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最善策は「待つこと」

木村哲治

木村哲治

テーマ:美容外科

他院での手術後の状態について相談を受けることが割とよくあります。その多くが「問題点があるのでそれを解決して欲しい」というものです。ここで言う問題点とは私から見た臨床的に本当の問題点という意味ではなく、あくまで「患者さんが気になる点」のことをいいます。

さて、患者さんの多くが術後3ヶ月以内の相談であるという特徴があります。長い方でも術後6ヶ月未満でした。

美容・形成外科領域に限って言うと、手術つまり身体に傷がついた後の経過には大まかなパターンがあります。いいですね?大まかですよ。

簡単に言うと術後3ヶ月が過ぎる頃までは傷跡には硬さや赤みなどが最も目立ちます。当然それに影響された腫れや引きつれ感、その他色々気になる点が出やすくなります。

しかしこのピークを過ぎると術後6ヶ月に向けてゆっくりと下り坂に入ります。その後は9ヶ月、12ヶ月と経過するにつれて更に目立ちにくく馴染んで行きます。それに合わせるように気になっていた点も自然と改善して行きます。大体3の倍数で区切りがあると覚えられるとよいでしょう。

というわけで、術後3ヶ月以内の相談が多いというのもうなずけます。不安なのですぐに何とかしたいと思われるのもよく分ります。ところがここで焦って手をつけると予期せぬ結果に終わる可能性が高いのです。

ちゃんと落ち着いた状態になっていないのに見切り発車すると・・・余計なことしなくても待っていれば傷跡の硬さも取れてその影響もなくなったのに・・・というやつですね。

そして、「待つこと」と「放置」は全く違うということを是非ご理解いただきたいと思います。前者にはちゃんとその理由と目安があります。片や後者は何も無いただの放ったらかしです。どうかこれを混同しないでくださいね。

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木村哲治
専門家

木村哲治(外科医)

カメイクリニック富山院

患者さんご自身の血小板と線維芽細胞成長因子を用いたPRPF治療は適応範囲も広く且つ自然な仕上がりとなるため積極的に行なっています。https://www.prpf.jp

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