コールセンターの運営課題 呼量削減の事例と効果について詳しく解説します
何か欲しい時、サービスや製品の使い方が分からない時など、問題を解決するとき、我々ユーザーと企業とをつなぐ方法っていくつかあります。
質問です。
あなたは、幾つ挙げられますか??
あなたは、どんな方法で、企業とつながっていますか??
答えは、
ある統計では、ネットサービスを使う割合が増えているものの、自己解決できなかった42%の人が電話を使いコールセンターに問い合わせしています。
コールセンターに持つ印象は、経験によって人それぞれですが、多くの方の印象って、①まず機械がしゃべって何か選択させられる、②そして待たされる。
こんな感じであっていますか??
多くのコールセンター利用者は、オペレーターと話しをする前から、2回もストレスを感じます。
でも、大人ですから待つと決めたら、おとなしく待っているのではないでしょうか。
しかし、中には電話に出てきたオペレーターにクレームをぶっつけます。
88%のコールセンター利用者は、問題などの要件を聞いてもらえなかったと不満を訴える統計データもあります。
それらの不満をぶつけられ、約9割のオペレーターが辞めてしまいます。
コールセンターのオペレーターが、ストレスをぶっつけられて離職してしまう事って、当たり前でしょうか。
改善できないと諦めなければならないのでしょうか。
今回のコラムは、約9割のオペレーターが離職するコールセンターで、システム屋から見る離職してしまう理由とその改善対策についてまとめます。
コールセンターで離職率が高いことは、改善できないのか?
コールセンターのオペレーターは、辞めるもの。
仕方がない。
とお考えのコールセンター長もいるようです。
それは、オペレーターが「辞めたい」との申し出に対して、
- SVとの面談をしても、強い不安や恐怖心を和らげられずに辞めてしまう。
- クレームに耐えるセミナーを受講させても、コールセンター利用者の要求を聞き出しているわけではないため応対時に受ける『心身の苦痛を訴え』多くのオペレーターが離職していく。
- これらの対策を尽くしても、辞めるのなら新しいオペレーターを採用して、欠員を補充する。
と云う対策です。
オペレーターが離職すると欠員の穴を埋める求人と採用を行う
コールセンターで応対を行うオペレーターの配置要員数は、『サービス品質』または『サービスレベル』と云われるお待たせガイダンスを聞いていただく時間と、今までの運用実績を基に算出する時間ごとの問い合わせ件数から配置オペレーター数を割り出しています。
そのため受付時間になって、欠勤者が出ると『サービス品質』または『サービスレベル』を維持するために予備人員がコールセンターの応対要員として受付業務に入ります。
- 欠勤の場合は、その日だけの配置対応で済みます。
- 離職の場合は、オペレーターが採用されて、教育を完了してデビューするまでの期間に欠員によって穴が空くことになります。
早急に、求人と採用を行い、応対要員=オペレーターを確保する必要が有ります。
デビューまでに約3か月間の教育を実施する
多くのコールセンターでは、求人して即日採用者が出ることは、無いわけではありませんが、極まれの出来事です。
概ね求人を出してから数か月後に採用の応募問い合わせが来ることも珍しくありません。
求人に応募が有れば面接試験後、条件を満たしていれば採用となります。採用後、すぐにオペレーターとしてデビューするわけではなく、企業を代表して応対するために必要なことをトレーナーに教えてもらい、覚えて実践で使えるようになるまで、概ね3か月間毎日教育を受講させるセンターも少なくありません。
教育に掛かる時間が長いので、見込み求人と採用が必要になる
オペレーターとしてデビューするまで概ね3か月間の研修や教育が必要になるため離職者が出てなくても、もし離職者が出ても直ぐに『サービス品質』や『サービスレベル』が悪化させるような欠員が出ないように見込み採用や見込み教育を行うコールセンターは少なくありません。
コールセンターの運営コストの約7割から8割が人件費と云われていますが、その人件費の中身には見込み採用者と見込み教育受講者のコスト(経費)も含まれています。
デビュー前後に大量に辞めていく、予実計画が難しい
