英検1級道場-一文がやたら長い英文解釈はこうします―ニューヨークタイムズ記事の実例②
先日、アメリカ人の知人からこんな話がありました。
「焼き肉屋の牛角に行ったら、ヘンな日本語があったので気になった。
”今日は牛肉が食べたい”
牛肉が何を食べるのでしょうか。もっと言うならば、あとに目的語がくるのではないか。これは ”牛肉を食べたい” というのが正解ではないか。牛角は日本語をしらないのではないか。」
私はこう答えました
「だって、そう言うんだから仕方ないよ。日本語ではそう言うんだから。日本人は、特別に何か食べたいものがあるときは、今日は牛肉が食べたい、今日はハンバーグが食べたい、今日はカレーが食べたい、と言うんだよ。文法的にはおかしいかもしれないけど、日本語ではそういうんだ。これ以上聞かないで」
そうするとアメリカ人は言いました。
「よくわかりました。実は私も同じ悩みがあるのです。日本人の生徒が、この英語は文法的におかしいのではないか。と言ってきます。そういう時は、返答に困るときがあります。そういう風に言うんだから、仕方がない、と答えてますが。。。」
このエピソードは、英語は言語であり、数学ではないので、公式通りにはいかない。実際に使われている表現で、勉強すべきであることを示しています。そんなこともあり、私は受講生から文法書で勉強したいので、何かお薦めのものはないかと聞かれたときに、こう答えます。
私
「文法書では勉強しないでください」
生徒
「えっではどう勉強するんですか?」
私
「短い用例集、フレーズ集で覚えてください。もし疑問があれば、文法書をひも解くのもいいでしょう。でも決して文法書で英語を勉強するというスタンスはとらないようにしましょう。皆さんは、幼稚園、小学校低学年の頃、文法書片手に日本語を覚えましたか?そんな人は1人もいないはずです。でも段々と完璧な日本語を習得してくるものです。」