機械式時計(自動巻き・手巻き)に分解掃除が必要な訳
時計の交換部品の保有期間
時計は経年によって様々なパーツに不具合が生じることがあります。
時計の不具合の修理(分解掃除)では、時計の部品をバラバラにして キレイに洗浄し、再度組み立て直し潤滑油を注油するのですが、この時 劣化している部品があると交換が必要になります。
そこで問題になるのが部品の保有期間です。
一番長い部品保有期間は、セイコーのクレドール、グランドセイコーで販売中止から30年ですが、通常は7年間というメーカーが殆どです。アフターサービスが充実している国産の時計メーカーでも、これまで発売した時計の全ての部品を永久に保管することは不可能です。
そこで メーカーでは 部品在庫が少なくなったものは割増料金で対応したり、部品在庫が無いものについては「修理不可」として修理そのものを受け付けない事があります。
修理不可とランク付けされた時計でも・・
弊社ではメーカーが修理不可とランク付けした時計であっても、分解掃除によって動作が改善される見込みがあるものは修理をお受けしております。
ただしこの場合、お客様も時計職人もリスクがありますので、修理に出される前に確認しておくべき事は下記の通りです。
(1)交換部品について
出来るだけ純正品を使用しますが、「合わせ」といってその品番の為に作られたのでは無いパーツを使用することがあります。この場合は事前にご連絡をさせていただきます。(パッキンについては事前連絡を差し上げないこともございます)
(2)防水性について
パッキンは殆どの場合「合わせ」となりますし、経年のご使用によってケースの劣化がある場合が多いので、防水性の保証が出来ない場合が殆どです。汗・水・湿気に充分ご注意の上ご使用くださいませ
(3)保証期間について
衝撃や汗・水等外的要因の不具合でなければ、メンテナンス完了から1年間は、機械の動作について保証いたします。
ただし、回路の不具合等は事前にお調べする術がありません。万が一回路不良による不具合と判明した場合で、対応の回路の入手が出来ない場合は、大変申し訳ございませんが保証の対象外となります
(4)修理のお見積りをご了解いただいていても・・・
分解掃除の全ての工程を済ませてからお見積りをさせていただくわけにはいきませんので、メンテナンス進行の過程で新たに交換しなければいけない部品が発見され、その部品が見つからなかったり 製作不可の場合は、修理不可でご返却させていただくことがあります。(修理代は発生しません)