オペレーターのデビューを目指して日々勉強に励んでいても、多くのコールセンターではデビュー前後に大量に離職者が出てしまいます。
コールセンターの新人教育を担当しているトレーナーから聞いた話では、毎日の『サービス品質』や『サービスレベル』を確保するためのオペレーターの要員配置を考えるシフト計画より、オペレーターのデビュー前後の離職率とデビュー人数の予実計画の方が難しいと聞いています。
デビュー前後の大量離職で、求人採用予算が有効に使われない無駄を削減したい
オペレーターとしてデビューする前の教育期間にも、お給料はお支払いしている。とトレーナーは云います。
オペレーターとしてデビューしてくれればお支払いするお給料は、正当な対価なので問題ありませんが、デビュー前に離職されると企業としては人材育成の先行投資に対して、何にも回収できない状態でなんとも、もったいない投資です。
コールセンターで離職率が高い理由と統計でみるコールセンターの状況
でも離職するオペレーターにも、正当な理由が有ります。
以下に、離職する理由をまとめます。
【離職する理由】
クレーム対応で心が折れる
コールセンターの応対は、顔も見えない、顧客が見ているものが見えない、声だけを頼りにしてお問い合わせに対応しているため意思疎通が難しくストレスがたまるお仕事です。
毎日、朝から終業時刻までストレスを溜めていくと、心が折れてしまいます。
覚える事が多すぎる
業務マニュアルや応対時の聴き方、伝え方や考え方などのタイミングを間違えなく覚える必要が有ります。
使い方は間違えていなくても、タイミングを間違えると、異なる意味に伝わりトラブルを起こすこともあります。
またその逆もあります。
タイミングを間違えていなくても、使い方を間違えると、異なる意味に伝わりトラブルを起こすこともあります。
正しい使い方を含めると覚える量がとても多くなります。
サポートが必要な時に十分な対応が出来ない
業務マニュアルは、デビュー前の新人教育で覚えられても、実は事例ごとに使い分ける必要が出てきます。
更にトレーナーは、新人教育のとき、使う事例ごとに内容が違うのでベテランに聞いて欲しい。と説明をしているそうです。
応対中では、
- 使い分けるときの区別がつきません。
- どんな組み合わせになるのか、分かりません。
- 例外が有るのか否かも、分かりません。
すべてのパターンを修得するまで隣にいて、一つ一つ解説して質疑応答に対応して欲しいはずです。
現在は、昔とことなりそんなOJTはみられなくなりましたが。
聴く人によってアドバイスや意見が割れる
応対中に顧客から聞かれたり、頂いた質問に回答しようとしたりしたときに、時々複数の答えが候補になり、どっちが適切なのか??と迷う事ありませんか。
迷っている事の答えを確認しようとして、コールセンター内のベテランに確認すると少なからず、考え方や意見が割れる事が少なくありません。
そうなれば、顧客にどちらかだけ回答するわけにもいかず、困った経験が有るのではないでしょうか。
問題解決スキルが身につかない
解決スキルとは、業務マニュアルに記載されている内容だけではありません。
顧客が知りたい事や困っている事を解決する時、聴き方、伝え方、考え方をその時の状況によって組み合わせ問題点を特定します。
次にたどり着いた問題点をどのように是正していくかなどを考え再発防止対策を考え提案します。
一方で問題点に辿りつけずに迷路の中をさまよってしまう事も多々あります。時には、考え込んで無言のまま、顧客を待たせてしまう事もあります。
このように問題解決スキルが高ければ、迷路の中をさまようことなく正確に即答する事が出来ます。
トレーナーによると、このような問題解決スキルは、ほぼ新人教育では修得することが出来ずにオペレーターとしてデビューしているようです。
そうです。
問題解決スキルを日々の応対の中から手探り状態で試行錯誤を繰り返して、身に着けていくと云う姿が今までの傾向のようです。
新人オペレーターが即戦力になれない背景は、この辺にも理由が有るのではないでしょうか。
当然、即戦力になる前に、オペレーターは多くの離職する理由が前途に立ちはだかりますから、ベテランになれる人材は本当に運にも恵まれ、希少価値が高い優秀な人材です。
などが主な離職理由のようです。
このような離職理由に対して、気合で立ち向かえ!!
