身体障害者手帳 取得

加藤武範

加藤武範

テーマ:障害者

寝たきりのKさん(脳出血後右麻痺)の拘縮予防のマッサージを行いながら、Kさんの奥さんとの何気ない会話を交わしていた時の事です…

奥さん:医療費も負担も増えて、最近大変なんです…
私:Kさんは身体障害者の手帳はお持ちでは無かったですか?身体障害者手帳の1~3級だと医療費が無料になるケースもありますよ。障害者の手当(いくらかのお金)をもらえる事もあります。
奥さん:身体障害者の手帳は持っていません。手帳の事は、誰が教えてくれるのですか?
私:脳出血が原因で手足に麻痺の症状が出たのなら、身体障害者手帳の取得が可能と思われますが…発症後入院したリハビリ病院のソーシャルワーカーとか、介護サービスを利用し始めた時のケアマネジャーとかですか…ね
奥さん:もう6年も前に脳出血と脳梗塞と診断されました。歩けなくなりましたし、話もできなくなりました。こちらから聞かないと教えてもらえないのですか?
私:麻痺の原因となる病気が発症してから半年とか、障害が固定する期間が必要な為、病院側からも身体障害者手帳取得したらどうですか?と前のめりでアナウンスしづらかったかもしれませんね。一般的には市役所の障害の窓口に行くと申請の段取りの説明をして頂けますが、まずは、主治医に相談した方が良いですね。お医者様の書類が必要ですし、その書類も書ける医師と書けない医師がいます。障害の種類によって認定医が違います。

おつきあいのある神経内科クリニックに、Kさんの身体障害者手帳取得について相談のって頂くように、私から依頼させて頂き、その後、奥様はご相談に行かれたようです。
Kさんのケアマネジャーにも上記の旨を連絡しました。「えー。それはまずいですね…でも気付いてもらって良かったです!」とケアマネジャーも驚いていました。事業所内異動でケアマネ交代を繰り返してきていたのも情報提供が遅れた一因かもしれません。

病気で手足が動かなくなる、目が見えなくなる、会話ができなくなる、食事の飲み込みができなくなる、耳が聞こえなくなる等、これらの症状が一定の期間続けば、身体障害者手帳を取得することが可能かもしれません。まずは、主治医に相談しましょう。自治体によって、障害者政策は違います。そうした事にも目を向けてもらえると(どんなメリットがあるのか?)良いと思います。
本人もしくはご家族が「身体障害者手帳を取れますか?」と自ら声を出さない限り、案外、教えて頂けないのが身体障害者手帳…だと僕は感じます。


~ダイヤモンド富士~ 本年もよろしくお願いします!

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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