マイベストプロ岐阜

コラム

お母さんのバカ

2020年9月1日 公開 / 2020年9月6日更新

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

先日、娘が孫と親子喧嘩をしていました。

些細なことで、親子喧嘩が始まることはないでしょうか?
互いに興奮していると思わぬ言葉が飛び出します。

「お母さんのバカ!」

本当は、そんな事を思っていないにも関わらず、子どもの口から出てしまうことがあります。

 以前、コラムでも書いたように 

「お母さんのバカ!」という言葉は、言葉の意識レベルでは、アイデンティティレベルです。体全体で受け止め、全否定された気分になります。
(※ギャラリー ニューロロジカルレベル 参照)

 感情が高ぶっていると冷静でないため、無意識のうちに自分を守ろうと、子どもを攻めてしまいます。
 
 相手が子どもであっても、自分を否定されると無意識のうちに反応してしまいます。対等な立場で言い合いになってしまうのは、この無意識の反応によるものです。
 当然、子どもよりも語彙力があり、論理的に話ができるので、言葉で負けるわけがありません。

 でも、子どもも負けていません。責められたくないのでもっている力を総動員して対抗します。言葉で言い返しますが、当然言葉で負けるので、それ以外で対抗します。
 泣き叫んだり、物に当たったり、親をたたいたり、蹴ったりすることになります。

 言葉よりも強力なので、いくら言葉を並べてもこの行動をする子どもには勝てません。

 子どもと同様に言葉がだめならばと、言葉以外で対抗してしまうことになりかねません。(虐待につながることになりかねません。)

 きっかけは、些細なことでも、冷静さを失うとどこまで親子喧嘩が続くかわかりません。

 思い通りにならないと思うと、すぐに思い通りにさせようと焦ってしまうことはありませんか。その焦る気持ちが、感情を高ぶらせ、冷静さを欠いてしまいます。


 親子喧嘩にしないためには、まず、子どもを理解することから始めると、よいでしょう。

・理解するのに時間がかかります。
・要領が悪いので、失敗をすることがあります。
・あなたよりも、言葉でうまく表現できません。
・あなたの願いを必死になって叶えようと思っています。
・一つに集中できず、いろいろなことに興味関心をもちます。

このことを色眼鏡をかけてお子さんを見ていると、なかなかこのことが認められません。

例えば、
 ・やる気がないんだ。
 ・同じ失敗をする、なんて情けない。
 ・言うことを理解しようとしない。
 ・何度言ってもきかない。
 ・どうしようもない。
などが色眼鏡になります。

 できるようになるまで、粘り強く関わっているでしょうか。それとも忙しさを理由に関わりが薄くなっていないでしょうか?
 子どもではなく、自分に至らなさがないか見つめる謙虚さが必要になります。

 できるようになるまでには、4つの段階を経ることを冷静に見てみましょう。(※ギャラリー 学習の4つの段階)
お子さんは、
 ・やる気はあってもすぐにはできない段階かもしれません。
 ・同じ失敗を繰り返す段階かもしれません。
 ・話すことが十分に伝わらない段階かもしれません。
 ・何度も言わなければならない段階かもしれません。
 ・子どもの可能性を捨て、できないとあきらめているのかもしれません。

「わが子は、今どの段階なのかな?」と、お子さんの状態を冷静に見ると「できなくても仕方がないんだ。」と喧嘩が馬鹿らしくなります。
そして、喧嘩にした私が馬鹿だった(お母さんのバカ)と思うかもしれません。

この記事を書いたプロ

須田敏男

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男(あすなろ教室)

Share

関連するコラム

須田敏男プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
058-337-0453

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

須田敏男

あすなろ教室

担当須田敏男(すだとしお)

地図・アクセス

須田敏男プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ岐阜
  3. 岐阜のメンタル・カウンセリング
  4. 岐阜の家族カウンセリング
  5. 須田敏男
  6. コラム一覧
  7. お母さんのバカ

© My Best Pro