と応援されても、多くのオペレーターは耐えきれなくなり離職していくようです。
【統計でみるコールセンターの状況】
- 88%のコールセンター利用者は、要件を聞き出してくれなかったと不満を訴えています。
- オペレーターの多くは、要件を聞き出さない一問一答型応対スタイルです。
- 約9割のオペレーターが離職しています。
- 配属された新人オペレーターが1年間で50%以上離職するセンターは、5年間で18.4倍に悪化しています。
- 25%のコールセンター利用者は、オペレーターが知識不足と感じています。
一方で、
OJTで育成されたベテランの応対は、評判が良い。
コスト意識があまり追及されなかった時代は、OJTで新人を育成。しかし、コスト意識が高まり近年はOJTに力を入れられない状況にシフトしているようです。
コールセンターに於ける高い離職率による悪影響
以下に、オペレーターが離職することで起こる悪影響について説明いたします。
【管理コストの増加】
シフト欠勤者の増加
離職者が出てきたら、離職予備軍は約300倍居るとヒヤリハットの法則を発表したハインリッヒは注意を訴えています。
センター長などの管理者は、コールセンター内の不安や不満を解消するようにして、離職の機運の高まりを削減していく事が求められています。
離職の連鎖
離職予備軍は、センター長や管理者の対応を静かに観察しています。
離職者が出たら、欠員補充に向かうのならば、離職する原因への対策を考えていないと云う意思表示と受け溜められて、離職を踏みとどまる理由がなくなってしまいます。
その結果、離職予備軍のSVやオペレーターが、次々と辞めていってしまう負のスパイラルが止められなくなってしまいます。
効果が低い採用と教育コストの増加
離職者による欠員の補充は、とても大切です。
欠員補充による新人の募集に応募してくる人たちは、まさか離職に対する対策が行われていないコールセンターと知らずに応募しています。約3か月間の新人教育で、周りの状況が見えてくるデビュー前後に、クレームを受けて高いストレスに苦しむ自分の未来を予感した時点から、その新人は離職予備軍に入ります。
応募してきた新人の期待と異なる仕事環境なら、新人教育期間中に離職されてしまいます。
KPI指標未達成
先ほどハインリッヒのヒヤリハットの法則を紹介いたしました。
一人の離職者が居れば、離職予備軍は約300倍の300人が該当します。
これは、スタッフが300人のコールセンターなら全員が離職予備軍と云う事を示唆していて、「KPIの達成を目指しましょう!!」と掛け声をかけている人も、その掛け声を聞いている人も含めて離職予備軍ですから、KPI指標を達成するような貢献意欲は持っていないことになります。
KPI指標の達成を目指すことは重要ですが、合わせて離職者を出さない取り組みをコールセンターのSVやオペレーターは待ち望んでいるはずです。
【顧客満足度の低下】
利用者の要件未解決
何度も引用する数字88%。
88%のコールセンター利用者が要件を聞き出してくれなかったと不満を訴えています。
約9割のオペレーターが離職
コールセンター利用者の88%が要件を聞き出してくれなかったと不満を訴えていても、全ての利用者がオペレーターに不満をぶっつけているとは断定できませんが、1日、1週間、1か月間と云う対象時間を長くすれば、多くのオペレーターが不満をぶっつけられていると推測する方が自然ではないでしょうか。
不満ばかりぶっつけられていたら、誰だって心が折れて、その苦しい環境から逃げたいと考える事もごく自然のことです。
コールセンターの活気がなくなる
コールセンターのほぼすべてのSVやオペレーターが、離職予備軍なら貢献意欲も低下していて、活気を高める動機が見つかりません。
要領を得ない無駄な会話が増え生産性が低下する
