ハーバード大学の学生が選ぶ本に見る、未来のビジネス志向
チホズスタジオ
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
福岡市でオンラインや訪問を中心としています。
事業内容は産業カウンセリング及びコンサルティングサービスです。
チホズ文字分析による、人材分析及び提案も行っています。
日本では、2021年2月に「孤独・孤立対策担当大臣」が任命され、孤独や孤立に対する対策を強化するための担当室も設置。
こうした動きは、孤独・孤立問題に対する政府の深刻な危機意識を示しています。
実際のところ、日本は諸外国と比べて孤立している人が多いというデータもあります。
孤立者が多い日本の現状
日本では、60歳以上の高齢者を対象とした内閣府の2015年の国際比較調査によると、「同居している家族以外に頼れる人がいない」と答えた人の割合が他国と比べて高かった。
この状態で現在に至るのであるならば、住宅個数は変わらなくても、世帯人数は益々減少しており、一人暮らしの高齢者が増加している事になります。
そのことから、社会的に孤立している人が多いことは課題となります。
また、若者の状況も深刻です。
少し古いデータを再度引っ張り出します。
内閣府の2018年の調査では、7カ国の13~29歳の若者に「悩みや心配ごとがある場合、誰に相談したいか」を尋ねたところ、「誰にも相談しない」と答えた日本の若者の割合が最も高かった。
このように、日本は他国に比べて孤独・孤立問題が深刻であると言えます。
その反映として、日本の自殺率も国際的に高く、2015年のデータでは183カ国中18位に位置しています。
同調査の対象国で、日本より自殺率が高いのは韓国だけでした。
そのことを課題視したことから、日本では「孤独・孤立対策強化」が始まっています。
なぜ日本では孤立する人が多いのか?
産業カウンセリングを実施していると、「迷惑をかけて申し訳ない」という考え方がとても多い。
「他者に迷惑をかける行為」がタブーとされていることにも疑問を持っています。
この考え方は、日本人独特のもので、外国人の会話の中ではあまり聞くことが有りません。
断定はできませんから、それは避けます。
ですが、「自らの問題を他人に頼らず解決する」ことを美徳とした文化が影響しているように思えてなりません。
そうなると、他者に手間をかけることを避けることは当たり前になります。
このような価値観が根底にあれば、困っている人の救いを求める声を「だらしない」という気持ちや「迷惑」だと捉えやすくもなる。
そういった考えが孤立を助長してしまうことにも繋がり偏見も生まれます。
ですが。そうは言っても、頼られすぎることで依存することも意味合いが変わってきます。
そんなところから、さじ加減というものが大事だよなぁと感じることも。
人に頼ることの難しさ
産業カウンセリングを行っていると、他者に頼ること自体が難しいと感じている方も合わせて多い。
このことからも「他者への迷惑を避ける文化」が影響しているのではないでしょうか。
ニュースで取り上げられる内容の中には生活保護制度のような困窮者に最低限の生活を保障する制度のこともあります。
全部が全部とは言えません。
ですが、日本ではこれを利用することに抵抗感を抱く人も少なくありません。
このことからも、一概にどうとは言えないまでも、「他者に迷惑をかける行為」がタブーというような周囲の関係性を重んじることから、孤立・孤独の助長しているのかもしれません。
他人への迷惑回避が生み出す孤独・孤立
日本型自由主義は、他者への迷惑を回避しようとする意識が強く、これが規律や秩序を生む一方で、孤独・孤立を生み出す原因となっています。
特に、コロナ禍では、他者との接触を避けることが感染対策として推奨され、これがさらに孤独や孤立に拍車をかけ、未だに見えないなにかに怯えて過ごす方のご相談が途絶えていません。
社会の仕組みが。声を上げることを困難にし、結果として孤独や孤立を深刻化させているのであるならば、「助けて」といえる関係作りや意識改革の対策を講じることは必要なのではないでしょうか。
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