消費者心理とトレンドの真実:無意識の購買行動を解明

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:激変する時代こそ聡明である秘訣

さて、今日は産業カウンセラーの仕事のひとつ。
産業カウンセラーは心理的手法に基づいた役割を担います。

「業務改善・組織変革」には心理面に基づいた提案が多々。
そのひとつで購買意欲というビジネスについて書いてみようかなと。

日常の中で、私たちの購買行動にはさまざまな心理的要素とトレンドが関与しているのをご存じの方も多いのではないでしょうか?

その行動の背後には、消費者トレンドや心理学が深く関わっています。
今回は、消費者心理とトレンドがどのように仕掛けられているのか。
その真実を紐解き、あなたが無意識に行っている購買行動について探ってみます。

オンラインショッピングの急成長

ここ数年、オンラインショッピングは急成長を遂げています。
特にパンデミック以降、外出自粛が続く中で、オンラインショッピングの利用が急増。
これに伴い、消費者の購買行動も大きく変化しています。

オンラインショッピングの利用増加

経済産業省調査
資料出所:経済産業省 令和5年度電子商取引に関する市場調査

購買決定プロセス:あなたも無意識にしているかも?

そういった中で、欲しいものがあるとき、私たちは以下のことを潜在意識の中に刷り込みされています。
そして、無意識にそのステップを踏んでいるんです。

例えば、自動販売機の色といえば何色を思い出しますか?
大抵が赤、もしくは青ではないですか?
赤は、コカ・コーラ、青はペプシです。

他にもコンビニエンスストアの名前をいくつか言ってください。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン。
大抵はこの3つの名前が上がるのではないでしょうか?

それと同時に色も頭に浮かぶはずです。

企業戦略とはいえ、購買意欲を高めるために心理面を考慮して様々な仕掛けが隠されているんですよね。

心理面の流れは以下

問題認識:お腹が空いた、洋服が欲しいなどのニーズを感じる
 ↓
情報収集:インターネットで商品を調べたり、友人に聞いたりする
 ↓
代替評価:いくつかの選択肢を比較して、どれが一番いいか考える
 ↓
購買決定:これだ!と決めて購入
 ↓
購買後行動:買った後にレビューを書いたり、友人に勧めたりする

という流れが皆さんたちの行動ですよね。
では、その行動への仕掛けを図式します。

購買決定プロセスの仕掛け

購買行動心理

インターネットとCMの力

さて、そんな皆さんたちが潜在意識の中に刷り込まれ、自分の意思決定で何かを購入していると勘違いする仕掛けには、企業の心理的仕掛けをもとにした広告やプロモーションがあります。

広告やプロモーション活動には多くの資金が必要。
資金源が豊富な企業やブランドが広がりやすい傾向にあります。
日常生活で目にすることができるメディア、例えばインターネット広告やテレビCMは、消費者の購買行動に大きな影響を与えているんですよ。

広告宣伝費の多い上場企業

昨年の12月に公開された東洋経済オンラインの調査。
広告宣伝費の多い上場企業ランキング。

2023年9月期から2024年8月期までのデータを基にしたランキングでは、ソニーグループが1位となり、広告宣伝費は4227億円に達しています。
次に日産自動車が2位。
広告宣伝費は3217億円でした。
東洋経済広告費ランキング
これらの企業は前年に比べて広告宣伝費を大幅に増加させており、全体としても多くの企業が広告宣伝費を増加させています。

そのランキングによれば、広告宣伝費が1000億円以上の企業は12社。
その中でもランキング82位のエイチームは売り上げの半分以上を広告宣伝費に投入。
それほどに、広告に対する投資は、消費者の認知度を高めるために重要な要素です。

資金源が限られている企業のブランディング戦略

広告費ランキングでも分かる通り、売上の数%での広告費と言えど、その投入額は数千~数百億円規模です。

このことが全ての情報検索に影響していることがおわかりでしょうか?

求人情報もしかり、飲食店の下調べも同じこと。
もっと小さな規模で、地域に根ざした情報を見つけたいと願おうとも叶わない。

検索サイトに掲載されなければ世に知られない

全ては営利目的の広告投入額が多いところが最優先に見つかる仕掛け。
それこそが、あなたの趣味趣向に合わせてスポンサーサイトが上位検索に出てくる。
今も昔もそれは同じこと。
情報が知らされなければ、その企業は世の中に存在しない企業です。
現代では検索に引っかからないと、自社の存在すら知られることがないわけです。

一方で、中小企業は資金力の制約があるため、大手のような広告費はかけられませんよね。
自社のブランディングには知恵を絞ることは避けられないのです。

以下の戦略で成功するケースもあります。

ソーシャルメディアの活用

低コストのマーケティング
SNSを活用することで、低コストで効果的なマーケティングが可能。
インフルエンサーとのコラボやバイラルキャンペーンが有効です。

コンテンツマーケティング
有益なコンテンツを提供する。
そのことで、ブランドの認知度を高め、消費者との信頼関係を築きます。

ニッチ市場の開拓

特定のニーズに応える
特定のニーズや興味を持つ消費者層にターゲットを絞る。
そのことで、大規模な広告投資を必要とせずに成功することができます。

コミュニティとの連携
ニッチな市場でコミュニティとの強い連携を築き、支持を得ます。

ローカルコミュニティへの貢献

地域密着型の活動
地域のイベントや活動に参加。
地元の消費者との関係を築き信頼と支持を得ることができます。

パートナーシップの構築
地元の企業や団体とパートナーシップを深める。
そのことで協力連携のブランディング活動を展開します。

店舗での体験型プロモーション

実店舗での体験型プロモーションを行うことで、消費者に実際に商品を試してもらう機会提供。
そのことで購買意欲を高めることができます。
デモンストレーションや試食会などが効果的です。

コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ(CSR)活動

環境保護や地域社会への貢献など、CSR活動を通じてブランドの社会的責任を示す。
そのことで消費者からの信頼と支持を得ることができます。

まとめ

消費者心理とトレンドは、日常の購買行動に深く関わっています。
資金力のある企業は大規模な広告キャンペーンを展開して広がりやすい。
ですが、資金源が限られている企業は資金力に物を言わせることはできない。

だからこそ、オフラインでのブランディング戦略を活用すること。
そして、地域に根ざしたブランドに意識を向け世の中に必要とされる企業としての在り方を見据える。
そのことで自社ブランドを広めることができます。

世の中を上手にわたる秘訣

大事なことは無くなるか、育てて増えるのかの視点。
モノとお金は無くなります。
コトと人は育まれ、残ってゆき、増えて財産となる。

これらのポイントを理解し、自分の状況に合ったアプローチを始めることってとても大事なんですよね。

とは言え、私も含めて、人のことはよく分かる。
けれど自分のことはさっぱりわからないのが人間。

常に、やりたいこととできることがわからなくなる。
そして、自分がやりたくないことや上手くいかないことを全力で探すのも人間。

σ( ̄∇ ̄; )

あなたが当たり前だと信じるものを疑うことが先決

頭というのは常に固くなるモノ。
そして、頭が固くなったところに情報は入ってこない。
ルーティンの繰り返しこそが情報が閉鎖的になりがち。
閉鎖的になるから方法が全く見つからない。
という悪循環に陥ります。

だからこそ、そんなときほど産業カウンセリグが必要なんですなぁ。
解決策は必ず眼の前にあるんです。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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