目の前の出来事への向き合い方
新たな年を迎え、一つの節目となり、気持ちを切り替えるよい時期になりました。
しかし、昨年末に起きた大阪ビル放火事件がなかなか頭からはなれません。
誰も一つや二つ、大きさは異なりますが、心に悩みや苦しみを抱えています。
放火と殺人の疑いのある容疑者が、クリニックに通う患者であったということは、きっと大きな心の問題を抱えていたと推測されます。
心の問題は、自分の内側にあるのであって、決して外にはありません。
外に目を向けているうちは、問題が長引き、複雑になるだけで、解決には至りません。
問題解決には、じっくり、ゆっくり、時間をかけて、負荷がかからないように大切な自分の内側に目を向け、卵から雛が孵るように、何重にも重なっている枠を破りながら、本当の自分を見つけ出す努力が必要です。
どのような経緯で放火や殺人に至ったのかはわかりませんが、自分の外の世界を巻き込むことは決して問題の解決にはなりません。
外に向けることは、自分の内側の問題を外に広げるようなものです。
外に広げる時には、細心の注意を払い、最小限にする必要があります。
カウンセリングを受けたり、悩み相談所に駆け込んだりするのは、その配慮の結果だと思います。
辛い苦しい思いは、相手に伝わっていきます。
ですから、受け止めていただけることに感謝をし、自分の問題解決を一緒に取り組んでいただくことで、問題解決の扉が開かれていきます。
今回の事件では、同様に心に問題を抱え、何とか解決しようと努力している方々を道づれに容疑者は死亡されました。
私自身にも大きな衝撃でした。
社会を揺さぶる大きな事件になってしまいました。
社会を巻き込む程の大きな問題を抱えていたとすると、この事件から学ぶことは何かを考えざるを得えません。
家庭の不和、人間関係の不調和などは身近な問題です。
大きな問題に発展する前の小さな問題のうちの解決していくことがとても重要だと改めて感じました。
どのような問題でも、先送りしていると大きな問題に発展する恐れがあります。
今回のこの事件が、他の地域で起きた事件と考えず、身近な社会でも起こりうる事件ととらえ、問題が小さいうちに手を差し伸べることができるよう努力したいと思います。