「わかった」って、本当にわかった? 〜説明してみると見えてくる学び〜

大江香織

大江香織

テーマ:AI

お子さんが宿題をしているとき、
「わかった?」
と聞いて、
「うん、わかった!」
と返ってきたので安心した。

ところが、少し違う問題をやってみると解けない。
「さっき、わかったって言ったじゃない」

そんなやり取りをしたことはありませんか。

何度か同じことが続くと、
「ちゃんと話を聞いているのかな」
「本当に理解できているのかな」
「このままで大丈夫かな」
と、心配になることもあると思います。

でも、子どもが適当に「わかった」と言っているとは限りません。

説明を聞いたその瞬間には、本当に「わかった」と感じていることも多いのです。

これは、私たち大人も同じです。
誰かの説明を聞いて、「なるほど」と思う。
インターネットの記事を読んで、「よくわかった」と思う。
ところが、
「では、それを誰かに説明してください」
と言われると、意外とうまく言葉にできないことがあります。

実は、「わかる」にはいくつかの段階があります。

  1. 聞いて「なるほど」と思う。
  2. 自分でやってみる。
  3. なぜそうなるのかを考える。
  4. そして、自分の言葉で説明してみる。

同じ「わかった」でも、その中身は少しずつ違います。

ですから、説明がうまくできなかったからといって、「何もわかっていない」ということではありません。

むしろ、説明してみることで、
「あれ? ここはうまく言えないな」
「なんとなくわかっていたけれど、ここはまだ曖昧だったんだ」
と、自分の理解の状態に気づくことができます。

この「わかっていないところがわかる」ことも、大切な学びです。

学校で、
「どうしてそう考えたの?」
「友達に説明してみよう」
といった活動が行われるのも、答えだけでなく、そこにたどり着くまでの考え方を確かめるためです。

そして、このことはAIを使う時代には、さらに大切になってきます。

AIに質問すると、とてもわかりやすく説明してくれます。
難しい文章も、簡単にまとめてくれます。
読んでいると、「なるほど、わかった」と感じます。

けれど、
「AIの説明がわかりやすかったこと」と、
「自分が理解できたこと」は、必ずしも同じではありません。

だからこそ、答えを得たあとに、

「自分なら、どう説明するだろう?」

と一度考えてみることが大切になります。

これは、ご家庭でもできます。
お子さんに「わかった?」と聞く代わりに、ときどき、
「お母さん(お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、その他お子さんが呼んでいる呼称)にもわかるように教えてくれる?」
「どうしてそうなるの?」

と聞いてみてください。

ただし、ここで大切なのは、テストにしないことです。
うまく説明できなかったときに、
「ほら、やっぱりわかってないじゃない」
と言われてしまうと、子どもは説明すること自体が嫌になってしまいます。

「そこまではわかっているんだね」
「じゃあ、ここは一緒に考えてみようか」

と受け止めれば、自分の理解を安心して確かめる時間になります。

「わかった」は、学びのゴールではありません。

わかったことを

  • 使ってみる。
  • 言葉にしてみる。
  • 誰かに伝えてみる。

そうすることで、「わかったつもり」が少しずつ「自分で使える理解」に変わっていきます。

子どもたちの学び方は、AIやICTの広がりとともに少しずつ変わっています。

「家庭では、どんな声をかければいいの?」
「AIはどこまで使わせていいの?」
「今の学校では、なぜこんな学び方をしているの?」

こうした疑問を持つ保護者の方も少なくありません。

ハイパーブレインでは、AI・ICT時代の子どもたちの学びについて、専門的な話をできるだけわかりやすく、保護者の皆様や学校関係者の方へお伝えしています。

PTA研修や保護者会など、小規模な場でも対応しています。

「こんなことを聞いてもいいのかな」という段階でも構いません。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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大江香織
専門家

大江香織(教育情報化コーディネータ)

株式会社ハイパーブレイン

教育用AIチャットボットや、教育委員会と学校の情報共有をスムーズにするダッシュボードなどのICTツール開発。教師本来の業務である授業の充実や子どもとの触れ合いに専念できるようサポートします。

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