仕事をしてもらいたいのか、作業をさせたいのか
チホズスタジオ
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
福岡市でオンラインや訪問を中心としています。
事業内容は産業カウンセリング及びコンサルティングサービスです。
チホズ文字分析による、人材分析及び提案も行っています。
感情の変化とその影響
職場の相談でよく耳にする声。
「相手が何を考えているかわからない」
というものです。
私自身も、産業カウンセラーとして独立する前は数十名の部下を持つ立場。
かつては同じ悩みを抱えていたことがありました。
仕事の傍らで、職場での同僚同士で人間関係性がうまくいかかない職員の愚痴聞きも当たり前。
その中で、会社が求める成果を考慮した「経済的に活躍する人材」として育成をしなければなりませんでしたねぇ。
どちらにせよ、人間関係の不和問題については、何度となく話を聞いて、互いに話し合える場を設けても平行線に出くわすわけです。
自分が第三者として調整に入る場合は良いのですが、自分自身が当事者になってしまうと苦悩するしかありません。
ですが、ある出来事をきっかけに、その理由が見えてきました。
「正しいか間違っているか」で判断する思考の癖
職場での意見の不一致に対して、私は「正しいか間違っているか」で判断する癖がありました。
そう、何かことあるにつけて「自分が正しい」という前提で物事を考えているわけです。
そうすると、意見の相違があるとき、「自分は正しい=相手は間違っている=是正する」と無意識に自分を優位に置くのです。
そして
「自分が正しい」と考える。
相手から自分の考えに従順に従ってもらえない場合は
「相手のせいで(私は)苦しんでいる。」
と考え、無意識に抗議の姿勢をとっていたのです。
皆さんも思い当たることがありませんか?
部下の視点から見る関係の修復
なんだかんだといって、私の考えを理解してもらうことは難しい。
素直じゃないよなと思うことも多々。
ですがこれは客観的に物事を捉え直すと納得がいくもの。
理由は、どんなに優れていても、そもそも人間という生き物は動物なんです。
生存本能の観点から考えると、人はみな「他人より優れていなければ」いけないもの。
単なる「負けず嫌い」の習性を持つ生き物なんです。
生存本能がそうさせるのですから、「他人より優れていなければ」という本能が目覚めます。
そうすると、「勝たなければならない」というスイッチが入るので、自分の意見を押して対立するのも当然といえば当然。
つまり、私の考え方が「自分が正しい」という無意識の訴えであったため、部下も「勝たなければならない」というスイッチが入り、対立姿勢をとっていたのです。
上司の努力と部下の反応
多くの上司は話し合いで解決できると信じています。
ですが、「勝たなければならない」というスイッチが入っている相手との対話は無意味。
相手自身が私情と私欲で物事を捉えているため、相手の主張は拒絶し、自身の主張が通ることに全力になるです。
例えて言うなら、私は話し合いのつもりで時間を設けていたとしても、部下にとっては「戦場に足を踏み入れ、勝って持ち場に戻る。」ことが使命になる。
そう考えると、「聞く耳はない」事実がわかりますよね。
産業カウンセリングにお越しの方々のほぼ全員が、このように過剰反応気味。
そして、目に見えない得体のしれない何かと「只今、戦闘中」なのです。
関係の見直しと話し合いの重要性
結局のところ、私は自分が一番正しいと思っていました。
部下は、自分を否定されることが嫌いだった。
そして、お互いが自分の言動や主張を全力で「認めさせよう」とする負けず嫌いでした。
この特徴を理解した上で話し合っていれば、もっと違う結果が出たと気づきますよね?
そんなこともあり、折りに触れて産業カウンセリングの際に伝えているほどです。
まとめ
職場での人間関係が悪化すると、修復が非常に難しくなります。
早期発見と、率直なコミュニケーションが大切。
ですが、どんなに努力しても、相手が「勝たなければならない」というスイッチが入っている時の対話は無意味。
相手が真剣に取り組む姿勢を見せていると関係は改善は可能です。
職場の関係もまた、努力と理解が必要な人間関係の一部。
もし職場での関係にモヤモヤした感じや寂しさなどを感じたら、
「相手と自分はちがうだけ」
という違いを認めることから始めてみましょう。
正解か不正解かで考えるクセ:ショート動画
https://youtu.be/uLtccwKFSok