コールセンターに電話してくる顧客から要領よく正しく即答しても、質問に回答する一問一答型の応対スタイルに徹していては、顧客の要件を聞き出し問題を特定して解決策を提案してもらいたい期待に応えていませんから、顧客は自分なりに色々質問を投げかけてきます。
応対に向き合っているオペレーターは真剣に対応しているのですが、顧客主導にしていると、問題解決に回り道して時間が長くかかるか、問題解決が出来ないことになります。
利用者がコールセンターに期待する本来のスタイルは、腕利きの占い師のごとく「黙って座ればぴたりと当てる」を期待しているようです。
ただし、電話を介したコールセンターは黙っていては、何もわからないのでオペレーターから、根掘り葉掘り要件を聞き出してあげて欲しいものです。
サポート品質の低下
もし離職予備軍のSVがヘルプに対応する時、オペレーターがどんなに困っていても親身になって支援するでしょうか。
応援や掛け声を対策の柱とするのではなく、離職予備軍たちの不安や不満に寄り添うことが必要です。
機会損失の拡大
コールセンターを利用する人たちは、ネットで自己解決できなかった人たちと捉えると、ネットで自己解決できていれば、企業が提供するサービスや商品を購入していたはずです。
その理由は、ネットで自己解決できなかった42%の利用者は、コールセンターで問題解決が出来たなら追加のクリックをしていたはずと考えられるからです。
もしかすると42%の利用者の内、要件を聞き出して貰えなかった88%の購入機会が失われていたら、結構な機会損失になっていたと考える事もできそうです。
コールセンターで採用されている高い離職率を改善する今までの対策とは
今までの対策
【共通目的】
効率化や生産性を高める対策
コールセンターの運営コストを抑えるためオペレーターなどの応対要員の配置計画を作成する時、シフト計画に含める人員数を絞る。
ただし、配置要員数を絞ると、お客さまの待ち時間が長くなるため、一件当たりの応対を手短に完了するように徹底する。
オペレーターが辞めたら、新しい人員の求人と採用を行い、欠員をカバーする。
【コミュニケーション】
知識不足を補うため顧客から要件を聞き出さない一問一答型応対
コールセンターに配属された新人が1年間で50%以上離職すると回答した事業者は18.4倍と悪化しています。
そのため、コールセンターのフロアには、見渡す限り離職者の穴を埋める新人です。
勿論、新人教育を合格してデビューしていますが、実践で身に着ける部分は、教育期間中には教えてもらっていません。
経験不足、知識不足は当然です。
経験不足と知識不足を補う対策が、顧客主導型の聴かれたことに回答する一問一答型の応対スタイルです。
一問一答型応対を補うツールの導入
経験不足や知識不足を補う顧客主導型の一問一答型スタイルでも、参照するデータにより、
- 鮮度が古い
- 内容が変更されている
- そもそも該当しない
などの問題を解決するために、データを一元管理するツールが登場しています。
所謂、業務知識用の電子辞書です。
しかし、このツールを導入しても顧客の要件を聞き出すことはできないので、88%の利用者の不満は解消されません。
イベントを開催して、一時的に楽しい環境を作る
企業の記念日、七夕やクリスマスなどのイベントに乗っかり、楽しい環境づくりに力を入れているコールセンターもあります。
この対策も、顧客の要件を聞き出しているわけではないので、イベントが終わると現実と向き合うことになります。
【貢献意欲】
優秀者を表彰する
皆勤者を表彰し、標語を募集して優秀な応募内容を表彰して、コールセンターへの貢献意欲が高まるような企画が開催されます。
離職を考えているオペレーターと面談して、勇気づける
この面談も勤務が継続したくなる誘因要素をコールセンターから与えると云うより、オペレーターにもっと貢献して欲しいと、おねだりしているようです。
組織メンバーとして人が働く場合
誘因≧貢献
と云う関係式があり、働きたいと感じる誘因は、貢献度合いと同等かもっと大きくなくては、人は組織メンバーとして働き続けられません。
