「できる子」の定義が変わるとき 〜AI時代に問い直したい「優秀さ」〜
お子さんが宿題をしているとき、
「わかった?」
と聞いて、
「うん、わかった!」
と返ってきたので安心した。
ところが、少し違う問題をやってみると解けない。
「さっき、わかったって言ったじゃない」
そんなやり取りをしたことはありませんか。
何度か同じことが続くと、
「ちゃんと話を聞いているのかな」
「本当に理解できているのかな」
「このままで大丈夫かな」
と、心配になることもあると思います。
でも、子どもが適当に「わかった」と言っているとは限りません。
説明を聞いたその瞬間には、本当に「わかった」と感じていることも多いのです。
これは、私たち大人も同じです。
誰かの説明を聞いて、「なるほど」と思う。
インターネットの記事を読んで、「よくわかった」と思う。
ところが、
「では、それを誰かに説明してください」
と言われると、意外とうまく言葉にできないことがあります。
実は、「わかる」にはいくつかの段階があります。
- 聞いて「なるほど」と思う。
- 自分でやってみる。
- なぜそうなるのかを考える。
- そして、自分の言葉で説明してみる。
同じ「わかった」でも、その中身は少しずつ違います。
ですから、説明がうまくできなかったからといって、「何もわかっていない」ということではありません。
むしろ、説明してみることで、
「あれ? ここはうまく言えないな」
「なんとなくわかっていたけれど、ここはまだ曖昧だったんだ」
と、自分の理解の状態に気づくことができます。
この「わかっていないところがわかる」ことも、大切な学びです。
学校で、
「どうしてそう考えたの?」
「友達に説明してみよう」
といった活動が行われるのも、答えだけでなく、そこにたどり着くまでの考え方を確かめるためです。
そして、このことはAIを使う時代には、さらに大切になってきます。
AIに質問すると、とてもわかりやすく説明してくれます。
難しい文章も、簡単にまとめてくれます。
読んでいると、「なるほど、わかった」と感じます。
けれど、
「AIの説明がわかりやすかったこと」と、
「自分が理解できたこと」は、必ずしも同じではありません。
だからこそ、答えを得たあとに、
「自分なら、どう説明するだろう?」
と一度考えてみることが大切になります。
これは、ご家庭でもできます。
お子さんに「わかった?」と聞く代わりに、ときどき、
「お母さん(お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、その他お子さんが呼んでいる呼称)にもわかるように教えてくれる?」
「どうしてそうなるの?」
と聞いてみてください。
ただし、ここで大切なのは、テストにしないことです。
うまく説明できなかったときに、
「ほら、やっぱりわかってないじゃない」
と言われてしまうと、子どもは説明すること自体が嫌になってしまいます。
「そこまではわかっているんだね」
「じゃあ、ここは一緒に考えてみようか」
と受け止めれば、自分の理解を安心して確かめる時間になります。
「わかった」は、学びのゴールではありません。
わかったことを
- 使ってみる。
- 言葉にしてみる。
- 誰かに伝えてみる。
そうすることで、「わかったつもり」が少しずつ「自分で使える理解」に変わっていきます。
子どもたちの学び方は、AIやICTの広がりとともに少しずつ変わっています。
「家庭では、どんな声をかければいいの?」
「AIはどこまで使わせていいの?」
「今の学校では、なぜこんな学び方をしているの?」
こうした疑問を持つ保護者の方も少なくありません。
ハイパーブレインでは、AI・ICT時代の子どもたちの学びについて、専門的な話をできるだけわかりやすく、保護者の皆様や学校関係者の方へお伝えしています。
PTA研修や保護者会など、小規模な場でも対応しています。
「こんなことを聞いてもいいのかな」という段階でも構いません。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。


