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英検1級道場-ジャパンタイムズ記事に対する意見 その⑤

2016年7月23日 公開 / 2021年3月3日更新

テーマ:その他、番外

コラムカテゴリ:スクール・習い事

コラムキーワード: 英検 対策



元受講生から意見が届きました
読みやすいように、長くても3行で開業しています

「英検の勉強は日本人学習者に役に立っている」という例から述べます。

●まず、私は児童英語講師として小学生に英語を教えています。
英検塾ではなく、オリジナル教材で4技能をバランスよく楽しく身につけさせることを目的とした教室なのですが、目に見える形で到達度を測り明確に次なる目標を示すため、6年生までに最低でも英検5級を取得できるよう指導しています。

英検5級は、文字も読めなかった年少者にとっては、最初の高いハードルなのです。合格すれば喜びを得て自信がつき、やる気につながります。

中には、興味を持って自らどんどん進み、小学校卒業までに準2級を取得する生徒もいますし、それを土台にして中学生で2級を取る子もいます。

英検は学習者のやる気を促進し努力しがいのある到達度試験です。
さまざまな年齢の受験者がどのレベルからも自由に受けられるというのも国民に愛され支持され続けている理由の一つだと思います。

●私は会話が苦手な日本人英語学習者の代表みたいなものです。

海外経験はありません。性格もシャイな、「いかにも日本人らしい」日本人です。

一般的に日本人は読み書きはできるが、話せない、とよく言われます。
その理由は、いろいろありますが、日本語は英語の語族と全く違う独特な言語であることと、日本の学校英語教育に英会話力向上のためのカリキュラムを組むには限界があることにあると私は思います。

まず、日本語は英語とは構造から文法から発音から何から何まで違います。
無主語だったり、述語が最後に来るため、同時通訳者泣かせです。

言語構造の違いが顕著だという障壁の上、英語を話す機会が日常的にそうあるわけではありませんし、英語を話せなくても生活できるので、必要に迫られない限り学習意欲を継続するのが難しくなります。

それでも、日本語と似たような言語構造をもつとされている韓国では、英語を流暢に話せる人が多いです。
これは、韓国の英語教育改革が功を奏したためと思われます。

しかしその分、受験競争に拍車がかかり、親も学生たちは必死で、相当なプレッシャーがかかっていると思われます。
日本にも同じように会話力重視の教育を取り入れたら変わるでしょうが、学生も教師も親も悩み苦しむだろうと予測できます。そんな受験地獄にしてまでも会話力重視政策を取り入れたいでしょうか?

私は、読み書きを尊重している今の学校教育に不満はありません。
英語教育界も問題点を改善しようと、聴く話す能力を伸ばすための授業を限られたカリキュラムの中に取り入れる努力をしてきていると思います。

話せるようになりたい人は、独自で学ぶとよいと思います。全員が全員とも強制的に英語を聴き取り話せるようにさせる必要はないと思います。

臨界期を過ぎた学習者にとっては、第2言語を習得するのは困難がつきまといます。
そこで、読み書きで鍛えたものを土台にして、会話力向上のためのトレーニングをするのが英語を運用できるようになるための自然な道筋だと思います。

必要に迫られない限り、誰も習得しようとは思わないです。
習得したい人だけ個別に努力すればよいと私は思います。

一番良いのは、国内での勉強だけで苦労して英会話力を身に付けた人が教師となって、悩める学習者を導いてあげることだと思います。
そういう人こそ何が障壁で、それをどう乗り越えたら話せるようになるのか、その道筋が経験としてわかるからです。

そういう人が、まず、学校の先生方を助けたらよいと思います。学校の先生たちは業務が多すぎて自分の時間も少なくストレスや負担も大きくて大変なので、あまり先生方にこれ以上の負担を課すのは残酷かもしれません。

英語の先生方は、話せない劣等感を抱えつつ英検も生徒の前で失敗できない恐れを抱えつつそれを表出できないジレンマがあり、悩みが大きいと思います。
私が学校の先生だったらきっとそうした恐れとともに日々の多すぎる業務といろいろなストレスで参っていたかもしれません。

さて、前置きはこれくらいにして、私が今受けているオンライン英会話で感じた、英検のメリットについて具体的に述べたいと思います。

●通訳案内士試験に合格し、今年発足した〇〇県協会に登録したところから私は英会話習得の必要性を強く感じるようになりました。
(7月に配られた名簿を見たら、地元の登録者は今のところ私を入れて2名しかいなかったのです!)
近い将来?外国人観光客にわかりやすくガイドし、よりよいコミュニケーションを図る必要性と可能性が出てきたのです。

