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メガネを作る時、なぜ仕事や趣味を聞かれるの?

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

メガネを作る際、多くの眼鏡店では、
「どういう仕事をされていますか?」
「趣味はありますか?」
「普段、メガネをどんな場面で使いますか?」
など、いろいろな話をすることがあります。

「そういう雑談はいいから、早くフレームを選んで、測定してほしい」
と思われる方もいるかもしれません。

でも、眼鏡店側からすると、
この「雑談」がメガネを作るための重要な情報になることがあります。

今回は、メガネを作る際に、なぜ仕事や趣味などを聞くのかについて。

雑談をする理由


雑談をする一番の理由は、その人の生活に合ったメガネを作るために、
できるだけ多くの情報を得たいからです。

視力測定では、数値だけでは分からないことがあります。

例えば、同じ度数でも、
・パソコンを長時間使う人
・車の運転をする人
・細かい作業をする人
・屋外で仕事をする人
・読書や手芸など、近くを見る時間が長い人

では、必要となる見え方やメガネの使い方が変わってきます。

また、視力測定をしていると、最初に予想していた度数と違う結果が出ることもあります。

そんなときに、
「普段はどんな仕事をしていますか?」
「パソコンはどのくらい使いますか?」
「趣味で細かい作業をしますか?」
といった情報があることで、その理由を考えるための材料になることがあります。

つまり、雑談は単なる世間話ではなく、メガネを作るための情報収集の一つでもあります。

完全矯正値で作ればいいのでは?

「一番よく見える度数が分かるなら、それでメガネを作ればいいのでは?」
と思われるかもしれません。

確かに、完全矯正値は、
その人が最大視力を出せる度数を確認するための重要な基準になります。

ただし、「最大視力が出る度数」と「その人が実際の生活で楽に使える度数」が、
必ずしも同じとは限りません。

例えば、遠くを見ることが中心の人と、パソコンや書類を見る時間が長い人では、
求める見え方が違います。

また、遠近両用レンズだけでなく、
中近レンズなど、あえて遠くの視力を少し抑え、
近くから中間距離を見やすくするレンズがあるのも、そのためです。

基本的には完全矯正値を基準としながら、

「どの距離を見るのか」
「どんな作業をするのか」
「メガネをどのように使うのか」

といった情報を加えて、その人に合った度数やレンズを考えていきます。

そのため、仕事や趣味、普段の生活について聞くことが重要になります。

雑談から得た情報を、そのまま伝えない理由


では、雑談の中で眼鏡店が何かを推測していたとしても、
なぜそれを細かく説明しないのでしょうか。

理由はいくつかあります。

「視力測定の結果から考えた仮説にすぎない」
「医学的な診断ではない」
「実際には別の理由かもしれない」
「間違っている可能性もある」

などです。

例えば、測定中に「少し見えにくい」と言われた場合、

「普段から細かい作業をしているので、わずかな違いも気になっているのかもしれない」

「仕事でパソコンを長時間使うため、中間距離の見え方を重視した方がいいのかもしれない」

など、いくつかの可能性を考えます。

そして、その仮説をもとに、測定方法を変えてみたり、
度数を変えて装用テストをしてみたりします。

もちろん、これはあくまで仮説です。

最終的には、実際の測定結果や装用テスト、お客様自身の見え方や感じ方を確認しながら、
度数やレンズを決めていきます。

そのため、お客様からすると「ただの雑談」に見えても、
眼鏡店側では、その会話から得た情報を測定やレンズ選定の参考にしていることがあります。

眼鏡作製技能士だからこそ、会話も測定の一部になる

メガネ作りは、機械で測定した数値だけを見て終わり、というものではありません。

ヒアリングをして、現在使っているメガネを確認し、
視力を測定し、両眼の状態や必要な焦点距離を考え、実際にテストレンズで確認する。

その一つひとつの情報を組み合わせて、その人に合ったメガネを考えていきます。

だからこそ、眼鏡作製技能士には、視力測定の知識や技術だけでなく、
お客様から必要な情報を聞き出し、それをメガネ作りに活かすことも重要だと考えています。

「仕事は何をしていますか?」
「趣味は何ですか?」
「普段、どんな場面でメガネを使いますか?」

こうした質問も、メガネをより良く作るための一つの工程だと思ってもらえればと思います。

まとめ

眼鏡店での「雑談」には、意味がある場合があります。

もちろん、すべての会話が測定に必要というわけではありません。

ただ、仕事や趣味、普段の生活について聞くことで、
「どの距離を見ることが多いのか」
「どんな見え方を求めているのか」
「なぜ今回、この度数になったのか」
などを考えるための情報を得ることができます。

そのため、メガネを作る際には、できれば少し時間に余裕を持って、
眼鏡店との会話も楽しんでもらえればと思います。

もちろん、時間に余裕がない場合は、
最初に「今日は時間があまりありません」と伝えていただいて大丈夫です。

その場合は、眼鏡店側もできる範囲で対応方法を考えてくれると思います。

メガネは「測定した数字」だけで作るものではなく、
その人がどのように使うのかまで考えて作るもの。

そう考えると、眼鏡店での何気ない会話にも、
少し違った意味が見えてくるかもしれません。

次回は、
「眼鏡店で、このレンズがおすすめと言われたら、何を基準に選べばいい?」について。

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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