クレームの耐え方セミナーを受講させる
88%のコールセンター利用者が要件を聞いてもらえずに不満を訴えています。
応対で利用者と電話を介して向き合うオペレーターにその不満が注がれる、いやぶっつけられるとどんなに耐性力が高くても心が折れるのは、時間の問題です。
そのために『クレームに耐えるセミナー』を受講させて、心が折れるまでの時間を長くしています。
コールセンターの高い離職率を改善することは絵に描いた餅なのか
そもそもコールセンターの高い離職率の改善って、掛け声だけ?? 取り組んでいる演技?? もしくは、絵に描いた餅なのでしょうか。
そうなると、なんだか空しくなりますね。
当社は、そんな空しくなるコラムを公開したりしません。
掛け声だけで、頑張れ!!
と云う精神論なら、コラムを公開しない方が善いと考えているからです。
では、どんな取り組みを考えているのか。
ここから、昔経験したことをご紹介します。
コールセンターシステムの構築は、プログラムを開発してコンピューターをマシン室に設置したら出来上がりではありません。
【コールセンターシステムの構築プロセス】
- コールセンターを設置する目的や顧客に提供する満足度の向上などのサービスの再定義を行います。
- 顧客に提供する満足度の向上を実現するために必要な運営方法と人が係る業務を設計いたします。
- この時の成果物が、所謂『要件定義書』になります。
- 業務で使っていただくコールセンターシステムの設計とサーバーなどの選定を行います。
【設計時のルール】
こちらから「買ってください」と売り込み営業はしない。お客さま企業が、必要なものを選定し調達のお手伝いに徹する。
選定されたサーバーなどを用いて、動作試験をしてお引き渡しをします。
この時の成果物が、所謂『コールセンターシステム設計書』になります。
今までコールセンターシステムを構築して、運用をご担当するセンター長さまや副センター長さまに引き渡してきました。
あるコールセンターでも同じようにシステムの引き渡しをしていた時、着任されご挨拶させていただいた
副センター長から、質問
を頂きました。
「コールセンター長って、何やんの??」
です。
当然です。
全くの畑違いから、社内人事異動で副センター長に抜擢された方ですから。
【質問です】
あなたが、コールセンター長なら何をやりますか??
時代は、2000年ぐらいです。
その時代のトレンドと合わせて、考えてみてください。
もしかすると、そんな昔はまだ生まれていない。
と云う方も居てもおかしくないですね。
【ヒント】
その時代は、コールセンターにクレーム電話が、日常的に入ってくると云う認識はなく。
毎日が平穏、そのものでした。
まだ、通話録音システムも、オーディオ用のオープンテープレコーダータイプをコールセンターに転用しようか??などと考えていて、やっとイスラエルのメーカからハードディスクタイプも登場してきたばかりの時代です。そもそも全ての応対を録音するニーズがまだあまりない時代で、全通話録音システムは、どちらかと云うとコールセンターに設置をするより、指令センターを持つ警備会社が欲しがっていた時代です。
話しをコールセンターに戻します。
しかし、時々応対中のオペレーターが泣きだし、SVが周りに集まって対応方法を議論しながら、サポートしています。
SVも複数人になれば、経験や考え方の違いから、オペレーターへのサポートの方法や結論も異なっていました。
その結果、オペレーターは顧客から受けるクレームと、SVが周りで議論して対立する板挟みにあい、どうすることもできなくなっていました。
ヒントは、ここまでです。
【システム屋が考えるコールセンター長がする事とは】
- クレームを出さない事、
- クレームによる離職者を出さない事、
- お客さまの声を基に社内改善を推進する事
と考えています。
【具体的には】
