良くある呪縛:“ちゃんとしなきゃ”の呪い

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

サウナ猫

“ちゃんとしなきゃ”の呪いにかかった女性

完璧を求めすぎて戦う日々に、ゆるさに救われハッとする

「最近、ちゃんとしてない気がして…」
そう言って、少し肩を落としていた女性。

仕事も家庭も、周囲への気配りも、全部“ちゃんと”こなしているように見えます。
ですが、本人はなぜか「足りない」と不満足気味。

産業カウンセリングの時に
「ちゃんとって、どこまでやればいいんですかね?」
と話をする。

その問いに、私は思わず笑ってしまった。
ほんと、それ。
誰か答え持ってるなら私が教えてほしいですよ。

とお答えしています。

そうするとゆるさに救われハッとする瞬間が言葉が口からもれました。

私は、何をちゃんとしたいと思っていたんだろう…。

そう、こういった”何をちゃんとしたい”のか、呪縛にはまってしまうと、一人では解けないのも痛いですねぇ。

“ちゃんと”の正体は、誰かの期待かもしれない

その方が言う「ちゃんと」は、

  • 朝は早く起きる
  • 部屋は片付いている
  • 仕事は完璧
  • 人間関係は円満

…などなど、まるで理想の人間像のチェックリスト。

ですが、本当に“自分が望んでいること”なのか?という問いが生まれます。
本人自身が望んでいると思い込むと厄介。

その考えは呪縛だった場合は、
誰かの期待を“自分の基準”にすり替えてしまっているだけかもしれません。

“ちゃんと”より“ゆるくても誠実”でいい

ある日、その女性は産業カウンセリング中にこう言われました。

今日は掃除サボりました。
でも、ちょっと幸せです。

その一言に、私は拍手を送りたくなりました。

“ちゃんと”の呪いから一歩抜け出すって、
完璧を手放す勇気でもあるのです。

そして、ゆるくても誠実に生きている自分を、ちゃんと認めること。

とはいえ、産業カウンセリングが一か月近くあいたころには、罪悪感に変わっていました。

あぁ、振出しに戻ったと、”がっくーん”としてしまいました。
呪縛というものは書いて字のごとし。
自分が作った呪縛は、しみついているからこそ、早々に溶けるものでもないのです。

呪縛を解く魔法の言葉

「ちゃんとしなきゃ」って思ったとき、
こんな言葉を唱えてみるといいかもしれません。

「今日は“まあまあ”でOK」
「ゆるくても、私らしい」
「完璧より、心地よさ」
「ちゃんとしない私も、ちゃんと好き」

その方は少しずつ“自分のペース”を取り戻しています。

そして、「ちゃんとしなきゃ」に気づいたとき、
そっと「それ、呪いかもね」と笑えるようになりました。

今日のまとめ


“ちゃんと”って、誰かの期待を背負いすぎたときに生まれる言葉。
ですが、ゆるさの中にも誠実さはあります。
そして、自分らしい“ちゃんと”を見つけることが、呪いを解く第一歩です。

今日も誰かが、ちょっと肩の力を抜いてくれますように。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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