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コールセンターで起きるクレーム対応と対策をご紹介

2021年11月17日 公開 / 2022年9月6日更新

テーマ:コールセンターの課題解決

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 経営戦略業務改革ビジネスモデル


コールセンターの応対業務の中で、身に着けたいスキルの上位に来るクレーム対応。
しかし、難しいから、自分には無理?!
って、距離をとっていませんか??
クレームを無かったことにしても、必ずばれてしまうものです。
基本的な対応を知っていれば、大問題にならずに被害が少ないうちに解決できる経験ってないですか。
このコラムでは誰でもできる、知っていて得するクレーム対応について、解説します。

コールセンターへのクレームは、突然訪れる??

コールセンターで応対をしていると、・・・・・。

「いつものように何にも起きないと嬉しいな~。」
しかし、クレーム電話が入って来るのは、だいたいそんな思いにふけっているときです。
「あちゃ~。」
「クレームに当たっちゃった。」
まるで『ロシアンルーレット』のごとく、当たらなければ平和な一日が過ごせる予定が、・・・・。
「電話の向こうの顧客は、テンション高いな~。」
・・・・・・。
「やっと、クレーム対応が終わった。」
「疲れた~。」
と云う体験は、誰でもしたことが有るのではないでしょうか。
コールセンターに掛かってくるクレームは千差万別で、対応が難しく。
なかなか電話を切ってくれません。
そして担当者が変わることも許してくれない事例もあるようです。
このようなクレームの対応って、我慢するしか方法は無いのでしょうか。
クレームは誰でも、驚き、焦って息が詰まるものです。

しかし、コールセンターの中にはどんなクレームでもまーるく収めてしまう達人っていませんか。
その達人こそ、クレームで傷つき、立ち上がって、解決方法を何通りも試してきたから、今の達人になっている。
と考えてみては如何でしょうか。
その達人たちの多くは口下手で、クレーム対応の方法などを積極的に教えてくれないかもしれませんが、この記事を読んだ後に話しかけて極意を聞いてみてください。
きっと、いろいろな体験を教えてくれると思います。

コールセンターに於けるクレームの対応方法(トラブルシューティング)の基礎知識

コールセンターに居るクレーム対応の達人たちに極意を聞き出すと、もしかすると共通点があるかもしれません。
その共通点を整理して、事例ごとの固有名詞を普遍的な表現に置き換えたものをクレーム対応の解決方法として、コールセンター内で共有することをお勧めいたします。
今回は、クレーム対応の達人たちが知っていて、たぶんこんな考えに基づいて行動している。
と思われる手順を、誰でもわかるように解説していきます。

クレーム対応の基本知識を紹介します。
クレームもコールセンターで応対しているあなたからすると、トラブルに遇っちゃったことになります。
そうです。
クレーム対策を、トラブル対策と読み替えることで色々な対策が見つかります。
前置きが長くなってしまいましたが、トラブル対策で有名な考え方に『トラブルシューティング』と云う考え方があります。

【トラブルシューティング】

  1. コールセンターにクレームの電話が架かってきたときの対処法を見つけることができます。
  2. シフトに入っている人が、突然休んだ時の原因の特定と解決方法を考えるときにも使えます。


要するに、原因を特定して改善する対策を考えるときに使える考え方。ということです。
トラブルシューティングの事例は、身近なところで『こんな時の対処方法』なんて云うまとめを観たことありませんか。
コールセンターにもそんな『こんな時の対処方法』が用意されていたら、クレーム毎に慌てる頻度も少なくなるのではないでしょうか。
トラブルシューティングが必要になるときは、誰かが困っていて、何から手を付けて善いのか考えている時間がもったいないような時に役立てますから先人が色々試した結果この方法がベターだよね。と云う原理原則にまとめられています。是非、貴コールセンターでもトラブルシューティングの考え方を取り入れてみることをお勧めです。

【トラブルシューティングの基本的な考え方】

トラブルシューティングの基本は『最も単純で、頻度の高い原因から発生する可能性を消していきます』
実は、ここにポイントがあります。
もう気が付かれましたか。
『頻度の高い原因』
です。
よく見られる間違いは、
『頻度の高い現象』
の対応となってしまいがちです。
現象を相手にしていては、原因が残っていますから、いつまでたってもコールセンターでトラブルやクレームが残ることになります。
この記事の冒頭で『クレーム対応』の事例を引用しましたが、電話の中に閉じた対応は、ここで言う『・・・・・、頻度の高い現象・・・・・』に相当します。
それでは
『・・・・・、頻度の高い原因・・・・・』のように、原因を特定する方法はあるのでしょうか。
はい。
あります。
安心してください。