日本語でも大変なのに、それを英語でやるなんて!少し前までは、もう資格とったらそれで終わり、と思っていました。
でも何かが私の中で変わってきたのです。

というわけで、要請がきても「話せません」じゃ困りますので、3つのオンライン英会話で毎日練習することにしました。

●今月から、レアジョブの毎日コースに切り替え毎朝25分間のレッスンを受けています。毎日配信されるデイリーニュース記事をもとに、フィリピンの先生とディスカッションします。

レッスン前に予習するのですが、最初はそれが面倒でしたがその時間がだんだん集中して短い時間内にできるようになってきました。

英検取得のために勉強してきた語彙力、読解訓練が役に立っています。また、意見を言うために英文をまとめなくてはいけないのですが、英作文や面接トレーニングが役に立っています。

実際の会話は、瞬時に相手の言っていることを理解し、適切な応答をしその場で思い浮かんだ自分の意見を瞬時に英語にして述べる必要があります。そこで、英検で訓練した聴解力、語彙力、作文力が役立っています。

何かと英検1級の語彙問題は難しすぎるとの批判がありますが、私はそうは思いません。パス単の中には確かに使用頻度が低いものも含まれるかもしれませんが、会話やニュース記事の中に頻出するものも多数含まれており、私は語彙力をつけておいて助かったな、という経験を何度もしました。

ですので、私の生徒にも口を酸っぱくして語彙力の大切さを説いています。ただ、あまり難しい単語は日常会話では敬遠されるので、話すときには、わかりやすい他の言葉で何と表現したらよいのかも先生から学んでいます。

最近では、フリートークで日本の事情とか日常のことを予期せず聴かれるのですが、答えることができるようになってきました。この間は、自分から英語で冗談さえ言えるようになって、先生と笑いあえたりしてうれしかったです。

ボキャブラリーが豊かなほどコミュニケーションの障害が小さくなります。私は英検でそれを鍛えておいて良かったなと思います。

●EnglishLive では、世界各国からの学習者とグループレッスンを受けるので、その時間はまさにお茶の間留学です。予習不要ですが、その分、何をどう聞かれるかわからないため、出された指示を瞬時にして理解し発言していかなければなりません。

これはスカイプではなく、Adobeの特別機能を使ってのレッスンで、発言は挙手ボタンを押し、指名されたらマイクボタンを押して発言します。

これは日本人学習者にとってはハードルが高いです。
ラテン系や中国系のクラスメートは実に積極的に挙手し発言します。

実はこのスクールには10年くらい前に始めたのですが、何度もその後入退学とブランクを繰り返すほど、このスクールでは私は話せない恐怖と劣等感に打ちひしがれてきたのです。

ですが、英検1級や通訳案内士の勉強を終えて今月から数年ぶりに再々スタートしてみたら、あら?意外によくわかるではありませんか。それに瞬時に何とか答えられるようになっていたのです!

あれほど苦痛だった出席が今度は楽しみになってきているほどです。(相変わらず冷汗は毎回大量にかきますが)ここでも英検の聴解力訓練と語彙力、作文力訓練が役立っています。

レッスン中は、他の国の学習者の訛りの強い英語(しかも不完全な英語)をも聴きとらないとやっていけません。
いきなり「ある設定のもとで二人で自由にストーリー作って会話しろ」みたいなタスクがあるためです。

これがまた聴きとるのが困難なのですが、理解しないと会話がすすんでいかないし、残りの生徒や先生からもやりとりを傾聴されているので、とんちんかんな受け答えもするわけにいかないのです。
毎回冷や汗かきつつ集中して聞くうちに、なんとかわかることが多くなってきました。

英検で特訓した下地がなかったら、とうに逃げ出しています。
定員は多くても6人くらいで、日本人は私だけ、ということが多いです。

先日は、45歳の男性でロシアの物理学を専門職にしている、という人とクラスが一緒でした。(毎回先生やクラスメンバーは変わります。

レベルは中上級のクラスです。
その方は高度な知的職業についていながら英語が不得意なため、話すときに間違っていたら「この人は馬鹿」みたいに思われるのが怖い、と言っていて、大いに共感を覚えました。

しかし、私の知っている単語を彼が知らなかったのに、彼の英語の聴解力は私の数段上で、他のどの国の生徒も、ネイティブの先生の言っている英語や訛りの強い他国の生徒の英語をも瞬時に理解しているようなのです。
つまり、聴解力が優れていて、その上で、話すことを練習しに来ている、という感じなのです。

