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加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(かとうたけのり) / ケアマネジャー

合同会社福寿想

コラム

孤独死

2020年7月13日 公開 / 2021年2月12日更新

テーマ:介護保険

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 社会福祉士ケアマネジャー遺品整理

少し前の話ですが
夜8時を過ぎた頃、私の携帯に登録のない電話番号から連絡がありました。仕事でおつきあいのある医療関係者(女性)からで、以前お母様のケアマネをしていた事がある方です。普段、携帯でやりとりする事のない方なので、びっくりして話を聞くと、
「父が亡くなりまして・・・。自宅で一人で亡くなっており、今、警察が来ています。実は、父の財布に加藤さんの名刺が入っていまして・・・。最近、いつ会いました?会ってないですよね?」
との事。絶句。

もともと老夫婦の生活をされており、私は、約3年前よりお母様のケアマネジャーとして1年半ほど関わらせて頂いてました。私の名刺は、その時にお渡しした物です。お母様は、1年前に特別養護老人ホームに入所されました。その後、お父様は、自宅で独居生活をされていました。近所にケアマネジャーとして私が定期訪問しているお宅があり、時間がある時や近所の方が心配しているという情報を聞いた時は、「おとうさん~元気ですか~?」と様子を窺う様にしていました。内容によっては、仕事で娘さんにお会いした時に報告するようにしていましたし、「介護保険の申請もしたけど、介護保険サービスを使いたがらないんだよね」と言われていました。

実は、春先に、その近所の方から「回覧板を回すのが億劫なので、地域の組から抜けます。回覧板はもう回さないでください」とお父さんに言われたので大丈夫かな?と相談を受け、様子を見に行ってました。
その時、お父さんは鼻水をすすっていたので、「大丈夫?風邪ですか?」と聞くと「花粉症だわ」。「ご飯食べてる?」「食べとるよ。買物も歩いて行ってる」と言われていました。ほんの3ヶ月前の話です。その後、コロナウイルスの蔓延あり、私も気軽に訪問できませんし、そもそも介護保険サービスを利用されている方でも無いので、そこの距離感は難しい面もあります。ただ、地域包括支援センターへ相談する、民生委員さんにつなげる等もっとやれることがあったかもしれません。

先月、その近所の方にケアマネ訪問した時に、近所の方から「Nさんどう?」と聞かれた所でした。その時は、何となくバタバタしていて、様子を見に行くこともなかったのですが、今となっては、あの時、顔を見に行ってあげれば、良かったな・・・と胸の奥底にザワザワとした疼きを感じます。私もまだまだ修行が足りません。

独居老人を地域で見守るのは限界があります。介護保険サービスや地域の福祉サービスを利用できれば、まだ良いのですが、本人がサービス利用を拒否している場合は、家族や親族、友人等が生活をフォローするしかありません。

ご家族が独居で生活されている方は、何か虫の知らせがあるはずです。そのタイミングを逃さないように、たまに顔を見に出かけてあげて欲しいと思います。

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加藤武範(合同会社福寿想)

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