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衞藤憲太郎

時計修理、修復とビフォーケアのプロ

衞藤憲太郎(えとうけんたろう)

株式会社ハナブサ

コラム

「電池交換をお願いします」といわれても「電池交換だけ」はしません

カルティエ・裏蓋シール

お医者様に「風邪薬をください」と同じです

弊社では十数年前から電池交換の際は電池の残量チェック、消費電流を計り、磁気帯びチェックをし問題がなければ電池交換をしているのですが
機械診断を始めた当初はお客様から
「そんな事は調べなくて良いから早くしてくれ」
「今まで他ではそんな事はしなかった」
「他のお店では2~3分で済むのに、5分も時間がかかるなんて」
「電池さえ交換してくれればいい!」
と言われる事がしばしばあり
その度に診断の必要性をお話してきました

お医者さまに受診して「風邪薬を下さい」と言っても
お医者さまは熱を計り、顔色を観て、聴診器を当ててからようやく風邪と判断し、その症状に合わせた薬を処方します。

電池交換して、その時は動いたとしても数日後、あるいは半年後に時計が止まってしまったり、時間が狂うこともあります。
「電池交換をしてください」
の言葉の本当の意味は
「時計が正確に時を刻み続けるようにして下さい」であるはずです。

「診断結果問題はありませんでした。磁気の影響がありましたので、今後のご使用には携帯電話など磁気のあるものの傍には時計を置かないようご注意ください」
「電池からの液漏れがあります。分解掃除が必要な状態です。電池交換をキャンセルされますか?料金は頂戴しません。それとも 分解掃除をされますか?」
「消費電流が高くなっています。電池切れが早くありませんか?機械の保証は出来ませんが電池交換されますか?この機会に分解掃除をされますか?」

20年近く そんな説明を続けてきたお陰で、最近は「診断拒否」のお客様は殆どいらっしゃらなくなりました。
それどころか、弊社の診断を期待して「電池交換」をされるお客様が圧倒的に増えてきました。

お客様ご自身が気づいていない真の要望は何か

質問されていない事をお話するのは実はとても難しい事です
急いでいらっしゃる方に時計のイロハを講義したところでうるさいといる印象を与えてしまうだけですし
昔、某ハンバーガーチェーンであったように「ご一緒にポテトはいかがですか?」
のようなマニュアル化した説明では 営業目的としか受け取ってもらえません。

時計にとって最善のメンテナンスは何か
お客様にとってどこまでメンテナンスをしたい時計か
時計とお客様にとって今必要な情報は何か
お客様の年代に応じた ご説明はどんな言葉を使っったら分かりやすいか
そんな事をいつも考えながらご説明をさせていただいています

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衞藤憲太郎

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