- クレームはいつ来るかわからないから、事前対策が必要と云う文化を作ること。
- 事前対策のためなら、シフトから外れて打ち合わせに参加するような指示を出すこと。
- 事前対策を実施して、良かったこと、通用しなかったことなどを毎月必ず振り変えること。緊急時には、その都度対応する事
- 事前対策の改善案を作成し、優先順位が高いものから実施する事
です。
その時の副センター長は、ほぼお伝えしたように実践していたようです。
勿論、コールセンター内で働く人たちの不満や不安もクレームとして収集するためにオフサイト(職位や立場を無くしフラットな立場で行う)ミーティングを開催し、毎月見直しを加えながら、クレームを減らす取り組みのPDCAを規則正しく回していました。
【オフサイトミーティングの効果】
お酒を飲まなくても、親交が深められ意見交換ができる環境を作り、問題解決を推進できる効果が期待できます。
- 本音を聞けて、距離を縮められる
- 情報収集できる
- ストレスが発散できる
- 気を使わなくてよい
- お酒の席まで、仕事を持ち込まなくてよい
- お酒が苦手な人でも参加できる
などです。
自分も、定例のオフサイトミーティングのファシリテーターとして参加していました。システム屋の自分はコールセンターをお持ちの企業様からすると社外の人間なので、緊急開催のオフサイトミーティングに参加できるときは、たまたまコールセンターにお邪魔しているか、近隣の他のビルで打ち合わせしているときです。
その際、自分の携帯に電話が架かってくるのではなく、打ち合わせに参加しているリーダーに電話が架かってきて、打ち合わせ対応を優先させるか、コールセンターで起きている事件対応を優先させるか議論し確認の上で、打ち合わせリーダーから指示が出て、玄関に手配されているタクシーに乗ってコールセンターに駆けつけて、トラブルシューティングを担当していました。
【トラブルシューティングとは】
- 状況を把握します。
- 問題が発生する箇所を特定する。
- 発生条件を見極める。
- 原因を想定し検証する
- 対策は、早くできる応急処置と、時間は掛かるかもしれないけれど恒久的な対策を実施する。
- トラブルシューティングプロセスを定着させていく。
等が必要です。
そして、具体的には、以下のような取り組みで離職率の改善が進みます。
バーナードが唱えた『組織の3要素』
【共通目的】、【コミュニケーション】、【貢献意欲】の
3つのテーマに沿って説明を進めます。
その1
利用者の満足度を高める方の優先順位を高くする
その2
効率化や生産性の追求は、利用者の要件に応えた結果としてついてくると考える。
【共通目的】
利用者の満足度を高める
2~3%の利用者が不満を訴えているのなら、選択肢として放置することも仕方がない時もあります。
しかし、88%コールセンターの利用者が要件を聞き出して貰えなかったと不満を訴えています。
放置する選択って、無いのではないでしょうか。
逆に考えれば、どんどん要件を聞き出したら、不満を感じる利用者が減るって考えてもよいのではないでしょうか。
不満が減って、満足度が高まると一石二鳥ですが、・・・・。
順を追って、考えましょう。
効率化や生産性を高める
現在応対の主流となっている一問一答型は、顧客の質問に答えるけれど、オペレーターから顧客に要件を聞き出さないと云う隠れた約束事が有ります。
効率化や生産性を高める時短は必要ですが、そもそも必要なことが欠落してまで時短を追求することは、後々の代償が大きくなりますからやはり避けたいですね。
その3
利用者の満足度を高めるため、要件を聞き出す。
その4
聞き出した要件に対応するスクリプトを作成する
その5
スクリプトを作成するコツは、聴き方、伝え方、考え方を盛り込むと善い
覚えるべき知識やノウハウをスクリプトに盛り込む
【コミュニケーション】
利用者の満足度を高めるため、要件を聞きだす対応に変更する
