真実は一つ?

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 帰宅した時、偶然『ミステリと言う勿れ』という番組が流れていました。
 その中で、「真実は人の数だけあるんですよ。でも事実は一つです。」
 という言葉が出てきました。

 番組の中で主人公は、ぶつかった人が階段を転げ落ちた例を元に説明されていました。

 これと同じような言葉を以前目にした事がありました。
 
 ある本の中で、こんな場面が紹介されていました。
 「燃えよ、カンフー」に登場する寺院の僧侶が、小さな池を見つめている主人公に「何匹の魚がいる?」との問いに「12匹です。」と主人公は答えました。
 次に「池はいくつある?」との問いに「1つです。」と答えた主人公に対して、「違う。12だ。」と話しました。
 「12の魚がいて、12の池がある」と言うのです。

 自分が見ている世界は、自分が見ている世界であって、100人の人がいれば、100通りの世界があると言うのです。

 自分が真実と思っていることと、他人が真実だと思っていることは異なると言う事をどちらも伝えています。

 誰でも、自分の視点から、世界を見ています。それが真実であり、他人も同じように見ていると考えてしまいがちです。

 これは、脳の働きによるものです。脳は複雑よりも単純を好みます。同じと考えた方が、整理しやすく、わかりやすくなります。
 同じだとぶつかる事がなく、スムーズに事を進める事ができます。

・同じように理解しているはずなのにと思うと不満が生まれる事があります。
・こんなはずではなかったと思うと、相手に不信感が生まれる事があります。

 多様性の時代と言われますが、自分の世界を大事にし過ぎると、他者を受け入れ難くなります。

 ある面、自分を外から眺めて、客観的に見る事ができないと他者の世界を受け入れる事ができないと思います。

 自分の世界から見ると違和感に感じることでも、自分の世界もいろいろな世界の1つだととらえていると他の世界もその一つととらえる事ができ、そこには、違和感はありません。

 この事から考えると、事実と真実をきちんと分けられると、出来事の感じ方も違って来るように思います。

 トラブルを感じたとき、感情が湧き上がるのは、自分の真実が優先しているかもしれません。


 ・「私のことを嫌っている。」と思って対応していると相手のする事全てをこの言葉に繋いで見てしまいます。
(「やっぱり、嫌っているから、〜した。」「あの態度は、嫌っている証拠だ。」など)

 ・「私が正しい。」と思って対応していると、異なる意見を否定的に捉える事になります。
(「その考えは、間違っている。」「私の方がよい。」など)

 事実をきちんと捉えて、客観的に見ていく目を養う事で、感情に動かされない適切な判断ができるようになるのではないかと思いました。

(自分の世界をもつことが前提です。そして、誰もが自分の世界を大事にしています。)

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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