話すのが苦手でも、大丈夫——“聴く”から始まる対話

さぁ、今週も金曜日になりました。
福岡を語る上で、忘れてはならない偉人伝。
毎週金曜日のお約束。
今日は、福岡県久留米市出身の漫画家・松本零士(まつもとれいじ1938年-2023年)大先生のお話です。
宇宙戦艦ヤマト・銀河鉄道999・わが青春のアルカディア・クイーンエメラルダス・千年女王など手掛けてます。
宇宙を描き伝えて行く視野と視座
──松本零士先生の人生から学ぶこと沢山で。
私は、子供のころから松本零士の描く世界観の大ファン。
北九州に行くたびに、銀河鉄道999やキャプテン・ハーロックとメーテル嬢・鉄郎の銅像と対面。
小倉駅は映画の中に出てきた駅のようで。
併せて車掌さんを拝んでワクワクしながらモチベーションアップで仕事に向かうことができる駅のひとつ。
地元の漫画ミュージアムでは、先生の作品に囲まれて過ごす特別な時間があります。
その世界観に浸ると、日常の些細な悩みさえも、壮大な宇宙の旅の一場面のように思えてくるのです。
松本零士という「宇宙を旅する哲学者」
1938年、福岡県久留米市に生まれた松本零士先生は、戦争という暗い時代を経験しながらも、空を見上げ、「希望」を描き続けた人です。
15歳で漫画家デビュー。
その早熟な才能は、ただの技術ではなく「生きる力」そのもの。
代表作『銀河鉄道999』は、私にとって人生の教科書のようなものかもしれません。
星野鉄郎の旅路は、自分が何者であり、何を選択して生きていくか。
――まさに私たちが現実で直面する問いそのもの。
小説も漫画も、映画もアニメも気が付けば読んでいました(笑)
学びと気づき:彼の人生から私が受け取ったもの
夢を持つことの勇気
「銀河鉄道の切符」が人生にはきっとある。
それを信じて乗り込む勇気こそ、私たちに必要なものなのかもしれません。
孤独を力に変える
貧困や孤独を経験しながらも、その感情を登場人物たちの哲学に変換しました。
ハーロックの孤高な強さは、自分を信じ抜いた人の姿そのものです。
旅する心を持ち続けること
晩年まで筆を取り、生前には「宇宙葬」で宇宙へ散骨。
…人とは何か? 人の死とは何か?
自身に問いかけられた気がして、深く心に刺さりました。
生涯の幕を閉じた2023年
松本零士先生は2023年にご逝去。
人生最後の人仕舞いは”銀河葬”で最後の別れが行われています。
お別れ会の実行委員長を務めた漫画家ちばてつや氏は、お別れの言葉を読まれています。
その時、65年前に初めて松本さんに会ったころなどを振り返りつつ「北九州の小倉から夜汽車に乗って上京した詰襟の少年が、85年間の人生で素晴らしい大きな足跡を残した」と功績をたたえています。
その姿勢に、「人生とは旅であり、終点はない」と教えられる気がします。
福岡という故郷から放たれた希望の光
福岡発の「心を動かす物語」は、地球を超え、宇宙規模で人々を魅了しました。
地方に生まれ育ったからこそ、人間の原点に近い視点で作品を描けたのではないでしょうか。
北九州市漫画ミュージアムは、そんな松本零士の“航海図”をたどる場所。
訪れるたびに、自分もまた鉄郎のように成長の旅をしている気持ちになります。
松本零士の作品は、「懐かしい未来」への旅です。
何度読んでも、新しい気づきをくれる。
そして、自分もまた“銀河鉄道の乗客”のひとりなのだと感じさせてくれます。
松本零士の生き方は、単なる漫画家ではなく、「人生の旅人」として私たちの心に残り続けています。
松本零士の描いた物語を知ることで、今をどう生きるか。
――そのヒントをもらえる気がしませんか?



