悲しみなどのマイナス感情や
疲労、空腹、睡眠不足などのマイナスな状態と
セットになっているんです。
つまり、怒りを感じている時は
そうしたマイナスな感情や状態を
合わせて持っているということ。
普段私たちは自分のそうしたマイナスな状態に
ほとんど気づいていません。
なんとなくモヤモヤする
なんとなくイライラする
なんとなくスッキリしない
とは感じているけど
客観的に理解していないんですね。
だけど、怒りは違う。
怒りは「今怒っている!」と気づきやすく、
かつ、とても身近な感情。
だから怒りをきっかけにして
自分の感情が今どんな状態か
気づくことができるんです。
○○に悩んでいる
○○を心配している
○○で焦っている
こうして客観的に理解できれば
必要な対処が出来ますよね。
自分らしく、心穏やかに生きるためには
自分の感情や状態と上手に付き合える力が必要です。
怒りなら、アンガーマネジメントなら
そのきっかけになるんです。
そして怒りにはもう一つ。
自分の価値観がセットになっています。
例えば、会議の時間に部下が謝りもせず遅れてきて
腹が立ったとしましょう。
その時感じた怒りは
「時間は守るべき」や「遅れるなら連絡するべき」
「遅れたなら謝るべき」といった
自分の価値観である「べき」が破られたことで沸き上がっています。
そしてこの価値観は人それぞれ違うものを持っているし
同じ価値観であってもそこに求める程度は違っていたりします。
でも誰もが自分の「べき」は正しいと思っている。
自分にとって自分の「べき」が大切なように
相手にとっても相手の「べき」は大切。
人によって、時代によって、環境によっても変わる「べき」
では、どうやってこの違いを埋めるか
お互いが納得できる方法をどう見つけるか。
これに気づくことは、
お互いの違いを認める事、お互いを尊重すること、
人権意識やアサーティブな考え方、
ダイバーシティーに繋がる大きなきっかけとなります。
私たちが普段普通に生活していて
人権やアサーティブ、ダイバーシティを考える
出来事はそうそうありません。
でも、怒りなら、アンガーマネジメントなら
そこまで意識を広げられるんです。
そして、ここまで広がれば
心理学、脳科学、哲学、精神医学、経済、スポーツ
コミュニケーション、働き方、生き方、教育など
興味のあるところへさらにベクトルを伸ばしていけます。
知識は世界を広げてくれるもの。
この可能性が
私がアンガーマネジメントに魅力を感じる理由です。
そして何より、
誰もがアンガーマネジメントできる世の中になれば
世界から争いはなくなり、安心安全で
自分らしく健やかに自分の人生を選び取ることが出来る社会になる。
世界も、社会も変えられないかもしれないけど
私の声の届く範囲なら変えられるかもしれない。
ちょっと大げさですが(笑)
そう考えています。