限界まで続ける
マスクの着用について政府が、3月13日からは、「個人の判断に委ねる」という扱いに変更しました。
どんな習慣でも同じですが、一度身につけた行動を変えるにはかなりのエネルギーが必要となります。
それは、行動だけの問題に収まらず、行動を繰り返す事によって、新しい考え方(価値観)を身につけてしまっているからです。
つまり、安心安全のために働く脳が、感染予防という本来の目的とは異なる自分を守る上で都合のよい、新たな価値観を作り出すからです。
例えば、
・マスクをすれば、素顔を隠す事ができる。
・表情を隠しやすくなる。
・表情がわかりにくいので、感情を誤魔化しやすくなる。
・内面を隠しやすくなるので内面を探られたくない人にとって安心感が増す。
など。
このように考える人にとって、マスクは、外せないものとなり、いくら外してもよいと言われても、すぐには受け入れ難い事になります。
「個人の判断」というのは、感染予防という視点だけでなく、このような新たに作り上げた価値観をも踏まえて対応する事になります。
「この人は、どんな考えでマスクをしているのだろうか。感染予防だけではないかもしれない。」
と、考えながらコミュニケーションをとる事になります。
ある意味、ファッションのような個性の現れという捉え方で、対応すると楽かもしれません。
マスクをしてるしていないなどでもめる事があってはならない事だと思います。
そういえば以前、成人式の集合写真を撮る時にマスクを外すように指示されても一人マスクを取らなかった方がいたのを思い出しました。
あの時には、
「マスクを取っても、話をするわけでなく、黙って写真を撮るだけなのに。それに笑顔がとても素敵な方なのに、もったいない。」
と思っていましたが、今は、
「新たに身につけた価値観で、自分を守っていたんだ。」
と、考える事ができます。
身につけた行動習慣の裏には、必ず、自分を守る価値観があるはずだと探ってみると、習慣を変えるチャンスが、見つかるかもしれません。
少なくなった情報から、相手を理解する訓練をこの3年間で、十分行ってきたと考え、コミュニケーションを楽しみたいと思います。