ペット可物件の退去後、臭いが残る――次の入居募集に向けて、管理会社・大家さんへ

「このアルバムだけは、娘に渡してほしいんです」
入居者さんがそう話してくださったとしたら、管理会社さんや大家さんは、その思いをどこに記録するでしょうか。
部屋にある物の価値は、値段だけでは分かりません。古い写真、家族からの手紙、長年使ってきた時計。ほかの人には何気ない物でも、ご本人にとっては、かけがえのない思い出が詰まっています。
万一のとき、ご本人に「これは残しますか」と聞くことはできません。だからこそ、元気なうちに用意しておきたいのが「残したい物リスト」です。
■ 安心サービスを導入した、その先の備え
全花連安心サービスをご導入の管理会社さん・大家さんには、入居者さんと全花連との死後事務委任契約の確認とあわせて、大切な物についての希望を記録するご案内をおすすめします。
国土交通省のガイドブックでも、廃棄せずに相続人や知人などに残したい家財を指定し、送り先などを記載する「指定残置物リスト」が紹介されています。
ご本人の希望が記録されていれば、対応する人が大切な物を見分ける手掛かりになります。安心サービスを、入居者さんの思いまで確認できる備えへとつなげていきましょう。
■ 「何を」「どこに」「誰へ」を、具体的に
最初から、すべての家財を書き出す必要はありません。まずは、ご本人が「これだけは残したい」と思う物から始めてみてください。
記入したいのは、次の内容です。
・品物の名前と特徴
・室内の保管場所
・所有者
・届けたい相手の氏名、住所、電話番号
・希望する取扱い
・記入日、更新日
例えば、「写真」だけでは、どの写真なのか判断できません。
「寝室の本棚、上から2段目にある青い表紙の家族アルバム」と書けば、見つけやすくなります。
「時計」なら、「居間の茶色い引き出しにある、銀色の腕時計」。
「手紙」なら、「押し入れの白い箱にまとめた、家族からの手紙」。
ご本人の同意を得て写真も添えておくと、品物の取り違えを防ぐ助けになります。届けたい相手に、受取りの希望を事前に確認しておくことも大切です。
■ 大家さん・管理会社さんからの、ひと言
「万一のときにも、大切な物を間違えて処分しないように、残しておきたい物を教えていただけますか」
そんなひと言から、始めてみてはいかがでしょうか。
入居前の契約時にも、入居中の更新時にも、ご案内できる機会があります。ご本人の気持ちを尊重し、無理に聞き出さず、書けるところから進めてください。
また、物の保管場所や届け先は変わることがあります。更新時などに「前回の内容から変更はありませんか」と確認し、最新版が分かるようにしておくと安心です。
■ リストは、契約と一緒に確認する
作成したリストは、ご本人の同意のもと、全花連本部に共有方法と契約への反映方法をご確認ください。契約書とあわせて、必要なときに確認できる状態にしておくことが大切です。
なお、リストに名前を書くだけで、財産の相続や贈与が決まるわけではありません。現金・通帳・貴金属などの扱いや、特定の方へ財産を譲りたいご希望は、遺言などとの関係も含めて別途確認が必要です。
また、リストに載っていない物を、管理会社さんや大家さんの判断だけで処分できるという意味でもありません。万一の際は、警察などの必要な確認を優先し、契約書とリストを用意して全花連本部へご連絡ください。残置物の取扱いは、契約内容と必要な確認に沿って進めます。
■ 部屋の次の一歩と、入居者さんの思いを支える
管理会社さん・大家さんが困らない備えと、入居者さんの大切な物を守る備え。その両方を、生前から整えておきませんか。
全花連安心サービスをご導入済みの皆様は、まず一人の入居者さんへのご案内から始めてください。
「残したい物は、ありますか」
そのひと言が、万一のときにご本人の思いを確認する手掛かりになります。
大切な物の取扱いを確認し、退去手続き、遺品整理、特殊清掃、そして花輪式完全消臭。
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参考資料
国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項の活用ガイドブック(第2版)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001746714.pdf
全花連「孤独死・残置物への備え|賃貸オーナー・管理会社の安心サービス」
https://zenkaren.jp/owner.html
※冒頭は説明のための想定場面です。画像はAI生成による実写風イメージです。


