「たるみ」を正しく理解する
そうではありません。
埋没法に用いる糸は医療用のナイロン製で体内で溶ける糸ではありません。身体との親和性が高いので普通は何も問題はありませんが、本来そこには無いもの=異物であることに変わりはありません。
露出したり何らかの不都合が生じた糸は別として、特に問題のない糸はその手術名のとおり奥へ埋まり込んで行くので容易に見つけ出すことができなくなります。
偶然にも最近「昔、他院でやった埋没法の糸を取り除きたい」という方が続けて来院されました。しかし自分で施術した埋没法でさえ時間が経つほどに探せなくなることがあるので、手術から数年経過しており且つ他人が手術した、つまり手術の詳細が不明な場合はほぼ無理だとお話ししています。
瞼を裏返して結膜側を見れば糸の掛かっている箇所の瞼板が凹んでいることが多いので、何となく皮膚側のポイントも想像はできますが、話はそう簡単なものではありません。
埋没法は糸の結び目を皮膚の下へ埋め込むので、抜糸する場合は該当するポイントの皮膚を少し切って中を探すことになります。使用された糸が1本だけならまだしも、経験上3点止めとかを受けている人が多い印象があるので、そうなると尚更大変です。
糸が増えれば切れ目を入れる箇所も増えるので、「これなら中切開法で新たな二重まぶたを作ればよかったね」なんてこともあり得ます。
埋没法は糸を取ればいつでも簡単にリセットできるとは限らないと思っておかれた方がよいでしょう。