英検1級道場-「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす(宮本武蔵 五輪書)」―英語学習にも近道はありません

山中昇

山中昇

テーマ:道場のレッスンはこんな感じです


剣豪・宮本武蔵の『五輪書』に、私が好きな言葉があります。

「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」

千日の稽古を「鍛」とし、万日の稽古を「錬」とする。

1000日は約3年。
10000日は約30年です。

私たちが普段何気なく使っている「鍛錬」という二文字には、それほど長い時間をかけて一つのことを鍛え、練り上げていくという意味が込められているのです。

私はこの言葉を見るたびに、英語の勉強もまったく同じだと思います。
コツコツと、当たり前のことを当たり前にやる

私はこのコラムでも、これまで何度も同じことを書いてきました。
コツコツと、当たり前のことを当たり前にやる。

結局、これに勝る勉強法はないと思っています。

英単語を覚える。
英文を読む。
英語を聞く。
英作文を書く。
声に出して話す。

どれも特別なことではありません。
ところが、この「当たり前のこと」を毎日、何年にもわたって続けることは簡単ではありません。

数日なら誰でもできます。
数週間でもできるでしょう。

しかし、半年、1年、3年、5年、10年と続けるとなると話は違います。
そこで差がつきます。

「正しい方向・正しい方法・一定の物量」

ただし、私は「長時間勉強すればよい」と言っているのではありません。
努力には条件があります。

私が大切だと考えているのは、この三つです。
正しい方向 正しい方法 一定の物量

方向が間違っていれば、いくら努力しても目的地には着きません。
方向が正しくても、方法が悪ければ時間がかかりすぎます。

方向も方法も正しくても、練習量が足りなければ力はつきません。
この三つが揃って、初めて物事は成就します。
英語も同じです。

英検にも「魔法の勉強法」はない

英検を指導していると、このような質問を受けることがあります。
「どうすれば単語を早く覚えられますか」
「リスニングが短期間でできるようになる方法はありますか」
「英作文で点を取るコツを教えてください」

もちろん、効率のよい勉強法はあります。
英検という試験の特徴を知り、それに合った対策をすることも必要です。

しかし、方法を知っただけでは英語はできるようになりません。

単語なら、何度も出会う。
読解なら、何本も読む。
リスニングなら、毎日聞く。
英作文なら、実際に何本も書いて添削を受け、また書く。
二次試験なら、何度も声に出して答える。

結局、この繰り返しです。
華やかではありません。

面白くない日もあります。
昨日より今日のほうが英語力が上がった、と実感できることもほとんどありません。

それでも続ける。
私は、それが「鍛錬」なのだと思います。

1000日続けて初めて「鍛」

宮本武蔵は「千日の稽古を鍛」と言いました。
1000日というと、約3年です。

これは英語学習を考えるうえでも、とても示唆的な数字だと思います。
私たちは、数か月勉強して結果が出ないと、

「自分には英語の才能がない」
「この勉強法は効果がない」

と思ってしまいがちです。

しかし、武蔵の言葉に従えば、1000日続けて、ようやく「鍛」です。
さらに10000日の「錬」がある。

何事かを本当に身につけるとは、それほど時間のかかることなのかもしれません。

never give up


昨日の自分より、今日の自分

『五輪書』には、この「千日の稽古」の直前に、もう一つ印象的な教えがあります。

「今日は昨日の我に勝ち」

私は、この考え方も好きです。
他人と比べる必要はありません。

昨日知らなかった単語を、今日は一つ知っている。
昨日聞き取れなかった英文が、今日は少し聞こえた。

以前は書けなかった英作文が、今日は書けるようになった。
それでいいのです。

その小さな積み重ねが100日になり、1000日になる。
そして、あるとき振り返ると、自分でも驚くほど遠くまで来ていることに気づきます。

runner 大股で走る

英検1級道場が大切にしていること

英検1級道場では、当然、英検合格を目指します。
試験の傾向を分析し、単語、読解、リスニング、要約、英作文、二次試験について、できるだけ効果的な方法を伝えます。

しかし、私は「これをやれば簡単に合格できます」という魔法のような方法を教えることはできません。
そんなものはないからです。

私ができるのは、
進むべき方向を示すこと。
正しい方法を一緒に考えること。
そして、合格に必要な物量をこなすのを支えること。


あとは、受講生本人が一歩ずつ歩いていくしかありません。

肩車して壁を乗り越える

「鍛錬」は英語だけの話ではない

これは英語に限ったことではないと思います。
仕事でも、スポーツでも、音楽でも、芸術でも同じです。

一つのことを身につけようと思ったら、正しい方向に向かって、正しい方法で、必要な量を積み重ねる。
そして、簡単に結果が出なくても続ける。

千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。

400年近く前に宮本武蔵が残した言葉ですが、現代の私たちにも十分通じる言葉だと思います。
英語学習でも、大切なのは特別なことではありません。

正しい方向で、正しい方法を使い、一定の物量をこなす。 そして、コツコツと、当たり前のことを当たり前に続ける。

私自身も英語を学び続ける一人として、この「鍛錬」をこれからも続けていきたいと思います。

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算90回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

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