納得できない!それって、本当に戦う必要がある?

さぁ、今週も金曜日になりました。
福岡を語る上で、忘れてはならない偉人伝。
毎週金曜日のお約束。
今日ご紹介するのは、中野三敏(なかの みつとし)先生
1935年福岡県生まれ、2019年に惜しまれつつ逝去された、
江戸文学研究の第一人者のお話です。
江戸の“異人”に魅せられて
中野先生が生涯をかけて探究したのは、江戸時代の庶民文化。
とりわけ「戯作者」と呼ばれる、
型破りでユーモラスな文人たちに深い敬意を注いでいました。
彼らを「異人(いじん)」と呼び、
変人扱いされながらも己の美学を貫いた姿に、
聖人に近い輝きを見出していたのです。
異人とは、世間から逸脱してなお、自分の信じる道を歩む者。
そんな“自分らしさ”を育てようとする姿は大切ですね。
何処を見ても同じ色の服を着て過ごす私たちに、ハッと気が付く何かがありました。
雅俗文庫:文化の記憶を守る場所
中野先生が九州大学に寄贈した「雅俗文庫」は、約12,000点にも及ぶ和装本・洋装本の宝庫。
変体仮名や江戸の言葉遊びに満ちた資料群は、
“文化のリテラシー”を育む場でもあります。
この文庫は、先生の問いかけそのものかもしれませんね。
「あなたは、どんな言葉に耳を澄ませますか?」
「どんな異人に、心を動かされますか?」
中野三敏という問い
中野先生は、江戸文化を「雅(みやび)と俗(ぞく)」の融合と捉え、知的遊び心を現代に伝えようとしました。
その姿勢は、場づくりやコミュニティ運営に携わる私たちにとっても、大きな示唆を与えてくれます。
「異人」とは、評価よりも信念を貫く人。
「文化」とは、記録よりも体験を通して育まれるもの。
そして「問い」とは、誰かの“らしさ”を引き出すための優しい仕掛け。
最後に:当たり前と信じることを疑う金曜日に
中野三敏先生の人生は、問いを育てる実践そのものでした。
江戸の異人たちに光を当てながら、
現代の私たちにも「自分の美学を持て」と語りかけているようです。
この金曜日、あなたはどんな“異人”に出会い、どんな問いを育てますか?



