【再登場】交通事故の「治療費打ち切り」って本当に終わり?

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:この世界、知らんことだらけ

伊勢法律事務所
再登場の伊勢法律事務所・田形所長弁護士に聞く、知らないと損する話。
今日は、交通事故の「治療費打ち切り」について。

保険会社から「打ち切りです」と言われたら

聞き手:私
語り手:伊勢法律事務所 所長弁護士・田形祐樹さん(以下、田形所長弁護士)

私:田形先生、先生のメルマガを読んでいると、このコラムに取り上げたい情報が多くて。
今回も、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは本題です。
事故って早々に経験するものじゃないですよね。
だからこそ、事故にあって初めて「どうしよう…」ということに直面します。

今回は、事故後の通院中に保険会社から「治療費は打ち切りです」と突然言われたときの対応について、詳しく教えてください。

治療を続ける選択肢はある

田形所長弁護士:ありがとうございます。
実はこの「打ち切り通告」、交通事故の相談で非常に多いんです。

たとえば、信号待ち中に追突された30代の女性Cさん。
首の痛みで整形外科に通っていたところ、
保険会社から「これ以上の治療費は出せません」と連絡が来たんです。

私:えっ、それってまだ痛みがあるんですよね?
治療をやめなきゃいけないってことですか?

田形所長弁護士:そう思ってしまいますよね。
でも実は、保険会社が言う「打ち切り」は、“自賠責保険の一括対応を終了します”という意味であって、治療そのものをやめなければならないわけではないんです。

自己負担でも治療を続けるべき理由

私:そうなんですか?
では、それは治療を続ける方法があるんですね。

田形所長弁護士:はい。
まずは主治医に相談して、治療継続の必要性を確認します。
医師が「まだ治療が必要」と判断すれば、
健康保険に切り替えて通院を続けることができます。

その場合、自己負担はありますよ。
ですが、医師の指示に従って通院記録を残しておくことがとても大切なんです。

私:記録って、診断書とか通院日とかですか?

田形所長弁護士:そうです。
診断書、通院日、症状の変化などをしっかり残しておくことで、後の賠償交渉や後遺障害の認定に役立ちます。

逆に、痛みが残っているのに通院をやめてしまうと、「もう治っていたのでは?」と判断されて、適切な賠償が受けられなくなる可能性もあります。

私:それは辛いですね…。
読者の中には「保険会社に言われたら従うしかない」と思っている方も多いかもしれません。

まずは医師、そして弁護士へ

田形所長弁護士:そうなんです。
だからこそ、「打ち切りです」と言われたら、まずは落ち着いて主治医に相談。

そして、できるだけ早く弁護士に相談してほしい。
治療を続ける権利はあなたにありますし、法的な視点からもサポートできます。

私:最後に、交通事故で治療中の方へメッセージをお願いします。

田形所長弁護士:
「打ち切り」と言われても、それが治療の終わりではありません。
あなたの身体の回復が最優先です。

焦らず、医師と相談し、必要なら健康保険で治療を続けてください。
そして、法的な不安があれば、私たち弁護士にご相談ください。
あなたの権利を守るために、しっかり伴走します。

私:ありがとうございます。

編集後記

保険会社から「治療費は打ち切りです」と言われたとき、どうすればいいのか。
今回の対談では、田形先生がその背景や選択肢を、具体的に教えてくれました。

私自身、保険会社から「治療の打ち切り」と言われたら…。
治療をやめなきゃいけないのかな…。
と不安になると思います。

ですが、医師の判断や健康保険の活用など、続ける方法があることを知っているだけで、少し落ち着ける気がします。

こういう話って、事故に遭ってからじゃないと調べないものですよね。
だからこそ、日常の延長で知っておけるような形で、また少しずつ紹介していこうかなと考えています。

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組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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