日本特有の視力1.2?どのくらいの視力が良い?
「近くを見るための老眼鏡が欲しいだけなのに、なぜ遠くの視力まで測るのですか?」
眼鏡店で老眼鏡を作る際、このような質問をいただくことがあります。
結論から言うと、『近くを見るための度数は、遠くを見る度数を基準に決めるから』です。
今回は、老眼鏡を作る際に、なぜ遠くの視力を測定するのかについてお話しします。
老眼鏡の基準になるのは遠くの度数
視力測定では、まず遠くを見るための度数を測定します。
一般的には、5m先を「理論上の無限遠方」として測定を行います。
店舗によっては5mの距離を確保できない場合もありますが、
その際は測定距離に合わせて補正を行っているため、
必ずしも5mでなければいけないというわけではありません。
ここで測定するのは、その人が最も自然な状態で遠くを見ることができる度数です。
これを『完全矯正値』と呼びます。
完全矯正値で得られる視力は、人によって異なり、
1.5見える方もいれば、0.8程度までしか出ない方もいます。
大切なのは視力の数字ではなく、その人にとって最も適した遠くの度数を見つけることです。
この遠くの度数が、遠用メガネだけでなく、
老眼鏡や遠近両用レンズを作る際の基準になります。
老眼鏡の度数はどのように決める?
老眼鏡の度数は、完全矯正値を基準に、近くを見る距離に合わせて決めます。
例えば、30cmで見ることを想定した場合、
単純計算では完全矯正値に約+3.00Dを加えることになります。
ただし、実際にはそこまで単純ではありません。
年齢による調節力や、普段どのくらいの距離で作業をするのか、
両眼のバランスなども考慮しながら測定します。
最後はテストレンズを使い、実際の見え方や掛け心地を確認して調整していきます。
近くだけ測定して作ることはできる?
近くだけを測定して老眼鏡を作ることも可能です。
しかし、遠くの度数が分からない状態では、
現在どのような度数になっているのか分からないため、
測定に時間がかかったり、正確性が下がったりすることがあります。
一方、完全矯正値が分かっていれば、それを基準として近用度数を決められるため、
より効率的で正確な測定につながります。
必ず遠くから測定するの?
基本的には遠くから測定することが多いですが、
必ずそうしなければならないというわけではありません。
眼の状態や見え方は人それぞれ異なります。
遠方視力が出にくい方や、特殊なケースでは、測定の順番や方法を変えることもあります。
眼鏡作製技能士は、その方の眼の状態や目的に合わせて、測定方法を組み立てています。
こうした状況に応じた測定ができることも、
眼鏡作製技能士という国家資格が設けられている理由の一つだと考えています。
まとめ
老眼鏡を作る際に遠くの視力を測定するのは、
近くを見るための度数をより正確に決めるためです。
遠くの度数という基準があることで、
その人に必要な加入度や、近くを見る距離に合った度数を判断しやすくなります。
そのため、「近くしか見ないから遠くは測らなくていい」と思われるかもしれませんが、
実際には遠くの測定も大切な工程の一つです。
老眼鏡を作る際に遠くの視力測定を行うのは、
「より見やすく、疲れにくいメガネ」を作るためだと考えていただければと思います。
次回は、『見えるメガネと、疲れないメガネは違う? 』について


