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働きやすい職場10選から考える 続き

2021年4月23日

テーマ:コラム

コラムカテゴリ:ビジネス

おはようございます。
福井の社会保険労務士 北出慎吾です。

全国的に新型コロナが広がり始め、今年のGWも緊急事態宣言が発令されましたね。
インフルエンザと同様、ウイルスがなくなることはありませんので過剰になる必要はないですが、
コロナとうまく?付き合っていきたいものです。
今年のGWは、家族でBBQづくしですねww


人事評価


ここ数回「働きやすい職場10選」についてご紹介しています。
働きやすい項目に「有給休暇の取りやすさ」があります。
有給休暇の5日の義務化については、ある程度世の中に浸透してきましたが、
別のご質問も増えてきました。

それが「有給休暇の日程をずらすことが出来るのか」です。いわゆる時季変更権についてですが、
有給休暇は労働者の権利として認められています。
一方で、労働基準法上
「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、
他の時季にこれを与えることができる」とも定められています。

会社側とすると、有給休暇そのものを拒否することは
なかなかできませんが、「事業の運営のために休暇を取るタイミングをずらしてほしい、取得日を変更してほしい」と要望することは可能です。

では、事業の正常な運営を妨げるとはどういった場合でしょうか。
一般的には、
・事業所の規模
・業務内容
・当該労働者の担当する職務内容、性質
・職務の繁閑
・代替要員確保の配置の難易
・同時季に年次有給休暇を指定した員数
・これまでの労働慣行

(「労働関係訴訟の実務」白石哲編著)などが要素となり、判断されます。

10名ほどの会社でその部署に5名しかいない場合、
3名ほど同じ日に有給休暇の申請が上がってきたら、
それは業務が回らないというのも一理あります。
いわゆる規模や代替確保要員の難易に該当します。
こういった場合、3名に話し合いをさせ、自主的に調整するように指示をする方法もあります。

有給休暇の時季変更権に関しての判例はいくつかありますが、以下は会社が勝訴したものです。

【日本電信電話上告事件 最高裁 平成12.3.31】
集合訓練期間中3日間のうち1日について労働者が年次有給休暇を請求。
会社が時季変更権を行使しましたが、労働者は決行しその日出勤せず。
高裁では労働者勝訴でしたが、最高裁では、年次有給休暇は「事業の正常な運営を妨げる」と判断し、懲戒処分の適否を高裁に差し戻し、会社側が勝訴しました。

判決理由は、「使用者が当該請求に係る年休の期間における具体的な訓練の内容が、
これを欠席しても予定された知識、技能の習得に不足を生じさせないものであると認められない限り、年次有給休暇取得が事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することができる。」としたのです。

一方、労働者が指定した日に年休が取れるよう配慮することなく
行使された時季変更権は無効だとした判例もあります。
年次有給休暇は労働者の権利ではありますが、
会社の運営に影響が出る場合には時季変更権があります。

最終的には話し合いとなりますが、お互いが気持ちよく働ける職場を作っていきましょう。


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福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社

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【編集後記】
久しぶりに福井の感染者が1日あたり過去最高を記録しました。
38名。感染経路は追えているようです。。。

この記事を書いたプロ

北出慎吾

社会保険労務士として企業の成長に寄り添う人事労務のプロ

北出慎吾(北出経営労務事務所)

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