【第11回】 生成AIを「使わない」という選択も、実はとても賢い判断です
生成AIが話題になると、必ずと言っていいほど出てくる話があります。

「AIに仕事が奪われる」
という話です。
私もこれまで何度も質問されてきました。
「将来、AIに仕事を取られるんでしょうか?」
「人間は必要なくなるんでしょうか?」
そのたびに私はこう答えています。
「仕事そのものよりも、もっと別のものを失う可能性があるかもしれません。」
今日はそんなお話です。
本当に失うのは仕事なのか?
確かにAIによって仕事のやり方は変わります。
文章作成。
翻訳。
データ整理。
資料作成。
これまで人間が時間をかけて行っていた作業の一部は、AIが代わりにできるようになりました。
実際に私自身も、生成AIのおかげで仕事の効率は大きく向上しました。
しかし、
私が毎日AIを使っていて感じるのは、
「仕事がなくなる」
というより、
「考える機会が減る」
ことへの危機感です。
答えが早すぎる時代
昔は何かわからないことがあると、
本を調べました。
人に聞きました。
自分で考えました。
時には何日も悩みました。
ところが今は違います。
AIに聞けば数秒です。
しかもかなり質の高い答えが返ってきます。
便利です。
本当に便利です。
でも便利だからこそ、
自分で考える前に答えを見てしまう。
そんな場面が増えているように感じます。
悩む時間には価値がある
私は65年間生きてきました。
振り返ると、
人生の中で成長した瞬間は、
いつも悩んでいた時期でした。
仕事で失敗したとき。
店長として結果が出なかったとき。
新しい仕事に挑戦したとき。
答えが見つからず苦しんだこともあります。
でも、
その時間があったからこそ今の自分があります。
もし当時AIがいて、
すぐに答えを教えてくれていたらどうだっただろう。
そんなことを考えることがあります。
AIは便利。でも成長は代行できない
AIは答えを出してくれます。
でも、
経験は代行できません。
失敗も代行できません。
挑戦も代行できません。
例えば大型二輪免許の教習。
AIに聞けば運転のコツは教えてくれるでしょう。
でも、
実際にバイクに乗り、
一本橋で何度も失敗し、
悔しい思いをする経験は自分でしかできません。
人生も同じです。
私が少し心配していること
AIが進化することは素晴らしいことです。
私はこれからも積極的に使います。
しかし一方で、
人間が
考えること
悩むこと
試行錯誤すること
を手放してしまわないか。
そこが少し気になっています。
もしかするとAIに奪われるのは、
仕事そのものではなく、
「考える習慣」
なのかもしれません。
Today's English Phrase
"Use it, but don't depend on it."
(使いなさい。でも頼り切ってはいけません。)
これはAIだけではありません。
スマホも。
インターネットも。
便利な道具はすべて同じです。
使いこなすことは大切。
でも依存してしまうと、
本来持っていた力を使わなくなってしまいます。
最後に
私は生成AIが大好きです。
おそらく明日も使います(笑)。
でも、
AIが答えを出してくれる時代だからこそ、
自分の頭で考える時間も大切にしたいと思っています。
便利さを手に入れる。
それは素晴らしいことです。
しかし、
考える力まで手放してしまってはもったいない。
AIに奪われるのは仕事ではない。
もしかすると、
私たち自身の「考える習慣」なのかもしれません。
次回は、
【第7回】便利の代償 ― 人は考える時間を失うのか
について考えてみたいと思います。
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