「AIが言っていた」は理由になるのか 〜子どもたちに必要な「根拠」の力〜
朝の支度をしているとき、
「早く着替えて」
「早く食べて」
「もう出ないと遅刻するよ」
そんな言葉を、何度も繰り返してしまうことはありませんか。
宿題をしているときにも、
「まだ終わらないの?」
「そんなに時間がかかる?」
と、つい言いたくなることがあるかもしれません。
毎朝、時間には限りがあります。
仕事や家事の準備をしながら、子どもを送り出さなければならないご家庭も多いでしょう。
「できることなら、急かしたくない」
そう思っていても、待っていられない場面はあります。
「早くしなさい」と言ってしまうのは、決して保護者の方に余裕がないからだけではありません。
遅刻させたくない。
困らないようにしてあげたい。
自分でできるようになってほしい。
そんな思いがあるからこそ、声をかけているのだと思います。
ただ、すべての場面で答えや行動を急がせてしまうと、子どもは少しずつ、
「早く終わらせることが大事」
「わからなければ、誰かが教えてくれる」
「考えている時間は、止まっている時間」
と思うようになることがあります。
子どもが黙っているとき、大人から見ると、何もしていないように見えることがあります。
けれども、その間に、
「どこから始めよう」
「前にも似た問題があったかな」
「別のやり方ならできるかな」
と、頭の中で考えているとしたらどうでしょうか。
学校の授業でも、先生が質問したあと、すぐに答えを求めず、少し待つことがありますね。
この「待つ時間」は、答えを出すためだけのものではありません。
自分の考えを整理したり、間違いに気づいたり、「もう一度やってみよう」と思ったりするための時間でもあります。
もちろん、朝の支度や出発前など、急がなければならない場面まで、ゆっくり待つ必要はありません。
大切なのは、急ぐ場面と、急がなくてもよい場面を分けることです。
たとえば、時間に少し余裕がある宿題の場面で、すぐに答えを教える代わりに、10秒だけ待ってみる。
そして、
「どこまでわかった?」
「次はどうしようと思っている?」
「何か試してみたい方法はある?」
と聞いてみます。
「わからないの?」と聞かれると、子どもは責められたように感じることがあります。
けれども、「どこまでわかった?」と聞かれると、自分ができているところから考えやすくなります。
待っても、すぐに動き出さないこともあるでしょう。
ぼんやりしているように見える日もあると思います。
そんなときは、いつまでも待ち続けなくても大丈夫です。
「最初の一つだけ一緒にやってみようか」
「何分になったら声をかけようか」
と、考え始めるきっかけをつくる方法もあります。
待つことは、放っておくことではありません。
子どもが自分で考え始めるまで、少しだけ答えを渡さずに見守ることです。
そして、自分で答えや方法を見つけた経験は、
「自分で考えれば、できるかもしれない」
という自信につながります。
毎回、待つ必要はありません。
忙しい朝に無理をする必要もありません。
時間に余裕があるときに、一度だけでも「早く」の代わりに、「どうしたらよいと思う?」と聞いてみる。
その小さな積み重ねが、子どもの考える力を育てていきます。
子どもへの声かけは、正解が一つではありません。
待ったほうがよいのか、声をかけたほうがよいのか、迷うこともあるでしょう。
ハイパーブレインでは、子どもの学び方や家庭での関わり方、学校教育の変化について、保護者の皆様や学校関係者の方に向けた研修や講演を行っています。
「子どもの様子を、どう見ればよいかわからない」
「家庭での声かけについて考えてみたい」
そのようなテーマも、具体的な事例を交えながら、わかりやすくお話しします。
PTA研修や保護者会など、小規模な集まりにも対応しております。
ご家庭や学校で感じている疑問を整理する機会として、お気軽にご相談ください。


