認知症の家族を介護する
2015年2月に認知症検診を受けた時「脳の萎縮は見られませんが、軽度認知障害はあります」と医師に診断されてから早5年。現在、母は78歳となり、アルツハイマー型認知症の診断を受け、要介護2の認定を頂きながら、私たち家族と自宅で同居生活を続けております。
リハビリデイサービス、居宅介護支援事業所、福祉用具貸与事業、鍼灸マッサージ治療院など主に介護を必要とする高齢者の方々やご家族に、より快適な生活を送って頂くために多様なサービスを提供することを会社の使命と考え、ケアマネジャーとして日々業務に追われる自分が、まさか自分の母親の介護に悩むとは・・・
だから、認知症の方を介護するご家族の気持ち、すごくよく理解できます。
「さっきも言ったのに、また、同じ質問?」
「花粉症だから、窓は開けないでって言ったのに・・・」
「また、犬の散歩行くの?今日、10回目やな・・・」
「あーあ。本人にこんな事言っても仕方ないのに。自己嫌悪・・・」
でも、これだけは言えます。介護する側(家族)の対応で、ご本人の様子は絶対に変わります。
「さっきも言ったのに、また、聞くの?」「なぜ、できないの?」「認知症の人に言っても仕方ない」等本人を追い込むような発言は絶対にNGです。
「大丈夫。こっちで準備しておくよ」「全部、カバンに入れてあるよ」など本人が安心する様な声掛けに徹しましょう。重要なのは、同じ質問・同じ話を何度されても、毎回、同じ声のトーンでその質問に答えること。
うちの婆ちゃんは、毎朝デイサービスに行く前に「昼食べるのに、おにぎり持ってわ」「パン買うからお金ちょうだい」と言ってきます。それもデイサービスのお迎えが来るまでの約30分の間に少なくとも10回以上言います。その都度、私は「お昼は、給食頼んであるから大丈夫」母「あ、そうか。そうか」と答えます。
その無限ループ・・・。正直、ため息も出てきますよね。
介護の仕事に携わる自分でもこんな気持ちになるのに、この業界に関わることのない多くの方々は、どんな気持ちで認知症の家族と接しているのか想像に難くありません。