英検1級道場-レッスンをお断りしました-TOEICで点数を上げるだけの勉強は意味がありません

9月24日(木)、レッスンの合間を縫って映画を観てきました。
封切りされたばかりの The Odyssey(邦題:オデュッセイア) です。
なぜ、忙しいレッスンの合間に時間をつくって、この映画を観に行ったのか。
単に映画が好きだから、というだけではありません。
私が長年、英語、特に英検1級を勉強し、また多くの受講生を指導してきた経験から、英語を深く理解するためには、その背景にある西洋文明を知る必要があると考えているからです。
英語の背景には「西洋文明」がある
西洋文明を理解するうえで、避けて通れないものがいくつかあります。
その代表が、下記の3つです。
・古代ギリシャ
・古代ローマ
・キリスト教
そして、それらを理解するためには、ギリシャ神話、ローマ神話、聖書の世界について、ある程度の知識を持っておく必要があります。
『オデュッセイア』は、古代ギリシャの詩人ホメロスに帰せられる叙事詩です。世界史の教科書にもそう書いてあります。
トロイア戦争を終えた英雄オデュッセウスが、故郷へ帰るまでに長い年月をかけ、さまざまな困難に遭遇する物語です。
約3000年前に成立したとされる物語ですが、その影響は現代まで続いています。
英語を勉強していると、古代ギリシャ・ローマや聖書に由来する人物、物語、考え方、表現に何度も出会います。
そのとき、背景知識がまったくなければ、英文に書いてある単語の意味は分かっても、筆者が本当に言いたいことまでは理解できない場合があります。
逆に、背景を知っていれば、「ああ、これはあの話につながっているのか」と理解できます。
英語が単なる単語と文法の集合ではなく、一つの文化として見えてくるのです。
英検1級でも「英語以外の知識」が問われる
これは英検1級の勉強でも同じです。
英検1級の長文読解やリスニングでは、実に幅広いテーマが扱われます。
歴史、政治、経済、科学、医学、環境、教育、芸術、文化――。
英語の試験だからといって、英単語と英文法だけを勉強していれば十分という試験ではありません。
私は長年、英検1級の過去問を繰り返し解き、受講生にも指導してきましたが、歴史や文化、宗教、思想などについて知識を持っていることが、読解やリスニングの大きな助けになることを何度も経験しています。
知らないテーマの英文を読む場合、私たちは英文を一語一語追いかけなければなりません。
ところが、そのテーマについて基本的な知識があれば、「おそらく、こういう話だろう」という見通しを持ちながら読むことができます。
これは読解力にもリスニング力にも大きな差を生みます。
英検合格のためだけの勉強にはしたくない
私は「英検1級道場」という名前でレッスンをしています。
名前だけを見ると、英検1級に合格するための「手練手管」を教えている場所のように思われるかもしれません。
しかし、私が目指しているのは、それだけではありません。
もちろん、受講生が英検1級や準1級に合格できるように、単語、読解、リスニング、要約、英作文、二次試験まで徹底して指導します。
試験を受ける以上、合格することは重要です。
しかし、合格はゴールではありません
英検の勉強をきっかけにして、歴史を知る。
科学を知る。
世界の政治や経済を知る。
宗教や文化を知る。
そして、それまで知らなかった世界に関心を広げていく。
その過程で英語力も伸びていく。
私は、それこそが本当の英語学習だと思っています。
英語を学ぶことは、世界を学ぶこと
英検1級の勉強をしていると、時には、「こんなことまで知らなければならないのか」と思うようなテーマに出会います。
しかし、私はむしろ、そこに英検1級を勉強する面白さがあると思っています。
知らなかった単語を一つ覚える。
知らなかった歴史上の出来事を一つ知る。
初めて聞いた科学技術について調べる。
そして今日の私のように、約3000年前の物語を題材にした映画を観に行く。
一見すると別々のことのようですが、すべてつながっています。
英語を学ぶことは、英語という言語だけを学ぶことではありません。英語を通して、世界を学ぶことです。
英検1級道場では、これからも「試験に出るから覚える」というだけの勉強ではなく、受講生が英語を通して知識と視野を広げ、その結果として英検にも合格できるようなレッスンを続けていきたいと思っています。
今日観た The Odyssey も、私にとっては映画鑑賞であると同時に、そんな英語学習の一環でした。


