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見えるメガネと、疲れないメガネは違う?

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

眼鏡店に来店される理由の多くは、「よく見えるメガネが欲しい」
というご要望です。

もちろん眼鏡店では、その方にとって見やすいメガネを目指して測定・作製します。

しかし、「よく見えるメガネ」が、必ずしも「良いメガネ」とは限りません。

今回は、「よく見えるメガネ」と「疲れにくいメガネ」の違いについてお話しします。

よく見えるメガネとは?

眼鏡店では、まず視力測定を行い、その方がどこまで見えるのかを確認します。

最大視力は人によって異なり、1.5まで見える方もいれば、
0.8や0.6程度がその方の最大視力という場合もあります。

一般的に「よく見えるメガネ」とは、目的とする距離で、
その方の最大視力が得られるメガネと言えるでしょう。

ただし、ここで注意したいのは、
「よく見える」=「眼に負担が少ない」ではないということです。

若い方や調節力が十分にある方は、自分の眼でピントを合わせる力(調節力)を使うことで、
少し強めの度数でも「よく見える」と感じることがあります。

しかし、その状態は眼が常に頑張ってピントを合わせているため、
長時間使用すると疲れや肩こり、頭痛などにつながることもあります。

疲れにくいメガネとは?


一方、疲れにくいメガネとは、必要以上に眼へ負担をかけず、
自然な状態で見られるメガネです。

もちろん目的とする距離でしっかり見えることは大切ですが、
それと同じくらい「無理なく見続けられること」も重要です。

例えば、

* 長時間のパソコン作業
* 読書
* デスクワーク
* 車の運転

では、必要となる見え方は異なります。

そのため、単純に一番視力が出る度数ではなく、仕事や生活スタイル、
使用時間なども考慮して度数を決めることがあります。

度数は強ければ良いわけではない

眼鏡店では、一般的に5m先を基準として、
その方に最も適した遠方度数(完全矯正値)を測定します。

この完全矯正値は、「一番強い度数」でも「一番弱い度数」でもありません。

その方が自然な状態で最も良く見える度数です。

さらに実際のメガネでは、

* 乱視度数
* 軸度
* 左右のバランス
* 加入度
* プリズム
* 瞳孔間距離(PD)

など、多くの要素を考慮して決定します。

視力の数字だけを追い求めると、実際には疲れやすいメガネになってしまうこともあります。

だからこそ、「どれだけ見えるか」だけではなく、
「どれだけ快適に使えるか」を考えることが大切です。

良いメガネとは?

私が考える良いメガネの条件は、

* 使用目的に合った焦点距離になっていること
* 長時間使用しても疲れにくいこと
* 過矯正になっていないこと
* 乱視・軸・加入度・プリズム・PDなども適切に考慮されていること
* 予算も含め、その方に合ったフレームやレンズが選ばれていること

だと思います。

こうしたメガネを作るためには、機械で測定した数値だけでは十分ではありません。

その方の仕事や趣味、生活環境、姿勢、年齢、眼の使い方などをヒアリングし、
「どのような見え方が最適なのか」を考える必要があります。

そのために設けられている国家資格が「眼鏡作製技能士」です。

眼鏡作製技能士は、視力測定だけでなく、レンズやフレームの選定、加工、フィッティング、
アフターフォローまで、メガネ作製全体に関する知識と技能を身につけています。

もちろん、資格を持っているだけで良いメガネが作れるわけではありません。

しかし、専門知識を体系的に学び、その上で経験を積んでいるという点は、
お店選びの一つの目安になると思います。

近年では測定機器も非常に高性能になりました。

しかし、機械が判断できるのは「測定結果」であり、
「その方にとって快適な見え方」までは判断できません。

だからこそ、その測定結果をどのように読み取り、
どのようなレンズや度数を提案するのかという部分に、
眼鏡作製技能士の知識と経験が生かされます。

まとめ

「よく見えるメガネ」が、そのまま「良いメガネ」とは限りません。

本当に大切なのは、その方の仕事や生活に合った見え方であり、
長時間使用しても疲れにくいことです。

眼鏡店の仕事は、視力の数字を上げることではありません。

「その方が毎日を快適に過ごせる視界を提供すること」だと私は考えています。

そのためには、視力だけではなく、仕事や趣味、生活環境、姿勢、使用目的まで考慮しながら、
一人ひとりに合わせたメガネを作ることが大切です。

もし「見えるけれど疲れる」「何となく掛け心地がしっくりこない」と感じているのであれば、
一度、お近くの眼鏡作製技能士に相談してみることをおすすめします。

眼鏡作製技能士は、日本メガネ協会のホームページより、
どこに在籍しているか調べることができます。

次回は、「なぜ『眼鏡作製技能士』という国家資格ができたの?」についてお話しします。

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

豊福祐史プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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