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コラム

中庸の自分を作る

2023年1月30日

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

 子ども会の役員をしている娘と話をしました。
働きながら子ども会の仕事をしている娘からすると、子ども会の仕事は、かなり負担のようです。
 今の子どもたちは、家庭だけで育てる事は難しい時代だから、支え合ってみんなで育てることが必要だという立場をとっている私とはちょっと異なります。
 子ども会の活動をどんどん縮小していく方向に流れている時代に乗っていくか、それを食い止める方向で行くかは、全く反対の立場になります。
 相手を攻めるわけではないのですが、なかなか噛み合いません。

 この時、ふと気づいたのですが、2人とも互いの立場をわかっていて、どちらを選択するかというところで意見が分かれています。
 これでは、噛み合う事がなくても当然だと思いました。

 昔の私であれば、かなり強引に自分の立場を主張し、親子喧嘩になっていたように思いました。

 少し成長した自分を感じています。

 ただし、停滞している状態では、現状を維持するだけで、何も解決には至らないと思いました。

 そこでどうしたらよいのか考えてみました。

ここには3人の自分がいます。

 時代の流れに乗る自分Aと、時代の流れを止める自分Bと、どちらかを選択する自分Cの3人です。
 
 ところが、娘はAの立場で話をし、私はBの立場で話をしています。
ここには、Cが現れていないのです。
 娘も私もAやBに同化し、Cの立場が表れていません。

 このCを一緒に考える事になれば、対立せずに、お互いに協力しあうことができます。

 要するにどのようなCを作ればよいかの議論になるように話をもっていく事ができればかなり会話が違ってくるという事です。

 最初は、お互いの立場を出す事で、AとBを出てきました。
これをメリットとデメリットという形で整理します。この整理をしませんでした。整理して話を進めれば、もっとスムーズな会話になります。
 次に、
 この両方を生かすためにはどう考えたらいいのか・・・Cの登場

 になります。こうすれば、建設的な話をする事ができたように思います。

Cは、ABの両方を踏まえた上ですから、これは、バランスを取るための考え方になります。儒教でいうところの中庸になります。

 一つレベルを上げた考え方を生み出す事になります。

 これならば、対立する事にはなりません。

このCを生み出す事は、なかなか大変ですが、AやBで考えている自分よりも視野が広く、みんなの幸せを考える徳のある立場に自分を押し上げてくれます。
 
 冷静になって両者を見ながら、Cになる考えを生み出す努力が必要だと思いました。

 このように考えてCの立場で考えてみると、
 今回のAとBの対立は、親の立場をとるか子どもの立場をとるかの対立のように思いました。

 ただし、「子どもの立場」を取るにしては、考えが浅く、説得力に欠けているように思いました。

 例えば、子どもが犠牲になる可能性が高い事が明らかになれば、かなり意識も変わるように思います。

 それは、子ども会のような異学年の子どもと交わることのある家庭で育つ子どもと、それが少ない家庭だけで育つ子どもとの違いに気づく事になります。

 子ども会のような場(異学年の子どもと関わる場)の意義

<子どもにとって>
 価値観が違う人と出会う場
 上下関係を学ぶ場
 仲間関係を見つめる場(いじめや好き嫌いなど)

<親にとって>
 子どもの成長に見通しが持てる(我が子以外の成長を観察できる)場
 子育てについての様々な考え方を知る(多様な子育て感を知る)場
 子育ての悩みの解消に役立つ(共通の問題をもつ親がいる)場

 この視点からの情報が少ないために「子どもを犠牲にしている」という実感が持てないように思いました。

 子どもが犠牲になっている具体例として、不登校や家庭での虐待などが挙げられます。
 年々増加する傾向を考えると、そこまでに至らないにしてもその可能性のある家庭は見えないだけで多いように思います。

もし、この問題とつながるようであれば、かなり説得力のある「子どもの立場」がはっきりします。

 このように、目の前の生活だけでなく視野を広げるための情報をもっと多く用意しなくてはいけないと強く感じました。

 まだまだ未熟な自分ですが、バランスが取れた中庸の立場を自分の中で作り出せる可能性を感じました。

 感情的にならず、視野を広げて、物事に対処できる自分になりたいと思いました。
 
 そして、中庸の立場になるように、「子どもの立場」につながる情報を集め、娘ともう一度話してみたいと思いました。

この記事を書いたプロ

須田敏男

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男(あすなろ教室)

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