自律と協働が生む成長:人材育成の成功法則
カウンセリングをしていて
その場の雰囲気“空気を読むのが得意”な方が増えた気がします。
それは、顔色をうかがう事とは少し異なり、
相手を不快な思いにさせない為の生きる術の一つのようです。
また、顔や態度に出なく、表面上の切り替えが早いのも1つの特徴化も知れません。
しかし、この空気を読むという行動に出ることに慣れている方々は、
反対に「言わなくても気が付いてよね。分かってよね」という気持ちが強いのも普通です。
そういった集団の中で育って来ると、社会に出た時には、言わなくても分かってという事は全く通用しないので、混乱する傾向がみられます。
それと同時に、自分の気持ちを言葉に出して伝える事も不得手な方が増殖しています。
ネット社会で面と向かって話す機会が減りつつある時代背景を考えれば、それは当然と言えば当然なのだけれど、大人は気が付かないし、教えたつもりになっている。
これからの新入社員は、もっと強烈に、空気を読んで世渡りしてきた子たちなので、職員研修には今まで実施していた詰め込み型の机上研修は、もはや全く無意味になってしまっているのが実情です。
ちょうど1990年前の世代は、白黒はっきりとしていたい傾向が強かった年代なので、1990年以降の世代とコミュニケーションの分厚い壁ができてしまい、ますます新人は委縮してしまう。
また、社員研修を実施する企業の対策に様々な教育を取り入れるようになってはいるが、反対に業績不振によって研修を実施できない企業においては、少なからず心を病んでしまうか、早く見限り転職をする可能性が極めて高くなりがちです。
独立前の8年ほど前に、トレーナーズトレーナーをしていたコールセンターでは、実施していた教育は、まさに1週間詰め込み型。
現場に配属され1か月目で大体、モチベーションが下がり、電話の受け答えはおろか、発信もできなくなる。
定着率も、3か月19%と格段に悪く、半年後にはいなくなってしまうものだった。できるだけ、職場の雰囲気を変えられるように、リラックスできる環境を地道に整え、アフター教育として研修が終わった後のスタッフに接することや話を聴く機会をもうけたり、先手を打つように研修スケジュールを入れていた時期は、半年間の定着を47%にまで上げる事が出来たけど、私が独立した後はどうなったのやら。
なんだかんだと言って、組織や管理職が変わるとやり方も変わるので、スタッフが納得できない方針は、すぐさま不安や不満に変わり、必ずと言っていいほど従業員の定着に顕著に表れる。そして、また採用と育成に手を要し、業績に響いてしまう負の連鎖に陥るもんです。
人の流れが変わるのは、政治の取り組みや時代背景でビジネススタイルが変わるから、すごく当たり前のこと。
決して、今どきの世代が悪いわけでなく、そういった世界に変えた大人の責任でしかないので、企業が尻拭いしなければならなくなるのも、想定できるのだけど、まだまだ時代変化の波に追いついていない人事や採用担当は、今まで通りの研修に対応できそうな人材を探し出すことに力を入れがちです。
そんな昔の事から現実に目を向けて欲しいものだと思いつつ。
来年卒業予定者を採用し教育計画している企業は、四半期ごとに1回の研修を実施し、欲を言うなら、愚痴や不満を言える場を設け、そこに親子に近いくらいの年齢が離れた外部カウンセリング専門の方と手を組むことを心からお勧めする。