【トラブルシューティングの方法】

  1. 状況を把握する
  2. 問題の発生する場面など発生条件を特定する
  3. 確認して特定した対象に対して、ひとつひとつ本来の因果関係が成り立っているか検討していく
  4. 時間的に考えてみる。


例えば、5分おきに状態を考えて、トラブルが起きるのか
時間を遡って、申告されたトラブル(クレーム)は本当に起こるのか
さらに、このまま時間を進めるとまたトラブル(クレーム)は起こってしまうのか

  1. 当事者が変わっても、トラブル(クレーム)は起こるのか
  2. トラブル(クレーム)が起こる時の手順に規則性はあるか
  3. などです。
  4. これらの結果を基に、トラブル(クレーム)の発生条件を表にまとめ、条件の同一性や違いから発生条件を想定する。
  5. 想定した条件を再現してみて、またトラブル(クレーム)内容が起こるのか確認する。
  6. 慣れるまでは、一人では難しい時もあるため複数人でチームを組んで考えることが良いでしょう。
  7. トラブル(クレーム)の原因が特定出来たら、取り除く方法を考えます。


トラブル(クレーム)を起こす原因だからと云って、周りを気にせず取り除こうとすると、正しく機能している他に影響が出てしまい、新しいトラブル(クレーム)を生む基になりかねません。原因を取り外しても、悪さをしないことを確認しましょう。

コールセンターだからクレームの前ぶれに気を付ける(ハインリッヒの法則)

多くのコールセンターは、複数のオペレーターが一人ひとり個別に顧客と応対しています。
そのため、情報の共有が難しくなっています。
せめてクレームだけでも、何についてのクレームなのかを前述で紹介したトラブルシューティングに使えるような情報をメもり組織で共有する仕組みを作りましょう。
このメモが共有されていれば、トラブル(クレーム)を起こす原因が特定出来て、事前に用意している対策で切り抜けることができます。
ちなみに、一件の事故は似たような事例が29件あるとし、さらに条件が揃えばトラブル(クレーム)になってしまう300の異常があったと云う有名なハインリッヒの法則があります。
一つ一つの事例は、無関係に思えても、ことある毎に整理しておけば、必ず役に立つ日が来ます。

コールセンターからクレームを情報共有する

以前、コールセンター長から聞いた話ですが、コールセンターで受け付けるクレームはほとんどがコールセンターではない他部門へのお叱りや改善要望らしい。
その話しを聞いて、全くその通りだと感じました。
理由は、コールセンターに電話したとしても、コールセンターのAさんに怒っている。と云う人はほぼ居なくて、居たとしてもコールセンター長などの役職についている人に、直接話しをしたい人ぐらいしか見たことが有りませんでした。
何が言いたいかと云うと、コールセンターに架かってくるクレームのほとんどがコールセンターが所属する企業の他の部門へのお叱りや改善要望と云うことです。
軽い改善要望を紹介すると「申請の仕方が分からないから電話しました」と手続きの問い合わせです。
実はこれも手続きを求めている部門の案内が分かり辛いための問い合わせです。このような軽い問い合わせって、結構ありませんか??
一日に何割ぐらい、このようなお問い合わせを受けていますか??
このようなお問い合わせのトラブルシューティングが出来て、改善が進んだら喜ぶ人が増えると思いませんか??
是非、小さな出来事でもトラブルシューティングのためにメモって共有するようにしましょう。

コールセンター内でのクレームを認める

先ほどは顧客から架かってくるお叱りや改善要望についてお話ししましたが、今度はコールセンター内のクレーム(トラブル)を認めることで、笑い声が絶えない楽しいやりがいが溢れるコールセンターに変化していくと云うお話しです。
では、コールセンター内にクレームって有るの??
結論からお話しすると、きっとあります。
昔、センター長、副センター長、マネージャ、SV、リーダー、ベテランオペレーター、中堅オペレーター、新人オペレーターを会議室に集めて、オフサイト (役職や立場を考えない) ミーティングを開催したときのこと。
こんな問題がありました。

  1. 具体的にどんな仕事をしているのか分からない。
  2. 順調な時の基準が分からない。
  3. 助けを求める基準が分からない。
  4. 質問をしてもよいのか分からない。
  5. 困っていそうな人に声がけしてよいのか分からない。


など
書ききれない程、分からない事が出てきました。
これもポイントです。
先ほどの顧客の問い合わせと似ていませんか??
「従業員がわからないと感じていること」は、クレームです。
クレームと云う表現は使っていませんが、聞き流しては改善できません。
是非、「・・・・分からない、・・・・」の改善に取り組んでみてください。

コールセンターのクレーム対策は体系化から着手(グッドマンの法則、サービスリカバリシステムの構築)