一問一答型のみに頼るのではなく、これからは聴き方、伝え方、考え方をしっかり確認し、顧客の要件を聞き出して、問題を特定し、解決策を提案していくスクリプトをご用意することをご提案いたします。
正しく即答する
即答するとは誰が応対しても10分間掛かる内容を、一部省略して5分間で話すことを指してはいません。
ではどういう事かと云うと、誰が話しても10分の内容を20分掛けたり、30分掛けたりせずに10分で完了させることを指しています。
これが時短だと考えています。
サポートが何時でも受けられる仕組みづくり
新人教育トレーナーが教えてくれた事の中から「実戦で覚える事」と「実戦で聴いて確認して欲しい事」を対象とする応対中でも、サポートが受けられる仕組みが必要になります。
応対で使うスクリプトに聴き方、伝え方、考え方を盛り込んで作成しておけば、新人教育トレーナーから聞いたことへの対策も万全です。
特にコールセンターの在宅勤務では、近くに質問できるSVは居ません。
応対中にスクリプトのどの枝を辿っているのかを視覚的にとらえられるリアルタイムモニターや履歴データを遡れれば、何時でも離れていてもサポートを受けられますね。
覚える対象をツールに任せる
新人教育トレーナーが云っていた「新人教育で教えられることは業務マニュアルの内容ぐらいです」
その引用するタイミングが間違っても、引用先を間違ってもトラブルになってしまいます。
応対の話しの進み具合に合わせて覚える対象をスクリプトに埋め込んでおけば、業務マニュアルの引用先を間違える事もなくなり、引用するタイミングも誤解されない、適した場面で使う事が出来ます。
その6
意見が統一された事項をスクリプト反映する
その7
スクリプトの解釈が分からないとき、サポートを行う
【貢献意欲】
アドバイスが統一される仕組みづくり応対の前にスクリプトに聴き方、伝え方、考え方を盛り込んでも、内部で意見が割れていては、そのスクリプトを使うオペレーターがトラブルと云う地雷を踏んでしまいます。
スクリプトを応対で使うためには、
- スクリプトの原案を作成する
- 応対で使えるように磨いて、管理者の承認を受ける。
- 承認を受けたスクリプトを用いて、応対に臨む。
- 応対中に違和感が有れば、改善以来を付けて①に差し戻す。
問題解決スキルの支援が受けられる仕掛けづくりコールセンターのオペレーターが離職する率が高止まりしている事への改善解決策をご提案させていただきました。
多分このコラムを読んでいただいた方の中には、こんな方法があったのかと、驚いたり、出来るのかと疑ったりしているのではないかと思います。
その反応は、仕方がないと受け止めています。
理由は、今まで応対業務を行っている一問一答型を変更してスクリプトを基本に応対を進める景色が描けないのも理解できるからです。
そのため、スクリプトを使う不慣れな応対の推進には、是非アドバイザーを探してみてください。
不慣れな登山などには、ガイドが居ると心強いものです。
そしてスクリプトを応対で使うようになると、他の部門に対する問い合わせや改善の依頼内容も、事象を遡って場面を特定させることができるようになります。
今までクレームを関係部門に伝えても、「クレームと云う結果だけ伝えられても、改善に着手できない」と返事を貰っていれば尚更前進できるはずです。
追伸.
コールセンターでお客さまとの応対に臨むオペレーターを支援する当社AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』の応対支援画面について「機能説明が欲しい」とお問い合わせを頂きhttps://activecs.co.jp/news/768.html
に、公開いたしました。
是非、機能説明もご確認ください。
弊社ホームページでも運営課題の解決方法をご紹介しています。
https://activecs.co.jp/
解決方法を仕入れご活用ください。