原家族からもちこされた未解決の問題
便利な時代になったからこそ必要なこと
講演会や相談会を開催した時に思うことは、
「動く」いわゆる行動力です。
インターネットに代表される通信時代になって、
本当に便利さを日々実感します。
ほとんどの買い物もお店に行かずに済んでしまいますし、
航空券やチケットも手に入ります。
何かを調べる時にも図書館へ行くこともなく、
手元のスマホでほとんど済んでしまいます。
しかし、そういう便利な時代だからこそ
「足で動く」ということが大切だと思うのです。
相談を受けていて、時おり、電話やメールで
「どういう施設ですか?」
「お金はかかるのですか?」
「治りますか?」
といった問合せがあります。
こんな場面もあります。
コロナ禍以降、現在当協会では、
日曜から土曜日無休で常時無料の相談窓口を行っていますが、
時折、予約を入れていたのに何の連絡も無しに
当日こられない方もおられます。
また、数度にわたる長時間の電話相談の後、
「これ以上は無料の範囲を超えておられますので」
と言った途端憤慨なされる方、
家族もカウンセリングを受ける必要があることをお話しすると、
「親はいいんです。家に来てもらって子供に会ってもらえば」
と、掃除の代行業者に掃除を頼むと同じ感覚で、
ご自身は何もやりたがらない親御さんもいます。
原則こういうご依頼には対応しておりません。
労を惜しんで変えられるものはなし
私がいつも感じるのは
「何故自分の目と耳で確認しないのだろうか」
ということです。
「何故足を使って動かないのだろう。
この姿勢が子育てにも反映しているのだろうなぁ」
と思います。
相手の人となりは、自分の目で確認したいものです。
噂や憶測ではなく、自分で直接顔を見て話してみたい
と思うのですが。
今やオンラインでも簡単に顔を見ながら話すことも
できるようになっています。
でも、だからこそです。
足を使う、行動することを面倒がらないということです。
便利さは一方で、様々な脆弱さや鈍さを招くのです。
また、事務所の場所をお伝えした際に、
「遠いですね」とそのまま相談に来られなかった方も
おられました。
電車を利用されたら30分もかからない隣の市なのにですね。
今まで一番遠方の方は北海道でした(もちろんオンライン)。
心がまえ、覚悟の違いですね。
私は若い頃、何度か本の著者に会ってみたくて、
アポも取らず東京の会社に訪問した事がありました。
突然のことで先方は驚きますが、
同時にわざわざ遠方から来てくれたということで、
色々話を聞かせてくれたこともありました。
そこで本を読んだだけでは分からない、
著者の人となりを自身の感覚でとらえることができます。
実は、この若いころの私の話を読んだ当事者の青年が、
それこそノンアポではるばる遠方から尋ねに来てくれた
ことがありました。
私の経験を読んで、きっとノンアポでも会ってもらえるだろうと
踏んで来られたそうです(笑)。
驚きましたが、もちろん話を聞かせてもらいました。
遠方でもオンラインでのサポートが可能だということを伝えたのですが、
「親からは“できそこない”と言われていますから、協力はしてもらえません」と。
家族の再生でこそ根本の問題解決が実現する
これらで分かるように、ひきこもりも不登校も、
解決にあたっては、ご家族の意識ひとつです。
先の青年のようにわざわざ出向くだけの行動力が本人にあっても、
親が動かなければそれまでです。
一方、たとえ10年を超すひきこもりでも、
家庭内暴力があるひきもりでも、
親が意識を変えることで解決に向かうのです。
当協会の家族会(たらちねの会)に参加されている親御さんたちには、
問われている親としてのあり方に対し、
果敢に向き合おうとする勇気と潔さと、
子を思い、生き方そのものを見つめ直し、
家族再生に向って歩んでいく逞しさを感じます。
親御さんたちの意識改革で、
家族再生により長きにわたる苦悩から脱したご家族の声を
是非ご覧になってください。
https://mbp-japan.com/fukuoka/earth-family/voice/?order=latest.DESC
わが子の問題を解決するためには、
親御さんたちに足を使う労を惜しまないでほしいと強く思います。
マウスのワンクリックで解決できるほどの問題ではないのですから。