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コラム

私たちは、優秀な料理人?

2022年10月1日

テーマ:メンタルヘルス

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

 幼い頃、何故か分かりませんが、急に死を考える事がありました。
死後の世界が描かれた本を読んだためかもしれません。
 死ぬ事が怖くなり、布団の中で泣いた事を覚えています。
 その後、「どうせ死ぬのだから、何か生きた証拠を残したい。」と考えるようになりました。
 その後の体験を踏まえ、「人の心に生きた証拠を残したい。」と考えるようになり、「思いやり」の心を伝える教師をめざしました。

 その後、教師になり、若い頃は、聴くことの大切さを伝えたり、相手の身になって考える場を設けたりと思いやりにつながる学級経営をしていました。努力の甲斐があって、いじめや不登校のない学級を作り上げる事ができました。

 「思いやりがあるかないか」と白黒をはっきりさせることを大事にしすぎるあまり、トラブルになることや誤解を招くことがありました。

 自分がよいと思ったことでも、相手の捉え方が異なれば、「よいこと」にはならないのです。

 そんな経験を通して、物事を一面的に捉えていた自分に気づき、視野を少し広げることができました。

 年を重ねながら、「思いやり」に対する考え方も深まっていきました。

 私は、試行錯誤を繰り返しながら、「思いやり」という価値観を深める営みを続けている感じがします。

 ここでは、「思いやり」を取り上げましたが、私たちは、いろいろな価値観を身につけています。また、その価値観も理解の深さが異なります。

 私たちは、目の前に現れる出来事に上手く対処するために、この身につけた価値観を総動員して、自分を生かそうとします。
 
 私自身もそうです。

 このように考えると、「思いやり」を特に大切にしなければならないわけではありません。

 その時々に大切な価値観をうまく利用して、出来事に対処しています。(私は、大事にしたい価値観であった「思いやり」にこだわり過ぎたため、偏りが生じて、トラブルになりました。)

 つまり、自分の中でも変化しているこれらの価値観は、自分ではありません。

 この価値観を操っているところに、本当の自分を発見することができます。


 料理人に例えると、料理人である私が、目の前の食材となる出来事を、料理をする時に使う道具のように価値観を使い、より美味しい料理を作ろうとします。この料理人の心がけが、本当の自分のように思います。

 今日もいろいろな出来事が起こります。

 さて、どのように料理しようかな。
 

この記事を書いたプロ

須田敏男

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男(あすなろ教室)

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