「たるみ」を正しく理解する
とても大事なことですので今後も時々再掲したいと思います。なお一部編集して再掲してあります↓。
自院・他院を問わず手術後に関する相談の中で珍しくないのが「問題点があるのでそれを解決して欲しい」というものです。ここで言う問題点とは私から見た医学的・臨床的に本当の問題点という意味ではなく、あくまで「患者さんが気になる点」のことをいいます。
こうした相談の多くが術後3ヶ月以内のものであるという特徴があります。早い方だと術後1週間未満でした。
美容・形成外科領域に限って言うと、手術つまり身体に傷がついた後の経過には大まかなパターンがあります。いいですね?大まかですよ。
簡単に言うと術後3ヶ月が過ぎる頃までは傷(跡)には硬さや赤みなどが最も目立ちます。当然そのぶん腫れや引きつれ感、その他色々気になる点が出やすくなります。つまり手術による影響が1番出ている期間なわけです。というわけで術後3ヶ月以内の相談が多いというのもうなずけます。
しかしこのピークを過ぎると次第に影響はなくなっていきます。それに合わせるように気になっていた点も自然と改善していきます。術後3、6、9、12ヶ月といった具合に大体3の倍数ごとに区切りがあると覚えられるとよいでしょう。
気になるのですぐに何とかしたいという心境はとてもよく分ります。ところがここで焦って手をつけると予期せぬ結果を招く可能性が高いのです。
ちゃんと落ち着いた状態になっていないのに、いわば見切り発車で手をつけるようなものです。つまり「余計なこと」をすることになるわけです。そっと待っていればおさまったのに・・・というやつですね。
そして、「待つこと」と「放置」は全く違うということを是非ご理解いただきたいと思います。前者にはちゃんとその理由と目安があります。片や後者は何も無いただの放ったらかしです。どうかこれを混同しないでくださいね。