AI時代の企業運営—効率化と人間味の狭間で

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:激変する時代こそ聡明である秘訣

poosan
最近、うちの会社もAIとかチャットボットとか導入すべきって言われるんだけど…。
正直、そんなに便利なの?
人間の仕事を奪ったりしない?
と、モヤモヤしている声が聞こえるようになってきました。

確かに、デジタル技術の進化は企業運営に大きな変化をもたらしています。
ですが、AIが万能すぎて人間がいらなくなる未来がやってくる。

…そんなわけではありません!
ナンダッテー!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)

むしろ、AIをうまく活用しながら“人間らしい仕事”を大切にする時代になっているのです。

デジタル対応が求められる背景—背景に隠されたお話

デジタル技術が急速に広がる理由は、少し耳を傾けてみると納得できる部分があるんです。
また、令和の新人の動向だってわかってきます。
自社の業務内容の見直しの機会もそこにあるのです。

1.顧客の行動変化に、時代の波を感じる必要性

令和の新人世代、電話での問い合わせなんて「ハードルが高い」と感じることも多い。
一番は、チャットやFAQで「サクッと解決したい!」という声が増えています。
その理由は、言語での確認は不得手というより、そもそもが慣れていないことが理由。

2.人材不足は「仕事を誰かに肩代わりすることが当然」になる

人手不足がテクノロジーの進化を生む。
例えていうなら教員の働き方改革。
できるだけ残業を少なくするにはどうしたら良いのか?
そのことで、学校の成績表や採点の集計作業さえ自動化が進んでいます。

そうなると、これまでアナログで集計していたものはAIが肩代わりし更に自動化は加速。
学校の教材そのものがデジタル。
そのうえ、成績表について強み弱み、理解度について瞬時に可視化できる優れもの。
その仕組みが当たり前だと慣れきった学生が続々と生まれます。

その方々が新卒で企業に勤めるわけです。
アナログ体制の不満は増大になるのは避けられません。

ネット環境の整備はおろか、「何故、自分たちがやらないとならないの?遅れてるよね」なんて、現場のつぶやきが早期離職を招く。

そんなことがきっかけで、追い立てられるようにテクノロジーの進化を生まなければならない場合も少なくありません。

~余談~
最近、なんでも自動化が進んでいます。
そのことで、知らなくても入力だけはお手の物の方が増えました。
例えば「私は経理をしていました!」という方。
会計ソフトを使うことで、基本の仕分けなどさっぱりできない事実。

会計ソフト恐るべし。
連結の考え方すら身につかない。
知らなくてもできる、きれいな帳簿。
効率と手間を省くということで、会計の本来の意味が解らなくなっていくのかもしれません。

3.コスト削減—企業のポケット事情

AIは働きっぱなしで文句も言いませんね。
休みがなくても法律に抵触することだってありません。

これが企業にとってはありがたい。
AIを導入することでコストを削減し、他の部門に予算を回すこともできるんです。

ビルメンテナンスのお掃除ロボットは、埃を吸いつつ、更に空気まで綺麗にしてくれる時代ですもの。

デジタル化が向かない場面—AIが戸惑う瞬間とは?

ですが、AIには「これ無理!」と断らざるを得ない場面もたくさん。
例えば、以下のような状況では、人間の力が絶対に必要になります。

クレーム対応では、共感力が主役

AIが顧客の感情に寄り添おうとしても、どうしても「機械的」になりがち。
怒った顧客に「お気持ちお察しします」って、ちょっと冷たく感じませんか?

複雑な手続きで、AIが混乱気味に

「この手続き、AとB、そしてCも必要なんだけど…」
なんて時には、AIが「え?マニュアルに載ってない」とフリーズする可能性も。

デジタル世代ではないお客様—ツールが通じない悲劇

「チャットボット?そんなの触れないよ!」
そんな風に困っているお客様を助けるのは、やっぱり人間の手と声です。

デジタルと人間の対応を組み合わせる—ベストなアイディア集

AIの良さと人間の魅力を両立するには、次のような工夫がカギになります。

1.デジタルで「まずは安心感」を提供する

チャットボットで簡単な問い合わせをスムーズに解決することは、顧客の初期不安を減らす重要な役割。
新人が「どこに何を提出すればいいの?」という悩みに即答できたら、ホッとしますよね。

2.人間がいる安心感を「実感」させる

AIが答えきれない時は、人間の対応に引き継ぐ仕組みを作りましょう。
「最終的には人がサポートしてくれる」と感じる。
そのことで、顧客も新人も安心してサービスを利用できます。

3.職員は「プロ」らしさを極める

AIがシンプルな業務をサポートする一方で、人間は複雑なトラブル対応や提案型の業務に集中できます。
職員が「ここでしかできない仕事」を持つのが、モチベーションアップにつながるんです。

4.デジタルツールの進化を止めない

AIも進化する時代。
使用状況を分析し、改善を続けることで、「だんだん便利になってきた!」と思ってもらえる仕組みを作りましょう。

デジタル時代も“人間味”が重要

デジタル時代でも忘れてはいけないのは、人間の持つ温かみです。
このことで、営業の出番は多くなる。
電話対応がどんどん希薄になっていく中で「〇〇さんに電話をかけよう!」となってくると本人の手間はかかるので、連係プレーが進化していきます。

そうなると、既存メンバーは新人にお願いすることができる。
そして、新人もやり方を学びつつ「この職場なら頑張れる!」と思えるように動く必要が出てくる。

そんな、連携を作るには、デジタル化だけではやはり厳しい。
だからこそ人間関係の築き方が重要になります。
AIと人の力を最大限に生かして、働きやすい職場を目指していく時代になっているのです。

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鎌田千穂(産業カウンセラー)

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組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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