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コラム

校則と就業規則 似ている部分ありだけど

2022年12月22日

テーマ:コラム

コラムカテゴリ:ビジネス

おはようございます。福井の社会保険労務士 北出慎吾です。今年も残すところあと10日間ですね。福井は雪が降り、今シーズン最初の除雪で腕と腰に筋肉痛を感じています。新潟県では国道が立ち往生したり、災害申請をしたりと大事になっていました。自然の力にはどうすることもできませんが、冬用タイヤだけはしっかりと準備しておきたいものです(今年は11月下旬に替えました)。さて、今年最後のコラムです。
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年末にかけて、就業規則の見直しのご依頼を頂いています。就業規則の見直しは定期的に行うことで時代に応じた内容にバージョンアップが出来ます。見直しをしている中で先日、興味が高いニュースが飛び込んできました。「男女交際禁止の校則」に違反したとして自主退学を強要?企業に就業規則があるように学校にも校則があり、一定の秩序が保たれています。文部科学省は、校則について「児童生徒が健全な学校生活を営み、より良く成長・発達していくため、各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まり」と定めています。学校によっては独自の校則があるところも多いですが、東京・堀越高校では、男女交際を禁じる校則に違反したとして自主退学勧告を受け退学した元生徒の女性が学校側を訴えた裁判の判決がありました。学校側は、この校則について、生徒を学業などに専念させるものとして合理的で、有効だと主張しました。東京地裁は、男女交際禁止の校則について「生徒を規律するものとして有効」としたものの、「教育的指導などをすることなく、自主退学の勧告を行ったことは、社会通念上、著しく妥当を欠いている」と指摘し学園側に約97万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。規律を守るために恋愛禁止の校則は有効としながらも、教育的指導をせずに自主退学勧告を行ったことは社会通念上妥当ではない。としていることから、会社の就業規則も参考になる部分があります。
就業規則も校則の一文(ルール)も何らかの目的があり定められていることが多いですが、部分だけを捉えて、目的を理解しないことからトラブルとなることも多くあります。また権利の濫用もよくありません。なぜそのルールが作られたのかを理解し、教育・指導をして改善を促すことは必要です。一般的にも態度が悪いというだけで解雇することは認められていません。教育することで改善を求めることが第一歩です。
就業規則の目的条文には「企業秩序の維持と従業員の労働条件、福祉の向上」と記載されているものも多くあります。もちろん時代に沿わない内容があれば見直しをかけることも必要。お互いにいい会社をつくっていくために就業規則をバージョンアップする。1年に最低1回はぜひ見直しをお勧めします。今年も1年ご愛顧いただき、誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社


【編集後記】
積雪・凍結路面の走行で滑り止めの措置を取らない運転は「法令違反」と言われるようです。ノーマルタイヤの雪道運転。絶対にしないようにしましょう。

この記事を書いたプロ

北出慎吾

社会保険労務士として企業の成長に寄り添う人事労務のプロ

北出慎吾(北出経営労務事務所)

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