このような留学タイプのレッスンでは、日本人学習者にとっては、苦痛にもなりえます。
聴解力、タスク内容を理解する瞬時の読解力、瞬時の英文構成力、そして間違いを恐れずに発言する気合い、これらが他国の人より必要となり、何重にも障壁を乗り越えなければなりません。
英検の勉強がそれを容易にしてくれていると信じています。

もうひとつ、EnglishLiveにはプライベートレッスンも月に4回受けられるのですが、日プライベートレッスンに参加した時に、英検とガイド試験の勉強をしておいて良かったなと思ったことがありました。

まずは、トピックが「マナーについて」だったので、他国とは異なる日本独特のマナーはガイドにとって得意分野だったため、そばをすすることから玄関やお風呂のマナーや箸のマナーまでたくさん話したら面白がってくれました。うれしかったです。

次に、別のレッスンでは、「避けたい話題を上手にかわす」というテーマだったのですが、先生がわざと「パーティでは避けたい話題」を振ってきてくれているのに、かわす前に興味深く応じてしまって話が盛り上がってしまったことがありました。

例えば、「先日の選挙では誰に投票した?」、と南アフリカの先生がわざと聴いてきたのですが、偶然に日本ではちょうど参院選が終わったところだったので政治の話や自分の意見を述べてそれで会話が盛り上がってしまいました。

また、「君はところで無神論者かい?」なんてわざと聴いてきてくれて私は「宗教の話はパーティではふさわしくないですよ」とか何とか言って避ける練習だったところを、「日本では仏教は無神論とみなされていますが、云々、、、、」と日本の宗教についてたくさん話したくなってしまいました。

結果、先生は、あなたのようなタイプは珍しい、みたいにおっしゃって、「普通、他の国の生徒は、話す力よりも聴解力が良くできているが、あなたは逆だ。知的な内容もどんな話題でも話すことができるのに、私の簡単な質問にも時々聴き取れずに聴き返すね」と。

確かに、相手の話すことは大方理解できているものの、途中で突然質問されると「え?今何とおっしゃったのですか?」となることが度々ありました。ここに日本人学習者の特徴が表れているのかもしれないと思いました。(いや、もしかしたら私だけでしょうか??!汗)

とにかく、英検やガイド試験の勉強をしてきたからこそ、お陰さまで何とか会話できるようになってきているのだと思います。質の高い会話ができるようになるためにはまだまだですので、これからも精進します!

●もうひとつ週一回アメリカの友人とセッションをしてもらっています。料金も話し合って設定し、英文原稿の添削を主に見てもらっています。

彼女には、英検1級受験の時の英作文でお世話になりました。今もライティングを中心に添削してもらっていますが、その間、何気ない世間話から深刻な話までしてくれます。話が深刻になればなるほど、聴き逃しては会話にならないため集中力が試されます。

これらオンラインの先生方は一切日本語を話せません。ですので、連絡を取るのも全て英語です。

CDのようなわかりやすい音声ではなく、ネイティブのナチュラルスピードと発音に加えて、スカイプの音声も不明瞭なため、聴き取りが困難ですが、会話についていこうと気が抜けません。
ここでも英検やガイド試験で訓練したことが土台となっています。

というわけで、今月から3本立てでオンライ英会話がスタートしました。
英検、ガイド試験で訓練してきたことが、トータルに活かされています。

まず、英文ニュースを読むとか意見をまとめるとか予習が面倒だったのですが、準備の時間もだんだん短時間ででき、毎日コースにしたからにはどんな話題でも苦手がらずにチャレンジしてみようという気持ちになってきています。

グループレッスンでも、怖いけど逃げ出さなくなりました。
私にとっては大きな進歩です。相手の言っていることがわからなかったらわからない、と言ってもいいんだ、と思えるし、相手から理解できないといわれてもひるまずに、別の表現でわかってもらう努力をすればよいのだと、私の繊細すぎるハートもだんだんこの頃図太くなってきたようです。

お客様とのコミュニケーションを楽しみながらガイドできるようになるため、さぼらず英会話練習を継続できたらいいなと思います。それらすべては、英検1級やガイド試験で勉強したことの延長線上にあり、土台となっていることに感謝しています。

いかに英検が日本人学習者に役だっているかについて自分の今の経験から述べてみました。
全然まとまっておらず、長々とすみません!

以上

この記事を書いたプロ

山中昇

自ら英検1級合格を続ける英語指導者

山中昇(英検一級道場)

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英検一級道場

担当山中昇(やまなかのぼる)

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