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遠近レンズが合わない原因?

豊福祐史

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テーマ:知っておくべきレンズの話

遠近レンズが合わないと言われる方は多くおられますが、
そう言って来店されたお客様の約6割は、実は遠近レンズを使える場合があります。

「作ったけれど使えない」と言われたメガネをお預かりして調べたり、
作製時の状況をヒアリングすると、
「これは合わないだろうな」と思うケースも少なくありません。

遠近レンズが合わないと言われる理由

遠近レンズは、上下に累進帯長があり、その範囲の中で度数が徐々に変化しています。

そのため、光学中心を特に上下方向で正確に合わせておかないと、
違和感が強くなり、使用できないということがあります。

単焦点レンズと比べると、
慣れにくいと感じる方がいるのも、この構造によるものです。

実際に「合わない」と言われたメガネを調べたり、
ヒアリングしたりすると、次のような原因が多く見られます。

・PDが合っていない
・度数が適切でない
・初めての遠近なのに加入度(ADD)が2.00Dを超えている
・左右のバランスが悪い
・ミラー法を行っていない
・光学中心が上下にズレている
・レンズ設計グレードが低い

度数やPDが違う場合

度数やPDが合っていないと、当然ながら見にくくなります。

もちろん、人によって最大視力は異なり、
他の眼の疾患の影響もあるため、すべての方が視力1.0や1.2が出るわけではありません。

しかし、

・度数が強すぎる
・度数が弱すぎる

といった状態では、見え方だけでなく、疲労感や違和感にも大きく影響します。

PDについても、

・広すぎる
・狭すぎる

どちらでも問題があります。

また、光学中心が上下に1mm以上ズレている場合、快適に使える状態とは言えません。

まれではありますが、

・左右で設計グレードが異なる
・左右で加入度が異なる

といったケースもあり、これも違和感の原因になります。

片眼のみレンズを交換する場合は、必ず同じ設計グレードのレンズを使用する必要があります。

また、individual(オーダーメイド)レンズの場合は、
片眼入替えができないこともあるため、事前に理解しておくことが大切です。

初めて遠近を使う方へ

初めて遠近レンズを使用する場合、加入度(ADD)は2.00D以下から始める方が無難です。

また、遠近レンズが苦手な方は、変更可能な範囲で度数のバランスを整えることも有効です。

実際には、

・立った状態
・歩いた状態
・段差を降りるとき
・左右に顔を振ったとき

など、さまざまな条件で見え方を確認することが大切です。

こうした判断は、眼鏡作製技能士や経験豊富な技術者であれば理解している内容ですので、
そういった専門店を探すことも重要だと思います。

ミラー法を行っていない場合は?

ミラー法については、レンズメーカーから必ず行うよう指示されている重要な工程です。

実際には、ミラー法を行っても「特に変更なし」という結果になることも多いです。

しかし、それでも必ず行う理由は、遠用ポイントや近用ポイントのズレを防ぐためです。

万が一でもズレが起きないよう、確認作業として必須の工程となっています。

オートレフ(自動測定器)で表示されたPDは、数mmズレている場合があります。

ピューピロメーター(PD測定器)でも、わずかなズレが生じることがあります。

そのため、アイポイントシールを用いたミラー法によって、
本当に合っているかを確認することが非常に重要です。

設計グレードの違いについて


遠近レンズは、単焦点レンズよりも設計の違いによる影響が大きいレンズです。

一般的には、設計グレードが高いほど見え方は自然になります。

ただし、高いレンズでも光学中心がズレていれば意味がありません。

むしろ、低価格帯でも、正確に合わせたレンズの方が快適に使えると私は考えています。

まとめ

最近では、「遠近レンズが合わないので見てほしい」とご相談いただくことが増えています。

しかし、本来であれば、まずは購入したお店で確認してもらうことが基本です。

現在は、眼鏡作製技能士が在籍している店舗も増えていますので、
そういった店舗を選ぶことで、より安心して相談できるのではないかと思います。

次回は『度数が合っていなくても、フィッティングで見えるようになる?』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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