英検1級道場-世界が大きく変わります! 2025 National Security Strategy(NSS)の要点-アメリカの戦略が明確です

山中昇

山中昇

テーマ:その他、番外

新年早々、アメリカがベネズエラに武力侵攻し、現職大統領を拉致してアメリカに連行し、麻薬密売の罪で裁判にかける荒っぽい手段に出ました

これを知ったとき、とっさに思い出したのが、昨年12月初旬ににアメリカ政府が公表した「2025 National Security Strategy(NSS)」です

chatGPTに詳細な指示を出し、要点を解説してもらったものを皆さんとシェアします
指示した要点は次の通り
・戦略の要点
・これまでとの比較
・日本への影響を含む
・政府文書そのものと各種分析を基に整理する
・約2ページ

米国 2025 National Security


[太字]1.概要:基本的性格と位置付け


「国家安全保障戦略(National Security Strategy)」は、米国大統領が議会に提出する基本的な外交・安全保障政策文書であり、米国政府の「外交・防衛・経済安全保障の長期的な方向性」を示します。
2025年版は2025年12月4日にホワイトハウスから公表されました。

この版は、過去30年以上の米国NSSと比較して「戦略観・世界観・政策の優先順位」が著しく変わった点が特徴です。特に「多国間主義・国際協調」の重視から、「国家利益の優先」「アメリカ・ファースト的な地政学」への転換が明確になっています。

2.2025 NSSの主要な基本原則(Principles)

文書は冒頭で外交・安全保障の原則を定義していますが、以下が重要です。

(1)自国中心の安全保障観
アメリカの国益を最優先する」観点から、「国際秩序への関与は『米国の利益に直接結びつく場合のみ』とする姿勢」が明示されています。これまでの「世界の自由と民主主義を守る」ような普遍的理念よりも、利益重視の現実主義(=リアリズム)です。

(2)国境と主権の強調
国際機関や多国間協調に依存する外交よりも、「各国の主権と境界を重視」し、米国が関与する際には条件(利益・協力関係)を明確化する方針です。

(3)軍事的・経済的優勢の追求
米軍力、技術力、経済的競争力を一体化し、「米国中心の国際競争に勝つこと」が主眼です。特に「ミサイル防衛の強化、先端技術・サプライチェーンの安全保障」が重視されます。


3.政策優先順位と内容の変化(前回比)
2025 NSSの主要ポイントを、以前の戦略(特に2022年版バイデン政権NSS)と比較して示します。

比較項目/特徴
2022年NSS(旧)→2025年NSS(新)

■世界観
大国間競争+共通課題重視(気候・パンデミック)米国利益最優先 → 国際機関への依存を否定

■同盟関係
NATOなど伝統的同盟の重要性強調 → 同盟は評価と条件付き協力中心に再定義

■中国・ロシア
競争・抑止と国際協調で対処 → 戦略競争は維持、だが「利益のある関与」に重点

■国際課題(気候等)
多国間協力で対応 → 重要とは認識するが、優先度は低く

■経済安全保障
自由貿易・グローバル協調重視 → 自給自足的供給網・保護主義傾向強化

■軍事
グローバルな統合抑止 → 米軍近代化、単独・条件付き介入重視

特に注目される変更点は以下です。

(1)国際協調から「選択的関与」へ

旧戦略は気候変動等も「国際協調で解決すべき共通課題」と位置付けていましたが、2025年版はこれらを国益に直結する場合のみ関与する方針に変更しています。例えば、気候変動政策は言及されても、グローバルなリーダーシップ構築は後退した格好です。

(2)同盟の再定義

伝統的な同盟関係は依然重要ですが、単なる友情ではなく、条件付きで役割・負担の再分担を求める姿勢です。この点が特にヨーロッパ諸国との関係で摩擦を生んでいます。

(3)経済・技術安全保障の重点化

米国内のサプライチェーン強靭化、先端技術(半導体・AI等)の競争力維持が戦略柱となりました。これに関連して、国際的な「信頼できる供給網」形成が外交戦略にも組み込まれています。


4.地域別優先と戦略的立場

NSSでは各地域への政策方向も示されています。

(アジア太平洋)

中国との競争は継続するが、協調可能な分野では協力も視野に入れる柔軟性が強調。

(ヨーロッパ)

NATO加盟国への自主防衛能力の強化要求や、防衛費負担の増加を促す方向。

(中東・西半球)

エネルギー・資源確保の観点から選別的協力。権威主義政権との関係容認も示唆されています。

(アフリカ)

安全保障上の重視度は低く、地域戦略は限定的。


5.日本への影響

日本にとって重要な点を整理すると以下のようになります。

(1)同盟関係の条件付けと防衛負担
米国は同盟国に対して防衛能力の自立と負担分担の強化を求めています。これは日米安全保障体制の深化にはプラスだが、米側の期待(防衛力増強・自立防衛の役割拡大)に応える必要があります。

(2)先端技術・経済安全保障分野での連携強化
サプライチェーンの強靭化や先端技術(半導体、AI等)の競争力確保は、日本との協力余地が大きい分野です。日本企業・政策面での協調が戦略的価値を持ちます。

(3)多国間主義への米国姿勢の変化
米国が多国間協調を限定的に位置付けることで、国連等を中心とした枠組みに依存した安全保障政策は後退する可能性があります。日本は米国との二国間協調と、別途多国間協力の両輪を意識する必要が出ています。

(4)地域戦略の重点に応じた政策調整
中国リスクや北朝鮮の核・ミサイル問題などで、日米安全保障協力は依然重要ですが、NSSの利益優先視点は、日本が米国から期待される役割の明確化と負担増を示す可能性があります。

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6.結語:戦略的意義と展望

2025年版NSSは、従来の理念重視型から「利益・競争重視」へと大転換した戦略文書です。内容は米国中心のリアリズム色が強く、同盟国にも条件付き協力が求められています。このため、日本としては自立的な安全保障力の構築と、先進技術分野での協働強化が求められる一方、多国間協調の役割維持も引き続き意識する必要があります。

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算90回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

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