12月に「一度話しましょう」が増える職場で起きていること

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

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12月に入ると、不思議と増える言葉がある。

今年中に一度、話しましょう
年内に一回、時間ください

この言葉自体は、悪くはありません。
むしろ前向きに聞こえるもの。

けれど現場で見ていると、
この言葉が増える職場ほど、
同じ問題が翌年にそのまま持ち越されていることが多い。

「今は忙しい」が免罪符になる季節

「今は忙しい」が免罪符になる季節

年末は忙しい。
これは事実だ。

だから12月は、

・決断を先送りしても許される
・向き合わなくても責められにくい
・「年明けに」が通用する

そんな猶予の季節ですもの。

とはいえど、下記のような内容が出てくるとちょっと違う。

今は立て込んでいて
落ち着いたら改めて

この言葉が出た瞬間、
話す内容は“問題”から
“予定調整”にすり替わっています。

「話す約束」が増えるほど、話さなくなる現象

一度お話ししましょう!という「話す約束」が増えるほど沼る。
それは、話さなくなるということ。

興味深いのはここから。

12月に
「話しましょう」と言われた案件ほど、
実際には話されない。

・日程が決まらない
・決まっても延期される
・そのまま年を越す

そして1月。

「年も明けましたし、改めて様子を見てから」

こうして、
問題は何も触れられないまま保管される…。

現場でよく見る&あるズレ

産業カウンセリングの現場では、
こうした、現場でよく見る&あるようなズレやり取りをよく見る。

本人の中では
「ちゃんと向き合う意思はある」

けれど行動としては
「今は無理」「後で」「また連絡します」

本人の中で、単に優先順位を下げているだけのこと。

そしてその優先順位は、
だいたい無自覚に決められている。

年内に“話そう”が出たときの、ひとつの視点

12月に
「一度話しましょう」と言われたとき、
確認したいのは内容よりも順番ではないでしょうか。

・今じゃない理由は何か
・年内に決める必要は本当にないのか
・1月になったら状況は変わるのか


年内に“話そう”が出たとき、
その視点が曖昧なままだと、
その話は“善意の棚上げ”になる。

企業側が見落としがちな点

企業や管理職側は、
「年末だから仕方ない」と
個人の事情を尊重する。

それ自体は、善意は気遣いだったり配慮でもあるかも。

ただしその気持ちは、
仕事としての時間やリソースを
静かに消費していることもある。

キャンセル
延期
再調整

すべて、業務の一部でもあるわけです。

1月に問題が残る職場の共通点

12月に
「一度話しましょう」が増え、

1月に
「結局何も変わっていない」

そんな職場には、
共通した空気がある。

・先送りが習慣化している
・忙しさが判断基準になっている
・話すこと自体が目的化している

誰かが悪いわけではない。
ただ、構造としてそうなっている。

年末に話が増えたときほど

12月は、
人が一番「ちゃんとしよう」とする季節。

だからこそ、
本当に動く話と、
動かない話の差がはっきり出る。

「一度話しましょう」と言われたとき、
その言葉が行動の入口なのか、保留の合図なのか。

そこに気づけるかどうかで、1月の動きはガラリと変わるもんです。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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