突然辞める社員は本当にいるのか?
組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。
先日、妻がスマホの設定で困っていました。
私も一緒に見ていたのですが、
その場ではすぐに分からないところがありました。
そこで私が先に、
自分のスマホでその画面を写真に撮り、
ChatGPTに渡して聞いてみました。
すると、
その設定方法が書かれているサイトが出てきました。
これならできそうだと思ったので、
「この画面を写真に撮って、
その写真をChatGPTに渡して、
出てきたサイトを見てやってみて」
と伝えました。
私としては、
かなり具体的に伝えたつもりでした。
しかも、
その方法なら必要な情報にたどり着けることも、
自分で確認していました。
ところが、
しばらくすると、
「やっぱり分からない」
と言ってきました。
聞いてみると、
画面の写真をChatGPTに渡したのではなく、
Geminiに聞いていました。
正直、
「なんで、言った通りにやらないんだろう」
と思いました。
その後も、
私が伝えた手順とは違うことをしていたので、
「じゃあ、もう自分でやって」
と、
私は途中で別の部屋へ移動しようとしました。
すると妻から、
「なんで最後まで教えてくれないの」
と怒られました。
私としては、
「だって、言った通りにやらないじゃん」
です。
そのとき、ふと思いました。
これ、
職場でも起きているな、と。
支援先の管理職から、
「その通りにやればできるはずなんです」
「ちゃんと説明したんですけどね」
「勝手にやり方を変えるんです」
という話を聞くことがあります。
でも今回、
自分がその立場になってみて、
少し分かった気がしました。
私が妻に伝えたのは、
「この画面を写真に撮って、
ChatGPTに渡して、
出てきたサイトを見る」
という手順です。
でも妻の中では、
「分からなかったらAIに聞く」
くらいに変わっていたのかもしれません。
そうなると、
Geminiに聞くことも、
本人の中ではそれほど違っていない。
一方で、
私の中では、
「この方法なら進められると確認したから、
その手順でやってほしい」
という意味でした。
同じ会話をしていても、
受け取っていたものが違う。
さらに違っていたのは、
お互いが相手に期待していたことです。
私は、
「やり方を教えたから、
まずその通りにやってみてほしい」
と思っていました。
妻は、
「分からないから、
最後まで一緒にやってほしい」
と思っていたのかもしれません。
ここも違っていました。
職場でも、
上司は、
「ここまで教えたんだから、
あとは自分でやってほしい」
と思っている。
でも部下は、
「分からないから、
できるところまで教えてほしい」
と思っている。
そんなことがあります。
以前、TWIのJI、
仕事の教え方を学んだとき、
「主なステップ」
「急所」
「急所の理由」
まで教えることが大切だと学びました。
そして、
本人にやってもらいながら、
何をするのか。
どこが大事なのか。
なぜ、そこが大事なのか。
を確認します。
今考えると、
これは単に手順を覚えているかを見るだけではない。
教えた内容が、
相手の頭の中でどんな意味に変わったのかを確認している。
ということなのかもしれません。
「分かりましたか?」
と聞けば、
「分かりました」
と返ってきます。
本人も、
本当に分かったと思っています。
でも、
教えた側が見ている景色と、
教わった側が見ている景色が、
同じとは限りません。
私は組織づくりの中で、
「人は違う景色を見ている」
という話をよくします。
これは、
理念や戦略のような大きな話だけではありません。
日常の、
「これをやっておいて」
という指示の中でも起きています。
しかも違うのは、
手順の理解だけではありません。
どこまで自分でやるのか。
どこまで相手が助けてくれるのか。
そこにも、
それぞれ違う景色があります。
今回改めて思いました。
具体的に伝えたからといって、
同じ景色ができているとは限らない。
大切なのは、
「ちゃんと伝えたか」ではなく、
「相手の頭の中に、
どんな景色ができたのか」まで確認すること。
なのかもしれません。
あなたの会社でも、
「何度言っても、
言った通りにやってくれない」
と思う場面はありませんか。
もしかすると、
相手は違う景色を見ながら、
本人なりに「言われた通り」に
動いているのかもしれません。
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