クレーム(トラブル)の改善方法は読み進めている中で、イメージしていただけたのではないでしょうか。
でも、どんな効果が有るの??
トラブルシューティングすると疲れるだけじゃないの??
と、冷めてフェイドアウトを考えていてはもったいないです。
トラブルシューティングの効果は、『グッドマンの法則』として最近注目されています。
一言で言うと「納得されるクレーム対応は、ファンを量産する」と云う研究です。この考えは法則なので、多くの場合「ふーん。そうなのね」「でも、どうやってファンを量産するの??」って、思考が止まり、手も止まってしまいます。
この素晴らしい法則の果実を手に入れる方法も、合わせてご紹介します。
それは、
先ほどからお伝えしているトラブルシューティングを組織で回せるように役者を取り決め、何時でも活動できるように練習しておけばそれで『グッドマンの法則』に準拠した活動が実践できます。この『グッドマンの法則』を回すための決め事を別名『サービスリカバリシステムの構築』とも呼ばれています。

顧客から寄せられるクレームから『サービスリカバリシステムの構築』に着手してもよいですし、コールセンター内のクレームの改善を目的に取り掛かってもよいと思います。
是非、トラブルシューティングに挑戦してみてください。

AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』でクレーム対策を構築

人力で対応していた『サービスリカバリシステム』の機能や役割の一部をAI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』が代行します。
今までクレーム対策についてご説明してきました。
クレーム対策は、お客さまに寄り添う応対を実現するためにコールセンター業界が目指す『優れた会話運びの修得』につながるアプローチだと考えています。そして、優れた会話運びの練習や新人教育用にスクリプトを用意しているコールセンターは少なくありません。
しかし、スクリプトは作成や更新が煩雑で、今までは実用的ではありませんでした。
弊社はスクリプトをAIに実装し動的に操作させる仕組みをクラウドでサービス提供いたします。
スクリプトを動的に操作するAI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』を使えば、理想的な会話運びモデルの共有や修正をコールセンター全員が参加して育てていく事が出来るようになります。
頂いたクレームに対する聴き方、伝え方、考え方をスクリプト化してAIで動的に操作させれば、誰もが成功確率が高いスクリプトを使って顧客対応ができるようになります。
勿論、コールセンターには新人からベテランまで色々な成長段階の人が居ますからAIに実装するスクリプトも聴き方、伝え方、考え方の内容も成長段階ごとに分けた方が善いと云うアドバイスを基に開発しています。
例えば、新人オペレーターのスクリプトには、考え方を丁寧に解説していくとか、一方ベテランオペレーター向けは豊富な経験が有るので、スクリプトに考え方のボリュームを少なくしてもよいはずです。
以下に、AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』の立ち上げなどのご提供サービスをまとめます。

【弊社の取り組み】

  1. スクリプトをまとめる推進チーム立ち上げ。
  2. 推進チームは、貴社内選抜メンバを招集して立ち上げます。
  3. 会話運びモデル(スクリプト)作成のご支援を行います。
  4. スクリプトを動的に操作するAIを国内クラウドで提供します。
  5. 会話運びモデル(スクリプト)の更新を支援いたします。
  6. 同じ内容の問い合わせなどの再発防止、未然防止対策のご支援をいたします。


【AI機能】

スクリプト動的操作機能

人力では煩雑だったスクリプトをAIに管理させます。

応対シナリオサジェスト機能

要件を聞き出し、提案をAIが支援します。

気づきメモ機能

気づいた瞬間にスクリプトにメモを貼り付けられます。
スクリプトの改善リクエストに使えます。

リアルタイムモニタ機能

応対中リソースの好不調をモニタ表示します。
クレームなどで困窮しているオペレーターの会話運びに使ったスクリプトの流れをモニタで確認して、適切な対応をサポートします。

履歴データ取り出し機能

過去の応対を遡り検証するデータを出力できます。

【期待効果】

  • 正しく即答できるようになります。
  • 顧客満足度の向上を支援します。
  • 要件を聞き出し、積極的に提案できるようになります。
  • 効率/生産性の向上を目指せます。
  • 顧客を満足させることでオペレーターが受けるストレスが軽減されます。
  • 離職率改善や定着率向上を目指せます。


など、です。

今回のコラムは、ここまでです。
もっと詳しい事が知りたいなど、お気軽にご相談ください。

追伸.
コールセンターでお客さまとの応対に臨むオペレーターを支援する当社AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』の応対支援画面について「機能説明が欲しい」とお問い合わせを頂きhttps://activecs.co.jp/news/768.html
に、公開いたしました。
是非、機能説明もご確認ください。

弊社ホームページでも運営課題の解決方法をご紹介しています。
 https://activecs.co.jp/
解決方法を仕入れご活用ください。

この記事を書いたプロ

沖本能道

AIを活用しコールセンターの価値を高める専門家

沖本能道(株式会社アクティブ・コーチング・システム)

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